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第138話 「驚天動地の最終回!さらばワタルッ!(Part9ッッ!!)」

 前回までのあらすじ! ワタルはデウスに勝ったッッッッッ!!!!!











 ワタルが、デウスとの最終決戦に勝利して数時間が経過したッ!


 街の人々の必死の消火活動のおかげでスカイ王国の火の手は鎮火し、残っていた魔王軍の魔物たちも全て退治されたッ!


 これにて一件落着、圧倒的めでたしであるッッ!!


 とはいえ、スカイ王国は現在ほとんどの場所が瓦礫の山と化しているッ! 街を復興させるために、住人たちがやるべきことは多いッ!


「ふう、終わったな……ッッ!!」


「はい、そうですね!」


「一時はどうなることかと思ったが……なんとかなってよかった」


 ワタル、アリア、リベリオンの3人は、瓦礫だらけのスカイ王国を眺めながら各々呟いたッ!


「いろんなところがやられちまったが……皆なら、きっと街を直せるはずだッッ!!」


 熱い確信と共に言うワタルッッ!!


 それを聞いたアリアとリベリオンも、同意するように力強く頷いたッ!


 ――と、その時ッ!


 3人の背後に、1人の老人がゆっくりと近付いてきたッ!


「武ッ!?」


 気配を察知して俊敏に振り返るワタルッ! そこにいたのは――なんと、スカイ王国の国王であったッ!


 隣には槍を持った衛兵を数人従えている!


「やあ、久しぶりだね。ワタル君」


 国王はしわくちゃの顔を柔和に歪ませ、ワタルに笑いかけた!


 身にまとった礼服はススで真っ黒に汚れており、彼が国王でありながら消火活動に参加していたことがうかがい知れるッ!


「スカイ王国の国王として、街を救ってくれたことに感謝するよ」


 静かに、それでいて温かみのある口調で感謝を述べる国王!


「いえ、当然のことをしたまでですッッ!!」


 ワタルは、礼儀正しく姿勢を正して言ったッ!


「いやいや、君たちがいなければこのスカイ王国は魔王デウスに支配されてしまっていただろう。感謝してもしきれないよ」


 無論、この戦いにはワタル達3人以外にも、必死に戦った者たちがいるッ!


 恐竜のギラや、黒バラ盗賊団のブレイド・マリー・ジョニーなどの助けがあって初めて、掴み取ることのできた勝利であるッッ!!


 すると国王は少し真剣な表情になり、続けた!


「ところで……魔王デウスがなぜ復活したか、についてなのだが……」


 そうッ!


 特に何の説明もなく話が進んでいくので完全に忘れていたのだが、魔王デウスは第13話で既に消滅した存在ッ!


 そんな彼がなぜ復活したのか、そこに関しては謎のままであるッ!


「我々が独自に調査したところによると、彼の復活にはどうやら“呪われし遺物”が関わっているらしい」


「呪われし遺物……ッ! あれはやっぱり伏線だったのか……ッ!」


 仁王の形相で呟くワタルッ!


 第伍章で意味深に登場した割にはその後一切物語に絡んでこなかった存在が、遂にここで再登場ッ!


 ……まあこの小説はここで最終回なわけだがッ!


「というわけでだ、ワタル君。無茶なお願いをしているのは百も承知だが……この大陸のどこかにある、魔王デウスを復活させた“呪われし遺物”を探し出して破壊してきてほしい。本来であれば私達がやるべき仕事なのだが、見てのとおり今はスカイ王国の復興作業で忙しくてな」


 すると国王は、何の躊躇もなく深々と頭を下げたッ! それと同時に、隣にいた数人の衛兵も同じように頭を下げるッ!


 当然、ワタルの答えは決まっていたッ!


「分かりましたッ! やりましょうッ!」


「おお、本当かねワタル君!」


 嬉しそうに微笑む国王ッ!


 ――と、その時ッ!






 シュンッッッ!!!






 遠方から、一本の矢が飛んできたッ!


 そのまま矢はワタルと国王の間を通り過ぎ、奥にいたアリアの眉間に直撃ッッ!!





















「うぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





















 眉間から鮮血を吹き出しながら叫ぶアリアッッッ!!!


「おい、大丈夫かアリアッ!」


 彼女は回復魔法が使えるので問題ない!


 するとリベリオンは、矢柄に結び付けられた1枚の手紙に気が付いたッ!


「これは……矢文か!」


 彼女はそう言って血だらけのアリアの眉間から矢を抜き取り、そこに結び付けられた手紙を開いたッ!


「なんて書いてあるんだッ!?」


「これは……挑戦状だな」


「よし、音読してくれッッ!!」


 説明しようッ! ワタルは未だにこの世界の文字が読めないのであるッ! 最終回だというのにッ!


 というわけでリベリオンは、手紙に書かれている文字の音読を開始した!






