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第15話 「熱闘!ワタルvs武闘家ガーランドッ!」

 前回までのあらすじ!スカイ王国に到達したワタルの元に、武闘家のガーランドという男から挑戦状が届いた!






 そして翌日ッ!ワタルとアリアは、指定された場所である噴水広場へとやって来たッ!


 時刻は午前5時、すなわち早朝ッ!


 故に、太陽すら出ておらず、周りにはまだ誰もいないッ!


「噴水広場にやって来たが……誰も見当たらないなッ!」


「……」


「……ん?どうしたアリア!!!!!」


 アリアからの返事がないッ!焦ったワタルが振り向くとッ!


 そこには地面にうつぶせで爆睡するアリアの姿があったッ!


「嘘だろアリアッ!おい、ここで寝るなッ!目を覚ませッ!おいッッッ!!!」


「うるせぇ!!」


 寝ぼけたアリアの張り手がワタルの顔面にヒットしたッ!


「ちくしょう!寝相が悪すぎる!なぜついてきたんだ……ッ!」


 先ほども言ったが時刻は早朝の5時ッ!決闘の応援をすると言ってついてきたアリアだが、眠気に勝てずここに来て爆睡ッ!もう訳が分からないッ!


「来たか、ワタルよ!」


「……むッ!」


 突如噴水広場に響き渡る野太い声ッ!ワタルが振り向くとそこには、筋骨隆々な坊主頭の男性が仁王立ちしていたッ!身長は2.3メートルほどッ!驚くべきデカさッ!!!


「貴様が挑戦状をよこしてきたガーランドか!」


「そうだ!私が武闘家のガーランドだ!」


 そう言ってガーランドがたくましい肉体を揺らしながらボディビルのポーズを取ったッ!


 両腕を天に掲げつつ曲げて上腕二頭筋をアピールッ!


 あ、あのポーズはッ!間違いないッ!“ダブルバイセップス”だッッッッッ!!!!!


「まだまだ!!!ふん!!!」


 ビリビリビリ!!!!!


 ガーランドが気合いを入れると、上半身を覆っていた薄い白シャツがビリンビリンに破れ、中からたくましい腹筋が登場ッ!


「な、なんと素晴らしい筋肉なんだッッッ!!!」


 ワタルは圧倒されたッ!


 ガーランドの美しい逆三角形の体型にッ!腹筋にッッ!!上腕二頭筋にッッッ!!!


「武闘家ガーランド、その筋肉に偽りなしッ!だが、なぜ俺と戦う必要があるんだッ!」


 ワタルは爆睡中のアリアを安全な場所に避難させつつ、ガーランドに聞いたッ!


「ふ、簡単な話だワタルよ!君が魔王デウスを倒したからだ!」


 ガーランドがポージングを保ったまま答えたッ!


「君が先日あの魔王デウスを倒したという話は、もうこのウィンド大陸全土に広がっている!つまり君は今、この大陸で最も有名で、最も強い人物ということだ!」


「なるほどッ!うれしいぜッ!」


 ここでガーランドがポージングをダブルバイセップスから“ラットスプレッド”に移行ッ!両手を腰に当てたようなポージングであるッ!


「そして今!大陸中の猛者たちが、君を倒して名を上げようとしている!私もその一人ということだ!」


 要するにッ!ガーランドは、魔王デウスを倒したことで現在ウィンド大陸最強の存在となったワタルを倒しッ!その“大陸最強”の座を奪おうとしているのだッ!


「よし、分かったッ!では戦うかッッッ!!!」


 ワタルは腰を低く落とし、戦闘態勢に入ったッ!


「ああ、挑戦を受けてくれて感謝するぞ、ワタルよ!では、武闘家ガーランド、参る!!」


 そう言うと、ガーランドは意外にも俊敏な動きでワタルに突進してくるッ!


「武ッッッ!!!」


 ワタルはすかさずジャンプし、ガーランドを跳び越えたッ!


「なにぃ!?」


 着地したワタルが振り向きざまにチョップッ!ガーランドのつるつるの坊主頭に直撃ッッ!!


