第135話 「驚天動地の最終回!さらばワタルッ!(Part6ッッ!!)」
前回までのあらすじ! 昏睡状態に陥っていたワタルは、アリアの回復魔法によって奇跡的に回復した! しかしデウスのあまりの強さに、本当に勝てるのかと弱音を吐く! 果たしてワタルは、リベリオンが倒される前に全快し、もう一度立ち上がることは出来るのであろうか!?
一方その頃ッッ!! リベリオンとデウスの闘いは佳境を迎えていたッ!
「うおぉぉぉぉぉ!!!」
魔王デウスは、白いロングコートをはためかせながらリベリオンに素早い連撃を繰り出すッ!
右フック、左ストレート、跳び蹴り、回し蹴りッッッ!!!
一撃一撃の全てが、速く、重いッッ!!
リベリオンは必死に剣で攻撃をいなしていくが、魔王神拳奥義“覇王風月”を発動し強化されたデウスの勢いは止まらないッッッ!!!
「無駄無駄無駄ァァァ!!!」
強烈な右ストレートが、剣のガードをかいくぐって彼女のみぞおちに直撃したッッ!!
「うぐっ……!!」
息がつまって声も出せず、ただただ苦痛に顔をゆがめるリベリオンッ!
デウスはその隙を見逃さず、彼女の黒い鎧に次々と攻撃をくらわせていくッ!
「フハハハハ!!! ここまでだ、リベリオン!!!」
デウスの拳が、蹴りが、リベリオンの鋼鉄の鎧にメキメキとヒビを入れていったッ!
それでも彼女は歯を食いしばり、気合いで立ち続けるッッッ!!!
(時間を……稼がなければ……!)
今、アリアが懸命にワタルの肉体を回復させているッ!
それが終わるまで、絶対に倒れることはできないッッ!!
その使命感が、リベリオンの全身に“執念”と言う名のアドレナリンを注ぎ込むッッッ!!!
「倒れろ!!! リベリオン!!!」
「断るッッッ!!!」
リベリオンは叫ぶと、渾身の力で剣を持ち上げ、デウスの拳を防いだッッッ!!!
ガキンッッッ!!!
黒いオーラに包まれたデウスの拳と彼女の剣が激突し、火花が散ったッッ!!
リベリオンはボロボロの体に鞭打って剣へ力を込めると、敵の拳を押し返すッッ!!
「貴様……!」
デウスは、驚愕に目を見開いたッ!
敵の驚く様を見たリベリオンは、ニヤリと笑って口を開くッ!
「魔王デウスよ! 覚悟しろ! 私がここで貴様を倒――」
――しかしッ! 彼女が、最後まで言葉を紡ぐことはできなかったッ!
なぜならッ! デウスの拳が、リベリオンの腹に的確に直撃していたからであるッッ!!
「……なっ!」
リベリオンは、痛みに耐え切れず口から血を吐き出したッ!
「侮るなよ、リベリオン……!」
デウスは頬に冷や汗を浮かべながらも、ニヤリと笑ってその拳を振り抜くッッ!!
「オラァ!」
「うぐ!」
彼女はそのまま、後ろに勢いよく吹き飛ばされたッ!
「フハハハハ! 絶望しろ! お前がいくら時間を稼ごうと無駄だ! 助けなど永遠に来ないし、最後の頼みの綱であるワタルは死んだのだ! 残念だったな!!!」
(ワタル……すまない……)
空中に四肢を投げ出し、後ろへ吹き飛ばされながら、リベリオンは静かに目を閉じるッッ!!
(時間を……稼げなかっ……た……!)
――その時ッ!
――1人の漢の声がッッ!!
――スカイ王国に響き渡ったッッッ!!!
「武ッッッッッ!!!!!」
その声はッ!
スカイ王国の人々は勿論、リベリオンにも、魔王デウスにも、そして――読者の皆様にも聞き覚えのある声であったッッッ!!!
(……ワタル……?)
薄れゆく意識の中で、声の主の名を呟くリベリオンッ!
そうッ! その声は、ワタルのものであったッッッ!!!
「待たせたなッッッッッ!!!!!」
髪を逆立たせ、眼をギラリと見開き、全身の筋肉を極限まで奮い立たせたワタルはッッッ!!!
なすがままに宙を舞うリベリオンの体を、後ろから優しく受け止めたッッッ!!!
(間に合った……のか……!)
そしてリベリオンは、彼の太くたくましい腕の中で静かに意識を失ったッ!
ワタルは彼女の首筋に手を当て、脈があることを確認すると、その体をゆっくりと地面におろすッッ!!
「驚いたよ……生きていたのか、ワタル!」
デウスは、死地から驚異の復活を遂げた宿敵の姿を目の当たりにし、恐怖と興奮の入り混じったような声で叫んだッッ!!
「ああッ! おかげさまでなッッ!!」
そしてワタルは、堂々とした足取りでデウスの元へと歩みを進めるッ!
「さあ……第2ラウンドの始まりだぜッッ!!」
「ククク……望むところだ!!!」
デウスまであと20メートルというところで足を止めたワタルは、ゆっくりと腰を落とし、全身に力を込めたッ!
「そんじゃあ、悪いが……スカイ王国の温度、ちょっとばかし上げさせてもらうぜ……ッッッッッ!!!!!」
その瞬間ッ!
ただでさえ火事のせいで暑くなっているスカイ王国の気温がッッ!!
5度上昇したッッッ!!!
「うおぉぉぉッッッ!!! 爆熱猛怒ッッッッッ!!!!!」
力強く叫ぶワタルッ! その全身から、赤いオーラが激しく放出されていくッ!
「フフフ……久しぶりに見るな、お前のその姿……!」
赤いオーラに包まれたワタルを前に、狂気の笑みを浮かべるデウスッ!
「さあ、ワタルよ! どちらが強いか、決める時が来たぞ!」
「ああ……ッ!
決めてやろうじゃねぇか……ッッ!!
俺とお前……ッッッ!!!
どっちの方が、強いのかをよォ……ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
次回、「驚天動地の最終回!さらばワタルッ!(Part7ッッ!!)」に続くッッッ!!!
・参考文献
[1]主人公の必殺技にありそうな名前100選……異世界転生出版