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第26話 「熱血の問い!その筋肉は笑っているかッ!」

 前回までのあらすじ!


 スラム街の存亡を賭けた3対3の団体戦もいよいよ佳境!


 そして大将戦でワタルの対戦相手として現れたのは、なんとガーランドであった! しかしガーランドの心のうちに潜む“罪悪感”を、拳を通して感じ取ったワタルは、彼に熱く問いかけるのであった……!!!!!











「俺と本気で戦いたいのであれば、その罪悪感を捨てろッッッッッ!!!!! 本当の笑顔の筋肉で、かかってこいッッッッッ!!!!!」


 ワタルの熱き思いを乗せた言葉が、スラム街に響き渡ったッッッッッ!!!!!


「……」


 ガーランド、沈黙ッ!


「おい! 何をやっとるかガーランド~! 早くワタルと戦わんか~!」


 怒鳴るウィルソンッ!


 するとガーランドが荒々しく口を開いたッ!


「黙っていろ!!!!!!!!!!!!!!!」


「ひぃ!?」


 ウィルソンはビビったッ!


 そしてガーランドはワタルの目をまっすぐ見据えるッ!


「すまない、ワタルよ……私は君との戦いに、余計な感情を持ち込んでしまったようだ……!!」


 ガーランドはそう言って、深々と頭を下げたッッッ!!!


「“漢”として戦いの場に立った以上……罪悪感などという感情は邪魔でしかない……ここからは、無心の境地で君に挑ませてもらう!!!!!」


「応ッッッ!!! それでこそだッッッ!!!」


 ワタルは満足気に頷き、戦闘態勢に移行ッ!


「いくぞ!!!!!!!!!!」


 ガーランドは腰を低く落として全身でぶつかってきたッ!


「ならばッ!」


 ワタルも応戦ッ! ガーランド同様低姿勢でタックルをかますッ!


 そして激突する両雄ッッッッッ!!!!!






 バチィィィィィンッッッ!!!






 それは、筋肉と筋肉がぶつかる音であったッッッ!!!


「な、なんという衝撃なんだ……熱気がこっちまで伝わってくるぞ……!」


 ブレイドは唖然とした表情でポツリと呟いたッ!


 その光景は、まさしく相撲部屋のぶつかり稽古であるッッ!!


 複雑な戦術も、読み合いもないッ!


 ただただ無心でぶつかりあうワタルとガーランドッッッ!!!


 と、その時ッ!


 ワタルはおもむろに、相手の鳩尾目がけて凄まじい勢いで右腕を突き出したッ!


 その手は、握り拳ではなく平手ッ!


 すなわちあの技は、そうッッッ!!!


 日本人であれば知らない者はいない最強の攻撃技、“突っ張り”であるッッッッッ!!!!!


(※突っ張り……日本に古来より伝わる神事、“相撲(SUMO)”の基本技の一つ。第2次世界大戦終結時、アメリカ軍のとある将校が「もしも日本軍が用意した戦力が銃を持った兵士でなく突っ張りを極めた力士であったなら、我々は間違いなく負けていただろう」と発言したことはあまりにも有名)


「……!!!」


 ワタルの突っ張りはガーランドの鳩尾にクリーンヒットッ!


「な、なんというパワーだ……このままでは、このウィンド大陸から押し出されてしまう……!」


 そう言うと、ガーランドは腹にぐっと力を込めたッ! それによって鋼鉄並みの固さになった腹筋がワタルの平手を受け止めるッ!


「無駄だぜッッッ!!!」


 ワタルは右手を引っ込め、今度は左手で突っ張りを繰り出したッ!


 ガーランドの鋼鉄の腹筋vsワタルの突っ張りィッッッ!!!


 両者、拮抗ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!


「うおぉぉぉぉッッッ!!!」


 叫ぶワタルッッッッッ!!!!!


「ぬあぁぁぁ!!!!!」


 叫ぶガーランドッッッッッ!!!!!


「……!!!」


 そしてその凄まじい光景を、固唾を飲んで見守るアリアたちッッッ!!!


 するとその瞬間ッッ!!






 グラグラグラ……ッッッ!!!






 ――大地が、揺れ始めたッッッ!!!


「こ、これは……地震!?」


 アリアは驚愕したッ!


「そ、そうか! ワタルとガーランドが発生させている激しい熱血エネルギーに反応した大陸の地盤プレートが、地殻変動を巻き起こしているんだ!!!」


「なるほど!!」


 ブレイドの説明に納得するアリアッ!


 つまり、このまま2人が戦い続ければ、その熱血エネルギーに呼応して地震がどんどん激しくなっていくということであるッ!


 こ、このままではヤバイッッッ!!!


 するとワタルは、ガーランドに突っ張りをした体勢のまま口を開くッッッ!!!




「地面よッッッ!!! 少し、黙っていろッッッッッッッッッッ!!!!!」




 そう叫ぶと彼はッ! 右足で大地を思いッッッッッッッきり踏みつけたッ!!!!!




 そして!!!!!!




 ズズズ……ズズ……ッ!




「地震が……おさまっていく……!?」


「なんで……!?」


 ジョニーとマリーは訳が分からないといった感じで呟いたッ!


「そ、そうか……ワタルは今の蹴りで大地に凄まじい衝撃を与えることによって、大陸プレートの地殻変動の動きを相殺させたんだ!!」


「流石ですワタルさん!」


 ブレイドの解説を聞いて感心するアリアッ!


 なんということかッッッ!!! ワタルは、“大地”を黙らせたのだッッッ!!!


「武ッッッッッッッッッッ!!!!!」


 そして地震が完全におさまるのと同時に、ワタルは気合いを入れて叫んだッッ!!


 熱血エネルギーを勢いよく左腕に集中させるッ! その結果!!!


「ぐはぁーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


 ワタルの突っ張りがッッッ!!!


 ガーランドの鋼鉄の腹筋に勝ったッッッッッ!!!!!


 そのまま時速600キロのスピードで吹き飛ばされるガーランドッ! 彼はワタルたちに見守られながら、スカイ王国の彼方まで飛んでいくのであった……!!!!!


「ガーランド……お前の筋肉……いい笑顔だったぜ……ッ!」


 こうして、ワタル勝利ッ! すなわち、スラム街の存続が決定ッ!


 ……しかし、ウィルソンは往生際が悪かったッ!


「くっそ~! 認めん! わしは認めん~!」


 彼は顔中から冷や汗を垂らしながらそう言い、懐から誓約書を取り出すッッ!!


「こんな約束はなし! ノーカンじゃ、ノーカン!!」


 そして誓約書を天に掲げ、両手で破ろうとするッ!


 だがその時、一陣の風が吹いたッッ!!


「……な、なに!?」


 気が付けば、ウィルソンの手から誓約書が消えていたッ!


「へっへ~、諦めなよ、ウィルソン!」


 そこには、誓約書を片手にニヤリと微笑むジョニーの姿があったッ!


 そう! 彼は得意の俊足を使って、ウィルソンの手から誓約書を奪ったのである!!!


「でかしたぞジョニー!」


 ブレイドはジョニーを褒めたッ!


「クッソ~、覚えておれ~!」


 ウィルソン、捨て台詞を吐いて逃走ッ!


 これにて一件落着ッ! スラム街存続決定ッ! 家賃も元通りッ!


 めでたしめでたしッ! 圧倒的めでたしッッッ!!!


 次回、「明鏡止水の新章開幕!ワタル、ドラゴンと邂逅ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]“相撲―SUMO―”徹底解説……異世界転生出版


[2]よくわかる地震の止め方……異世界転生出版

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