第3話 「衝撃の事実!実はワタルは異世界に転生していたッ!」
「なんだとっ!ここは俺が知っている世界ではないのか!」
「はい……ここは、ウィンド大陸と言う場所でして、ニホンなんて国は存在しません」
「……バカなッッッ!」
説明しよう!オークの山賊たちをやっつけたワタルは、アリアからこの世界のことを聞いた!その話によると、ここは彼が元いた世界ではなく、“ウィンド大陸”という未知の世界だと言うのだ!
すなわち彼は、トラックに轢かれた衝撃で異世界に飛ばされてしまったのだッッッ!そんな馬鹿な話があっていいのだろうか!
いや、ないッッ!!
「そんなことより、ワタルさん」
「なんだッッッ!!!」
「腕、怪我していますよ?」
「ムッッ!?」
そう言われて右腕を確かめてみると、確かに擦り傷があった!しかし、こんなものは“漢”であるワタルにとっては怪我の内に入らないッッッ!!!
「ちょっと見せてください」
すると突然アリアが彼の腕にソフトタッチッ!ワタル悶絶ッ!
「や、やめないか!若い女性がむやみに男性の身体に触れるなッ!」
童貞であるワタルは腕を振り払った!鍛え上げた精神力も羞恥心には勝てないのである!
「ちょっと待ってください!治療するだけです!」
「なに!?だったら触って良しッッッ!!!」
理由があるなら構わない!!!!!
そしてアリアがワタルの腕に触れると、突然彼女の手が緑色に光ったッ!読者とワタル、驚愕ッッッ!!!
「なんだその武術は!?」
アリアがワタルの腕から手を離すと、驚くべきことに傷が癒えていた!!!
「武術?いえ、これは武術ではなく魔術です」
「魔術ッッッ!!!」
聞いた事があるッ!魔術とはッ!フィクション作品でよく見られるッッ!!あれのことだッッッ!!!
「なんということだ……じゃあここは本当に、俺がいた世界ではないということか……」
さすがの彼も意気消沈ッ!ワタルのいた世界には魔術などはなかった!!!
だが!ワタルの素晴らしいところは、切り替えの早さであるッッッ!!!
「じゃあアリアッッッ!!!この世界で一番強いのは誰だッ!!」
「一番強い人ですか?それはやはり、魔王だと思います……」
「マ・オウか……そいつは中国人なのか?だとしたら強敵だな……」
中国には4000年の歴史があるッ!故に、その長い時を経て磨かれた中国拳法は強いッ!
「違います、魔王と言うのはさっきのオークのような魔物を率いている王様のことです」
つまり中国拳法は使わないということである!!!
「わかった!ではそいつと手合わせがしたい!」
理由は単純ッ!この世界の強いやつと戦うのが、熱血武闘派であるワタルの使命だからだッッッ!!!
「魔王はここから北に行ったところの大きな城に住んでいます。でも、魔王はものすごく強いですよ……」
「それでこそだ!」
言うが早いか、ワタル北に向かって猛ダッシュ!!!
「そっちは南ですよ!」
南だったッッッ!!!
「そんなことよりワタルさん、ぜひ私もつれていってください!」
「駄目だ!戦いに女の子を連れていくなど笑止千万ッッッ!!!」
「実は私の両親が、魔王の城に監禁されているんです!」
「なにぃ!?」
ワタル、困惑!!
「聞いた話によると、人類の絶滅を考えている魔王が、優秀な人間を世界各地からさらっているらしくて……それで、医者である私の両親も連れていかれちゃったんです!」
なんという事だ!ワタルは怒ったッッッ!!!
「なんてひどいことを!共にご両親を取り返そうッ!」
こうしてワタルとアリアの熱き冒険活劇が始まったッ!
「そう言えばワタルさん、魔王の城への道中は、四天王と呼ばれる強力な魔物たちが道をふさいでいるそうです!」
四天王!!!!!!!!!!
ファンタジー小説定番の、魔王を守る存在として登場する者たち!!!!!
なろう小説定番の、話数を稼ぐための存在として登場する者たち!!!!!
「ムッ!!!もしや前方のあれか!?」
すると森を進むワタルとアリアの前に、一人の鎧の騎士が立ちはだかった!漆黒のトゲトゲした鎧が全身を覆っている!!!頭には骸骨のようなデザインの兜!!!かっこいいッ!!!
「ふはははは!私は四天王の一人!リベリオン!魔王に忠誠を誓った最強の騎士である!」
リベリオンッ!その単語の意味は“暴動”ッッ!!忠誠を誓った騎士が一番つけてはいけない名前であるッッッ!!!
「くッッッ!!!このまがまがしいオーラ……こいつ、できる……!!!」
リベリオンの邪気に圧倒されるワタル!
果たしてワタルは彼に勝つことが出来るのか!!
もしや、負けてしまうのだろうか!!!
次回「ワタルvs四天王の一人目!ワタル、圧勝ッ!」に続くッッッ!!!
・参考文献
[1]異世界転生のきっかけランキングTOP10……異世界転生出版
[2]異世界転生モノで敵キャラにありがちな名前一覧……異世界転生出版