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第17話 「ワタル、参戦!最強バンド決定戦ッ!」

 前回までのあらすじ!


 スカイ王国で近々開催される、ウィンド大陸で一番のバンドを決める大会! その名も“ウィンド大陸最強バンド決定戦”! 紆余曲折を経て、ワタルもその大会にロックバンド“炸裂☆ボンバーズ”のボーカルとして参加することになってしまった!











 そして早速、ワタルとリックは大会に向けた練習を行うために、スカイ王国某所の音楽スタジオへとやって来たッ!


 壁は防音素材でできており、ギター・ベース・ドラム・マイクセットも用意された完璧な音楽スタジオであるッ!


「……なんで異世界に音楽スタジオがあるんだッッッ!!!」


 ワタルは慟哭した!!!


「一体どうしたんだ? ワタル?」


 リックが不思議そうに彼を見つめるッ!


「い、いや、何でもない……ッ!」


 異世界にだって音楽スタジオぐらいあるッッ!! あるのだッッッ!!!


「それでリックよッ! その“ウィンド大陸最強バンド決定戦”はいつ開催されるんだッ?」


「1週間後だ」


 なんという事だッ! あまり時間はないッ!


「ふむ……ならばとりあえず、急いで曲を作る必要があるなッ!」


「曲? 楽曲ならあるぜ! ついこの間“僕の名前はサイン・コサイン”っていう新曲をつくったばかりなんだ! それを歌おう!」


「いや、すまないリックッ! 俺はラップしか歌えないんだッ! だから、大会用のラップソングをつくる必要がある!」


 “ラップ”という聞き慣れない言葉に首をかしげるリックッ!


「なんだかよくわからんが……まあ、あんたが必要だって言うんならそれに従おう!」


「ありがとうリックッ! それと、メンバーももっと必要だな! ギターとボーカルだけだと味気がない!」


「それもそうだな! だが、アテはあるのか?」


「まかせろッ!」


 言うが早いか、ワタルはメンバーを集めるために外へと飛び出したッ!











 そして数分後ッ!


「メンバーを連れてきたぞッ!」






「嫌ですーーーーーーーーーー!!!!!


 私はそんな大会に出たくありませんーーーーーーーーーー!!!!!


 家に帰してーーーーーーーーーー!!!!!」






「こっちへ来るんだアリアッ!」


 ワタルは駄々をこねるアリアを無理やり連れてきたッッッ!!!


「お、おい……大丈夫なのかその子……」


 リックが心配そうに声をかけるッ!


「大丈夫だッ!!」


「嫌ですーーーーー!!! 私は清純派ヒロインなんですーーーーー!!! こういう役はしたくないですーーーーー!!!」


「何をわけのわからないことを言っているんだアリアッ! お前の力が必要なんだッ!」


 そんなわけでアリアが“炸裂☆ボンバーズ”のドラム担当に決定したッ!


「あと、路地裏で拾ったこいつも仲間に入れようッ!」


「こいつって誰だ?」


 リックが聞くと、ワタルは大声でその人物を呼んだ!!!


「おーーーい、ブライアーーーーーンッッッッッ!!!!!」


 すると部屋に一人の黒人男性が入ってきたッ! 筋骨隆々の肉体に、アフロの髪型ッ! 誰がどう見ても怪しいッ!!!


「コンニチハ、ワタシのナマエは、ブライアンです」


「おい!!!!! おいワタル!!!!! こいつは大丈夫なのか!?!?!?」


 これには流石のリックも動揺を隠せないッ!


「ダイジョウブよ、オニーサン。ワタシ、ベース、デキル」


 すると彼――ブライアンは、おもむろに音楽スタジオのベースを手に取り、流暢に弾きはじめたッ!


「おおッッッ!!! 上手いじゃないかブライアンッッッ!!!」


 彼のベースの手腕を褒めるワタルッ!


「うん……これならいけるぞ!」


 リックもブライアンの実力を認めるッ!


「帰りたい……」


 そして帰りたいアリアッ!


