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第16話 「決着!そして新たなる脅威ッ!」

 前回までのあらすじ! 武闘家ガーランドとの決闘に挑むワタル! しかしガーランドの強力な必殺技“フラッシュ・ヘッド”によってワタルは一時失明! 果たして彼は、視力を取り戻すまで相手から逃げ続けることが出来るのだろうか!











「う~ん……むにゃむにゃ……はっ! 私は一体何を!」


 ワタルとガーランドの一騎打ちが続く中、アリアは目を覚ましたッ!


「……!!!」


 しかし彼女の目に入った光景はまさしく地獄絵図ッッッ!!!


 人々の憩いの場として親しまれてした噴水広場の地面はバキバキに割れッ!


 辺り一面は砂塵に包まれッ!


 その先には頭部をギラギラと光らせた上半身裸の男性が仁王立ちッ!


 もう訳が分からないッッッ!!!


「わ、ワタルさんは一体どこに!?」


 ワタルの姿を必死に探すアリア!しかしどこにも見当たらずッ!


「ワタルさん! ワタルさーん!」











 一方その頃! 武闘家ガーランドもアリアと同様にワタルの姿を探していたッ!


「くっ……砂埃のせいで視界が……!」


 このままワタルを見つけられなかった場合、彼の視力は回復してしまい、ガーランドは再び危機に陥る! せっかく作りだした千載一遇のチャンスを逃してしまうッ!


「ふん、こうなったら!」


 ガーランドは気合いを入れて砂塵に突っ込んだッ! もはや自暴自棄だが、これしか手がないッ!


 彼は砂埃に包まれながら、ブンブンと適当に腕を振るッ!


「ワタルよ! 姿を見せろ! おい、どこだ!」


 しかし彼の腕は無残にも砂塵を切るばかりッ! ワタルの位置は依然不明ッ!


「ちくしょう! どこなんだー!」


 するとその瞬間ッ! 空からワタルの声がッッッ!!!


「俺はここだーーーーーッッッッッ!!!!!」


「なにィ!?」


 慌てて上を見上げるガーランドッ! するとそこには、砂塵を突っ切って落ちてくるワタルの姿がッ!


「くらえッッッッッ!!!!!」






 ズドンッッッッッ!!!!!






 ワタルの拳がガーランドの脳天を直撃ィッッッ!!!


「ぐはぁ!」


 ガーランドはたまらず膝をついたッ!


「な、なぜだ……まだ視力は回復していないはずなのに……!」


「その通りだッ! 俺はまだ前が見えていないッ!」


「ならばどうやって私に攻撃を!?」


「まだ分からないのか! お前は焦り、砂塵の中で叫んだッ! それだけ大きな音を出せば、目が見えなくともお前の位置は把握できるッッ!!」


 そうッ! ワタルの姿を見失って焦ったガーランドは、砂塵の中で大声を上げてしまったッ! お互いに姿が見えない状況では、大きな音も命取りになるのだッ!


「ちくしょう!」


 くやしそうにうつむくガーランドッ! その目には涙が浮かんでいたッ!











 そして数分後ッ! 砂塵は収まりッ! ワタルの視力も回復したッ!


「ワタルよ……魔王を倒したという君の実力、しかと見せてもらった! 戦ってくれてありがとう!」


「いいんだ、ガーランド! お前の筋肉も、良かったぜ!」


 そう言ってガシリと握手を交わす二人ッッッ!!!


 決闘を終えた漢達に芽生える熱き友情ッ!


 そんな彼らの姿を、昇りたての朝日が優しく包んだッ!


 めでたしめでたしッッッッッ!!!!!





















「そんなわけないでしょう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 二人の間に割って入るアリアッ! 珍しくキレているッッッ!!!


「どうしたアリアッ!」


「どうしたじゃありませんよワタルさん! 周りを見てください!」


「ん?」


 アリアに言われて辺りを見回すワタルッ! バキバキに割れた噴水広場の石畳と、砂埃で汚れた近隣住宅が目に写るッッッ!!!


「アッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ヤバイッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 そんなわけでッ! ワタルとガーランドはその日一日、噴水広場の掃除・修繕と、近隣住民への謝罪に時間を費やしたのであったッッッ!!!


 めでたしめでたしッッッッッ!!!!!











 そして数日後、時刻は正午ッッッ!!!


 ワタルがいつものように時速120キロの全力疾走でスカイ王国をランニングしていると、前方にいきなり人影がッ!


「武ッッッッッ!!!!!」


 ワタル、渾身の急ブレーキッ! 突如現れた人物の前で足を止めたッ!


「どうしたんだ? いきなり飛び出してッ!」


「アンタがワタルか? 俺の名はリック! 頼む、力を貸してくれ!」


 そう言うと、さえない格好をした純朴な青年リックはいきなり頭を下げたッ!


「何を言うんだ、突然ッ!」


 ワタル、狼狽ッ! とりあえず話を聞くことにしたッ!


「実は今度、このスカイ王国で“ウィンド大陸最強バンド決定戦”という大会が開催されるんだ。それで、俺がギターをしているロックバンド“炸裂☆ボンバーズ”も参加することになったんだが……」


 異世界にギターがあるということに確かな違和感を感じながらも、ワタルは話を聞き続ける!!


「参戦バンドの中にあのデスメタルバンド“獄苦悪苦ごくあく”がいると分かった途端、俺以外のメンバーが全員逃げちまったんだ! このままだと不戦敗になっちまう!助けてくれ!!」


「なんでメンバーは逃げてしまったんだッ???」


 ワタルはスクワットをしながら尋ねたッ!


「簡単な話だよ、殺されたくないからさ……!」


「な、何ィ!? なぜバンドの対決で死人が出るッ!?」


 そんな馬鹿な話があっていいはずがないッ!






「そ、それが……“獄苦悪苦”の奴らは……ライブパフォーマンスで、人を殺すんだ……!」






 リックのその説明にワタルは衝撃を受けたッ!


「おいおいッ! どの世界でも、人殺しは重罪だッ! そんな危険なバンドが大会に出られるはずがないだろうッ!」


「そりゃあ、普通の殺人は犯罪さ! でも、ライブパフォーマンス中の殺人は事故として扱われる! だから“獄苦悪苦”の奴らは何の罰も受けない!!」


 これには思わずスクワット中のワタルも激怒ッ!


「クッソー、“獄苦悪苦”めッ! ライブパフォーマンスで人を殺すなど言語道断ッ! 許せねぇッ!」


「そこでアンタの協力が必要なんだ! 頼む! “炸裂☆ボンバーズ”のボーカルとして、今度の大会に出てくれよ!」


「だが俺は音痴だぞッ!」


 ワタルはスクワットをしつつ正直に言ったッ!


「へへ、そう謙遜するなよ! アンタの噂は聞いてるぜ! なんでも、魔王四天王の一人である妖精ハーピィーを、歌の力で倒したらしいじゃねぇか!」


 第5話参照ッッッ!!!


「うむ、まあそれは確かにそうなんだが……」


 するとリックは突然、泣きながら土下座ッ!


「頼む! これ以上“獄苦悪苦”の好きにさせるわけにはいかないんだ! アンタの力が必要なんだ!」


「よし分かったッッッッッ!!!!!」


 こうして、ワタルはロックバンド“炸裂☆ボンバーズ”のボーカルとして“ウィンド大陸最強バンド決定戦”に出場することになったッッッ!!!


 次回、「ワタル、参戦!最強バンド決定戦ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]必見!かっこいいバンド名の付け方……異世界転生出版

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