「ぐはぁ!」


 戦闘開始数秒で圧倒されるガーランドッ!体型的にはガーランドの方がワタルよりも圧倒的に大きいが、しかし純粋な筋肉量が肉弾戦の優劣を決めるとは限らないッッ!!


「やるな、ワタルよ!」


「まだまだ、来いッッッ!!!」


 ワタルとガーランドは、超至近距離でパンチの応酬ッ!しかしワタルの方が数段速度は速いッ!


「喝ッッッ!!!」


 ワタルの美しい正拳突きが見事にガーランドの鳩尾にクリーンヒットッッッ!!!


「ぐはぁ!!!」


 たまらず後ずさるガーランドッ!


「もういいだろう、ガーランドッ!!!」


「ふん、勝ち誇るにはまだ早いぞ、ワタルよ!」


「……何ッ?」


 するとガーランドは不敵に笑ったッ!


「ふふ、まだ分からないのか?ワタルよ!私が、早朝の5時を決闘開始の時刻に指定した理由が!!!」


「ど、どういう事だッ!?」


 ワタル、困惑!彼の言っている意味がまるで分からない!!!


「ならば教えてやろう!私は“これ”を!“この瞬間”を!待っていた!!!」


 その瞬間ッ!


 スカイ王国にッッ!!











 ――朝日が昇ったッッッ!!!











「……朝日……ッ!そ、そうかッ!」


 だがワタルが気付いた時にはもう遅いッ!ガーランドはつるつるの頭部をワタルに向けて突き出しッ!そして叫んだッッッッッ!!!!!


「くらえ!“神が与えし頭部の輝き(フラッシュ・ヘッド)”!!!!!」






 ピカアァァァァァッッッッッ!!!!!






 ガーランドの坊主頭が、朝日を反射して猛烈なフラッシュを発生させたッ!


「ぐわぁぁぁッッッ!!!」


 その光の攻撃をくらったワタルは悶絶ッ!一気に目が眩んだッ!


「どうだ、ワタルよ!私はこの朝日が昇る瞬間を待っていたのだッ!」


「クッ!!!ま、前が見えないッ!」


 ワタル、一時的に失明ッッッ!!!ガーランドの“フラッシュ・ヘッド”によって前が見えなくなったッッッ!!!ヤバイッッッッッ!!!!!


「ちくしょう!こうなったらッ!武ッッッッッ!!!!!」






 ドスンッッッッッ!!!!!






 失明状態のワタルはすかさず地面に拳を打ち付けたッ!これは、中国に古くから伝わる技の一つ、その名も“地割れ起こし”であるッ!


(※地割れ起こし……地面に拳を打ち付け、小規模な地割れを発生させる技。この技を達人の域まで極めたなら、モーゼのように海を割ることも可能だと言われている)


 そしてこの技によって、彼は地割れを発生させたッ!大きな振動が辺りを揺らすッ!


「ふん、だからどうしたというのだ!」


 ガーランドは余裕綽々ッ!地割れが発生したとはいえ、それはせいぜい地面に小さなひびが入った程度であるッ!






 ――だがッッッ!!!






 ワタルがこの技を放った目的は、攻撃ではなかったッ!


「……なに?」


 みるみるうちに、噴水広場が砂埃に包まれていくッ!


「なるほど、やるではないか!」


 そうッ!ワタルの狙いは地割れで攻撃することではなく、その地面のヒビから砂塵を大量発生させることであったッ!


 そしてガーランドは彼の姿を見失ってしまう!!!


「くっ、砂埃が邪魔で前が見えない……!このまま時間稼ぎをされるとまずいな……!」


 ガーランドの“フラッシュ・ヘッド”をまともに喰らってしまったワタルの失明状態が治るまでの時間は、恐らく30秒ほどッ!


 果たしてそれまで、ワタルはガーランドから逃げ切ることが出来るのだろうかッ!


 次回、「決着!そして新たなる脅威ッ!」に続くッッッ!!!


・参考文献

[1]中国に伝わる武術全集……異世界転生出版


[2]地割れを起こすとどうなるのか・解説と実践……異世界転生出版

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