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第34話 「唖然!地獄のカードゲームバトルッ!」

 前回までのあらすじ!


 熾烈を極めたワタルと邪々美の戦いであったが、“熱血を捨てる”という奇策によってワタルは見事勝利した!!


 するとそこに現れたのは、身長4メートルのやべぇ人物! 驚くべきことに、彼こそが邪々美の父親、邪道院邪々丸じゃどういんじゃじゃまるであった……ッ!!!











「君がワタル君か……吾輩の娘を倒してしまうとは、見事だな……」


「娘……ッ? では、あなたは……ッ??」


「吾輩は邪道院邪々丸じゃどういんじゃじゃまる。邪々美の父だ」


「――ッッッ!?!?」


 これは驚きの展開であるッ! 突如壁をぶち破って登場したこの巨人が、邪々美の父親ということらしいッ!


 彼――邪々丸は、丸太のように太い腕をゆっくりと振り上げ、握り拳をワタルの前に差し出したッ!


「武ッッ!!!」


 戦闘開始の合図かと思い、とっさに身構えるワタルッ!


(ただの握り拳なのに……まるで巨大な隕石だ……ッ!)


 彼は珍しく冷や汗をかいたッ!


 すると邪々丸はおもむろに、拳を開くッ! その手のひらには、緑色の玉がちょこんと収まっていたッ! 間違いないッ! あれはオーブだぁッッ!!


「そう身構えなくても良い。これは約束の物だ……さあ、受け取れ……!」


 邪々丸は悪鬼のような形相のままそう言ったッッッ!!!


「あ、ありがとうございます……ッッッ!!!」


 邪々丸の手のひらからおずおずとオーブを受け取るワタルッ! ついに彼は、3つ目のオーブを手に入れたッ!


「では、吾輩は日課の“ウィンド大陸一周ランニング”をしてくるので、これで失礼させてもらうよ……!」


 そう言うと彼は、ノーモーションで上にジャンプッ! 凄まじい勢いで館の屋根をぶち破り、青空の彼方へと消えてしまったッッ!!


(邪道院邪々丸……あいつは、きっとただものではない……ッ! 俺ももっと修行を積まねばなるまいな……ッ!)


 気が付けばワタルは、武者震いが止まらなくなっていた……ッッッ!!!!!


「まあ、そういうことだから! じゃあな、ワタル! またいつか、アタイと戦えよ!」


 邪々美は大斧を担ぎながら、屈託のない笑顔でそう口にしたッ!


「応ッ!」


 そして数分後ッ! ワタルたちは、邪々美とセバスチャンに見送られながら、洋館を後にするのであったッ!


 ワタルたちのオーブを巡る冒険はまだまだ続くッ!











 次の日ッ! ワタルたちは、荒野をさらに進んだ先にある、小さな村にたどり着いていたッ!


「セバスチャンさんはここに4つ目のオーブがあるって言ってましたけど……本当なんでしょうか?」


 そこは、たくさんの人々が行きかう活気にあふれた村であったッ!


「よく分からんが、探すしかないな……ん?」


 するとリベリオンが、早速この村の異変に気付く!!!


「どうしたリベリオンッッ!!」


「あれを見ろ……この村の人々は皆、手に紙の束を持っているぞ……!」


 注目して見てみると、確かに彼らの手には謎のカードの束が握られているッ!


「アッ!!!!!!!!!! 本当だッ!!!!!!!!!!」


「あれは何なんでしょう? この村のお金でしょうか?」


 その瞬間、突然ッ! 一人の男性がワタルたちの会話に割り込んできたッッ!!!


「おいおい君たち! “モンスター・デュエル”を知らないのかい?」


 その人物は、黒いロングコートに身を包んだなんか怪しい雰囲気の男だった! 一際目を引くのは髪型ッ! 深紅の頭髪を、整髪料でヒトデのような形状にツンツンに固めているッ! 遠目から見るとまるで赤い星が外を歩いているかのようだッ!


「誰だ貴様ッ!!!!!」


「よくぞ聞いてくれた! 俺はこの村の村長! ジャスティス加藤だ!! シャキーーーン!!!!!」


 彼はそう叫びながら全身を振り乱し、右腕を天に突き上げるッ!


「何ィィィッ!? 自分で効果音を叫びながら決めポーズを取っただとぉッ!?」


 ワタルはジャスティス加藤の自給自足精神に感動したッ!


