表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/138

第2話 「その時奇跡が起こった!ワタル、生き返るッ!」

「……う、うう……」


 ワタルは、草原で目を覚ました!


「はッッッ!!! な、なんだここはッッッ!!!」


 彼が驚くのも無理はないッ! 彼は先程、トラックに轢かれてコンクリートの地面に激突したのだ! なのになぜか今、彼は全く知らない穏やかな草原にいるッッ!!


 読者の皆様も何が起こったのか理解できないであろう!


 するとその瞬間! 彼の横で声がしたッ!!!


「良かった……やっと、目が覚めた……」


「――ッッッ!!!!!」


 女性の声! ワタルの横には、驚くべきことに可愛らしい女の子がいた! なんという事だ! 空手・柔道共に十段である彼が、すぐ側にいる女性の気配を察知することすらできなかったとは!


 気絶していた故に仕方がないとはいえ、無様であるッ!


「誰だ貴様ッッッ!」


 ワタル、怒鳴るッッッ! これにはたまらず女の子も泣きそうになる! 黒いサラサラのロングヘアー! 純白のワンピース! 年齢はおよそ17歳ほどであろうか、すなわちワタルと同世代であるッ!


 情けないぞワタルッ! 日本男児がそのようなうら若き女性に怒鳴るなど言語道断ッッッ!


「わ、私は……アリアというものです……」


 少女は震えながら言った!


「アリアッ! さっきは怒鳴ってすまなかったッッッ!!!」


 怯えたアリアを見て反省したワタル、すかさず土下座ッ! 心からの反省ッッ!! 猛省ッッッ!!!


「アリアッ! 俺を殴れッ!」


 ワタルは鬼の形相で言った! 彼なりの反省の仕方である! 当然アリアはドン引きッ! 圧倒的なまでの逆効果ッ!


「あ、あの、そんなことはしませんから……そんなことより、一体何があったんですか?私が山菜を摘みに来たらあなたが倒れていたので、心配になって横で見ていたんですけど……」


「そうだッ! 何があったんだッ! 俺はいつものように登校していたら、トラックに轢かれかけたッ! そして気付いたらここにいたぞォォォォォ!!!」


 ワタル、叫ぶ! 混乱故の魂の叫びッッッッッ!!!!!


 するとその瞬間、遠くの草むらからガサガサと音が聞こえてきた!

ワタル、とっさに構える!


「何者だッッッ!」


 ワタルが言うと、草むらから二人の人間が出てきた! 巨大な体躯! 緑の肌! 豚のような顔面! ――しまった、これは人間ではないッッッ!


「あ、あなた達は……オーク!」


「オーク?」


 オークとは何だッッッ!!!


「あ、あなたオークも知らないんですか? 豚の顔をした人型の魔物で、この辺りでよく山賊として旅人を襲っているんです!」


 圧倒的説明セリフッ! 解説ありがとうアリア!!!


「へへへ、お嬢ちゃんたち、大人しく金をよこしな!」


 二人のオークが大きな棍棒を構えた! これはすなわち、戦士たちの間において宣戦布告を意味する!


「貴様ら……“悪いやつら”なのか……?」


 構えたままワタルが問いかける!


「へへっ! 俺達が良いやつに見えるか?」


「いいから、とっとと金を出すんだよ!」


 二人のオークが恐ろしい形相で棍棒を振り上げる! アリアは思わず顔を伏せたッ! しかしワタルは怯えない!!!


「破ッッッッ!!!!」


 両手の拳を活用してのパンチ!!! まるで機関銃のように高速で繰り出される強力なパンチ!!! あの技は、かつてアメリカの最強のボクサーが行っていたという、その名も“ガトリングナックル”だ!!!


(※ガトリングナックル……1960年頃にアメリカ、コロラド州のボクサーであるマイケル・アドゥレが考案。この技を使うためには常軌を逸した強靭な肩のばねが必須であるため、「幻の技」とも言われている)


「うぉぉぉぉ!」


 ワタルのパンチの雨あられ! 二人のオークはたまらず吹き飛んだッ!


 しかも彼のパンチの風圧が激しすぎて、草原の草が根こそぎ吹き飛んでいく! 一瞬にして辺りは砂漠と化したッッッ!!!


「な、なんだこいつ!?」


「つ、強すぎる!」


 二人のオークはそのまま砂漠に激突! 砂がクッションとなって一命はとりとめたが、彼らはもはや戦意喪失!!! 当然である!!!


「ひ、ひええええ!」


「逃げろ!」


 二人のオーク、無様に敗走ッッッ! ワタルの完勝ッッッ!


「あ、あなたは一体何者なの……?」


 アリアは目を丸くして聞いた! その質問の答えは、読者の皆様なら既にご存知だろう! そう!


「俺は伊藤ワタルッ! 熱血武闘派の高校生だッッッ!!!」


 彼は高らかにそう名乗った!


 そんなことより、ここはどこなのだ!


 ワタルは一体、どこへ飛ばされてしまったのだ!!!


 謎は深まるばかりであるッッッ!!!


 次回「衝撃の事実!実はワタルは異世界に転生していたッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]正しい土下座のやり方……異世界転生出版


[2]徹底解剖!幻の技、“ガトリングナックル”の正体に迫る……異世界転生出版


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ガトリングナックル調べたんですが、、、
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