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第31話 「仰天!ワタル、初めての小説執筆ッ!」

 前回までのあらすじ!(はぁと)


 2つ目のオーブを求めるワタルたちが出会ったのは、なんと“俺ピン”の作者である山田ジェイコブだった!(はぁと)


 紆余曲折を経て、ワタルたちはなんと小説を書くことになった!(はぁと)


 果たして彼らは、ジェイコブをうならせる小説のあらすじを作り、無事にオーブを入手できるのだろうか!?(はぁと)











「よしッ! それじゃあ次は俺の番だッ! 小説を書くのは初めてなんだが、一生懸命やってみたぞッ! 聞いてくれッッ!!」


 そう言うと、ワタルは羊皮紙を持って立ち上がったッ!


「ほう、随分と気合いが入っているじゃないか、ワタル。それで、タイトルは?」


 リベリオンが聞くと、彼は満面の笑みで答えるッ!


「“スーパー爆裂やんちゃボーイ・カケル”だッ!!!」


「流石はワタルだな。タイトルを聞いただけで読む気が失せたぞ」


「よし、それじゃあ早速あらすじを聞いてくれッ!!!」


 そしてワタルは、仁王の形相で自作小説の音読を開始するのであったッッ!!!!!











「オッス! オイラ、カケル!(熱血)


 冒険家だったお父さんが残した宝の地図を頼りに、世界中を旅しているんだ!(熱血)


 今日も秘宝を求めて激アツな大冒険だ!(熱血)


 頑張るぜ、よろしくな!(熱血)」











「文章の最後に“(〇〇)”ってやるの、流行っているのか?」


 リベリオンは困惑したッ!


「まあ、こういうのがあった方が主人公の熱血っぷりが伝わりやすいだろッ!」


「だが肝心のあらすじそのものが短すぎるから、魅力が伝わらんだろ」


「そ、そうか……ッッ!!」


 リベリオンのダメ出しに、ワタルは静かに落ち込むのであったッ!


「やれやれ……どうやら、私の出番、というわけだな」


 そう言うと彼女は、自慢気な微笑みを浮かべて立ち上がったッ!


「私の素晴らしいあらすじを聞いて、小説の何たるかを勉強するがいい!」


 この中で唯一執筆経験があるリベリオンッ! こうなったら、彼女の小説に賭けるしかないッ!!


「おお……頼もしいぜリベリオンッ!」


「これは期待できそうですね! それで、タイトルはなんて言うんですか?」


「“†漆黒の禁忌 ―ダークネス・タブー― †”だ……!」


「は?」


 唖然とするアリアを横目に、リベリオンは堂々と音読を開始したッ!











「暗黒に覆われた世界、インフィニティ・ヘル(通称:無限の地獄)。


 この世界で孤独な運命 ―ロンリネス・デスティニー― のもとに生きる闇の化身、ルシファー。


 彼はある日、愛していた女性・ティアラを天空界(一般人には天国とも呼ばれている)の刺客に殺されてしまう。


 復讐 ―リベンジ― に心を蝕まれたルシファーは、ティアラの仇をとるために単身天空界へと乗り込むのであった。


 そこに待ち受けるのは謎の組織、“聖なる右腕 ―セイント・ライトハンド― ”。


 果たしてルシファーは、ティアラの仇をとることが出来るのであろうか。


 括目せよ。これは、闇の鎖 ―ダークネス・チェーン― に縛られてしまった一人の青年の、悲しくも美しい物語の一片である」











「最悪です」


「最悪だッッ!!!」


 ワタルとアリアは同時にキレたッッッ!!!


「何故だ。素晴らしいあらすじだっただろう」


「意味不明ですよあんなあらすじ!」


「分かった。それじゃあ私も、各文章の最後に“(暗黒微笑)”と付け加えるとしよう」


「そういう問題じゃないです!!!」


 なんという事だ! このままではジェイコブに小説を見せることが出来ないッ!


「ええいッ! もうどうにでもなりやがれッッ!! 全部混ぜるぞッッッ!!!」











 そして制限時間が終了ッ! 部屋にジェイコブがやってきたッ!


「ようお前ら! 面白い小説のあらすじは書けたか?」


「応ッッッ!!!」


 ワタルは元気よく返事をしたッ!


「ほう、随分と自信があるようだな。それで、タイトルは?」


「“†メルティー・漆黒のやんちゃボーイ・カケル†”だッ!!!」





















「???????????????????????????????????????????????????????」


 もはや言語として成立しているのかどうかもあやしいそのタイトルに、ジェイコブの脳は混乱したッ!


 しかしそんなことはお構いなしッ!


 ワタルは憤怒の形相で音読を開始ッッ!!











「オイラの名前はカケル!(熱血)


 どこにでもいるごく普通の16歳!(はぁと)


 オイラはある日、冒険家だった父親 ―アドベンチャー・ファザー― を若き王子様に殺されてしまった!(暗黒微笑)


 そして始まる激アツな大冒険!(熱血)


 王族に隠された怪しい秘密や、伝説の剣“エクスカリバー”を巡る戦い!(はぁと)


 果たしてオイラは、父親の仇をとることが出来るのだろうか!(暗黒微笑)


 括目しろ! これは、熱血の鎖 ―バーニング・チェーン― に縛られてしまった一人の青年の、悲しくも美しい純愛熱血復讐物語の一片だ!(熱血はぁと微笑)」











「???????????????????????????????????????????????????????」


 そこには、脳の混乱がいよいよ限界を突破したジェイコブの姿があったッ!


「今だワタル! 隙が出来たぞ!」


「よっしゃあッ!」


 リベリオンの合図と同時に、ワタルはジェイコブ目がけて跳び上がったッ! そして彼の脳天にげんこつをくらわせるッ!


「ぐえぇ!!」


 そしてジェイコブは気絶ッ! 床にどさりと倒れたッ!


「どうだッ! お望み通り、“頭にガツンと来るような”展開を用意してやったぜッ!」


「流石ですワタルさん! お話にもしっかりとオチがつきましたね!」


 すかさずアリアはワタルを褒めるッ!


 こうしてワタルたちは無事に、2つ目のオーブを入手するのであったッ!


 次回、「激闘!邪々美再びッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]†厨二っぽい文章の書き方†……異世界転生出版

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