「ところで、“モンスター・デュエル”って何ですか?」


 アリアは首をかしげながらそう聞いたッ! ちなみに加藤の決めポーズには一切反応を示していないッ!


「“モンスター・デュエル”っていうのは、今この村で大流行しているカードゲームの名前だ!! お互いに40枚のカードで構成されたデッキを持ち寄り、戦うんだ!!!」


「そうかッッ!! まあそれはいいッ!!! この村にオーブがあるというのは本当かッッ!?」


「な、なんだとぅ!? 君たち、オーブを求めてこの村に!?」


 加藤はオーバーリアクションで叫んだ!!!


「そうだ。あるのなら早く渡せ」


 早くも加藤のテンションにイラついてきたリベリオンが、軽くキレながら言うッ!


「そぉうはいかぬぁぁぁい!!!!! あのオーブはこの村の宝!!! 欲しくば、この村長兼“デュエルキング”である私をモンスター・デュエルで倒すことだ!!!!!」


「……どうします? ワタルさん」


「やってやるぜッッッ!!!」


 完全に呆れているアリアを横目に、ワタルはワクワクしながらそう答えたッ!


「よし、ではデッキは俺が貸してやる!!」


 そう言うと加藤はコートをバサッとひるがえすッッ!!


 なんと、そのコートの裏には大量のデッキがずらりと収納されていたッ!!!


「ではお前には、比較的初心者向けとされている炎属性主体のデッキを貸してやる!」


「おお、俺にぴったりだなッ! ありがとうッッ!!!!!」


 ワタルは感謝の言葉を口にしながら加藤からデッキを受け取ったッ!


「それじゃあ早速詳しいルールを教えよう!! ルールは簡単!! まず40枚のデッキをしっかりシャッフルして、5枚ドローするんだ!!」


「わかったッッ!!」


 そしてワタルは憤怒の形相でデッキをシャッフルッ!


「うおぉぉぉぉぉッッッ!!!!!!!!!!」


「それぐらいにしておけ! あまりやりすぎるとデッキが摩擦熱で燃えてしまう!!」


「それもそうだな!」


 そう言ってシャッフルをやめたワタルは、デッキの上から5枚を凄まじい勢いでドローした!!


「よし、それじゃあここから本格的にデュエル開始だッ! その手札の中から1枚選んで、“召喚”するんだ!!」


「し、“召喚”ッ!?」


「カードを天に掲げろ!」


 ワタルは手札から適当なカードを選択し、言われた通りそれを天に掲げるッ!


 その結果ッ!






 ピカーーーッ!!!!!






 なんという事だッ! カードが突然発光ッ! そして気が付くと、彼の目の前には一体のゴブリンが現れていたッッッ!!!


「ッ!?」


「そうだ! それが召喚だ! このカードには特殊な魔法が施されていて、天に掲げれば意思を持たない魔物を呼び出すことが出来る!」


「なるほどなッ!」


 ワタルは納得したッ!


「それじゃあ今度は俺も召喚するぜ!」


 加藤はそう叫ぶと、手札から一枚のカードを天に掲げるッ!


「暗き深淵の底より出でよ! そして、その瞳に宿る怒りを燃やせ!! “ブラックアイズ・ブルー・サイクロプス”!!」


 すると加藤の前に、サイクロプスが召喚されたッ!!


 筋骨隆々の肉体に漆黒の単眼ッ! 見るからにワタルのゴブリンよりも強そうであるッ!


「今の口上は中々かっこよかったな……私も今度からそういうの言おうかな……」


 リベリオンは呟きながらニヤリと笑ったッ!!


「……それで、ここからどうするッッ!!」


「あとは単純さ! このモンスター同士を戦わせるんだ!! シャキーーーン!!!」


 ワタルの質問に決めポーズを取りながら答えるジャスティス加藤ッ!!


「わかったぜ! ……でも、手札の残った4枚のカードはいつ使うんだッッ?????」


「手裏剣みたいに投げて遊ぶと楽しいぜ!!」


「おお、そうなのかッ!!」


 それを聞いたワタルは、早速残った手札を手裏剣のように投げ始めたッ!


「このカード良く飛ぶなぁッ!!」


 すると時速600キロを突破したそのカードが、凄まじい勢いでアリアの眉間に直撃ッッッ!!!!!


「うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


 彼女は絶叫しながら眉間から鮮血を吹き出したッッッッッ!!!!!


 次回、「逆襲!これが漢のカードバトル道ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]モンスター・デュエル ルールブックver1.0……異世界転生出版

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