 こうして、ワタル、リック、アリア、ブライアンの4人が集結ッ! 新生“炸裂☆ボンバーズ”の誕生ッッッ!!!











 それからは、大会に向けて血のにじむような特訓の日々ッッッ!!!


 卑劣なデスメタルバンド“獄苦悪苦”を倒すため、必死に新曲を作るワタルとリックッ!


 練習の中で意外にもドラムの才能を開花させるアリアッ!


 そして特訓の過程で明らかになるブライアンの驚きの過去ッ!


 そんな苦難を乗り越え、メンバーの間には確かな絆が芽生えていたッ!











 というわけでッ! ついに“ウィンド大陸最強バンド決定戦”開催当日が訪れたッ!


 大会の会場は、スカイ王国で最も大きな音楽アリーナであるッ!


「ついに……この時がやって来たな……」


 会場の前で、重々しく口を開くリックッ!


「ああ、そうだなッ! 今の俺達なら、“獄苦悪苦”にだって勝てるッ!」


「そうですよリックさん! 私たちの力で、ウィンド大陸最強バンドの座を勝ち取りましょう!」


「アリアちゃん……そうだな! その通りだ!」


 そこには、最初はあんなに嫌そうだったのに、いつの間にかノリノリになっているアリアの姿があったッ!


「いいか?リック。大切なのは、弱気にならない事だ。俺達の情熱を、観客の皆に届けてやろうぜ!」


「ブライアン……そうだな! その通りだ!」


 そこには、最初はあんなにカタコトだったのに、いつの間にか普通に話せるようになっているブライアンの姿があったッ!


「よし! それじゃあ、会場に入ろうか!」


 リックがそう言って歩き出すッ! が、しかしッ! その歩みを遮るかのように、突如前方に3人の怪しい人影が現れたッ!


「……お、お前たちは!」


「おやおや~? 君はもしや、あの“炸裂☆ボンバーズ”とかいうだっさいロックバンドのギターをしている、リック君ではありませんか~?」


「ケケケ! てっきり今日の大会は、俺たち以外のバンドは全組辞退しているかと思ったんだがねえ!」


「めんどくせえなぁ……どうせお前たちに勝ち目なんかねぇのによぉ……」


 そう口々に言う男たちはッ! 間違いないッッ!! “獄苦悪苦”の奴らだッッッ!!!


 全員が黒の革ジャンを着ており、その各部には刺さったら痛そうな鋼鉄のトゲトゲがたくさん付いているッ! しかも顔には、ドクロを模したフェイスペイントッ! 髪型もモヒカンだったりツインテールだったりと個性的だッ!


 要するに、どこからどう見ても危険人物の集まりなのである!!!


「クッ、お前ら……黙って聞いていれば偉そうに……!」


 リックが怒りながら“獄苦悪苦”の一同に立ち向かおうとするッ! しかしそれを、ワタルが止めたッ!


「やめるんだ、リックッッッッッ!!!!!」


「なぜだ! なぜ止める!」


「俺達は今日、ウィンド大陸最強のバンドを決めるためにこの大会に来ているッ! だから、勝敗は音楽で決めるべきだッ! 違うかッ?」


「そ、その通りだ……!」


 悔しそうに俯くリックッ!


「ケケケ! 君は誰だ? バンドの新メンバーか? まあなんだっていいさ。今日の大会で勝つのは俺達だからなぁ!!!」


「「「ガハハハハ!!!」」」


 そう言い残して、笑いながら会場に入っていく“獄苦悪苦”のメンバーたちッ!


「……ワタル……俺、勝ちてぇ……あいつらに勝ちてぇよ……」


「ああッ! 勝とうッ! 俺達ならやれるッ!」


 こうしてついに、“ウィンド大陸最強バンド決定戦”の幕が開けたッッッッッ!!!!!


 次回、「ワタル、熱唱!前代未聞の除霊ラップッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]デスメタルバンドにありがちな格好一覧……異世界転生出版

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