「ワタル君へ


 久しぶりじゃのう、カルマじゃ。


 どうやら魔王デウスをまた倒したようじゃな。


 流石じゃ。


 しかし、君の闘いはまだ終わってなどおらん。


 デウスを復活させた力の源は、君たちも既に察しておるじゃろうが“呪われし遺物”じゃ。


 じゃあ、その遺物を持っておるのは誰じゃと思う?


 全てを知りたければ、わしの元へと来い。


 ウィンド大陸の、一番高い山の頂で待っておる」






「……だそうですよ、ワタルさん」


 回復魔法で眉間の怪我を治したアリアが言うッ! それを聞いたワタルは、渋い顔をしたまま無言で頷いたッッ!!


 カルマとは、第八章でいきなり出てきた、暗黒武術協会の会長をしている怪しい老人のことであるッ!


 とはいえ暗黒武術協会の明確な目的とかはいまいちわかっていないし、多分作者もそこまで考えていないッッ!!


 するとリベリオンが、手紙を懐にしまいながら


「まあ要するに……カルマが呪われし遺物を使って魔王デウスを復活させた、ということか」


と言ったッ!


「そうなるなッッ!!」


「ちょ……ちょっと待ちたまえ!」


 突然、国王が焦った様子で口をはさんでくる!


「話がよく分からんが……全ての元凶は、まさかカルマなのか?」


「ええ、恐らくッ! 国王は、カルマをご存知なのですかッ!?」


 意外にも、国王は力強く頷いたッ!


「私がまだ若い王子だった頃……カルマは、重罪人としてスカイ王国の牢獄に囚われていたのだ!」


「な、何ィーーーッッッ!?!?」


 今明かされる衝撃の真実ッ! 最終回に重要そうな設定を明かすなッッ!!


「だがその後……私が国王として即位した年に、カルマはその卓越した身体能力を用いて脱獄してしまったのだが……そうか、まだ生きていたのか……」


 そう言って国王は、深刻な表情で顔を伏せたッ!


「それで、どうするんですか? ワタルさん」


「もしも行くなら覚悟した方が良いぞ、ワタル……あのカルマのことだ、何かしら罠をはっている可能性もある」


 口々に言うアリアとリベリオンッッ!!


 無論、カルマとの邂逅は間違いなく危険なものになるだろうッ! 彼は魔王デウスに武術を教え込んだ張本人であり、かなり凶悪なパワーを持っているッ!


 が、しかし――ワタルの答えは、やはりとっくに決まっていたッ!


「勿論、行くに決まってんだろッッッ!!!」


 ニヤリと、不敵に笑いながら叫ぶワタルッ!


 その返事を聞いた一同は、少し呆れたような、それでいて安心したような表情で微笑んだッ!


「そうか……それなら、くれぐれも体には気をつけてくれよ、ワタル君」


 柔和な笑みと共にワタルを気遣う国王ッ!


「ワタル、お前ならそう言うと分かっていたよ……当然、私もついて行くぞ」


 自信たっぷりに腕を組むリベリオンッ!


「さあ、行きましょうか……ワタルさん!」


 あっけらかんとした、朗らかな表情で言うアリアッ!


「よし……そんじゃ、今すぐ出発だッッッ!!!」


 そしてワタルはッ!


 国王に見送られながらッッ!!


 いつものように、アリアとリベリオンを引き連れてッッッ!!!


 スカイ王国を飛び出し、旅へと出発するのであったッッッッッ!!!!!


「一生終わらねぇぜ……俺達の冒険はッ!」


 彼の名は伊藤ワタルッ! 熱血武闘派の高校生ッ!


 彼は今日も、魔法や魔物がひしめくこの危険な世界に、拳一つで戦いを挑むのであったッッッ!!!











 トラック受け止め異世界転生ッッッッッ!!!!!


 熱血武闘派高校生ワタルッッッッッ!!!!!











 ひとまず、完ッッッッッ!!!!!































「――見えたぞッ! あそこが俺達の、新しい旅のスタートラインだッッッ!!!」


 果たして、ワタルの瞳に映るものとは――ッッ???

・あとがき


 こんにちは、作者のしもっちです。


 今回、この作品に“あえて”中途半端な形で区切りを付けさせていただきました。


 しかしこれは決して、ネガティブな理由からではありません。


 以前活動報告でも発表したとおり、私はこの作品を元にキャラや展開を再構築して書き上げた完全オリジナルの新作小説で、第6回オーバーラップ文庫大賞を受賞いたしました。


 というわけで、ワタルが出版されます(タイトルは出版にあたって若干変更される可能性もあります)。


 そのため、これからはその書籍化作業に専念したいと考え、こちらでの連載を終了することにいたしました。


 読者の皆様、今までなろうでワタルを読んでくださり、本当にありがとうございました。ネットでの連載はこれで終了になります。ですが「ワタル」というコンテンツは、むしろここからが本番です。


 さあ、次は全国の書店でワタル達と会いましょう。彼らの旅の新しいスタートラインは、どうやらそこにあるようです。

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