表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/138

第134話 「驚天動地の最終回!さらばワタルッ!(Part5ッッ!!)」

 前回までのあらすじ! 魔王神拳奥義“覇王風月(はおうふうげつ)”によって極限まで肉体を強化させたデウスが、ワタルを追い詰める! そしてデウスがとどめを刺しに行こうとした瞬間、リベリオンが現れた! かつての主に対し、迷うことなく剣を構えるリベリオン! 果たして、彼女は魔王を止められるのだろうか!?











「さあ、行くぞ……“反逆(リベリオン)”の始まりだ!!!」


 剣を逆手で握りしめ、切っ先を地面に向ける独特の構えッ!


 青く美しい長髪を風になびかせて敵を睨む彼女の名は、リベリオンッ!


 その名の意味はすなわち――“反逆”ッッ!!


 本当に信頼する仲間のためであれば、かつての主であろうと刃を向けるッッ!! そんな彼女の硬い意志が、名前に如実に表れているッッッ!!!


「愚かな……私に勝てるとでも思ったか!」


 全身からどす黒いオーラを放ち、彼女を威圧するように叫ぶデウスッ!


 そして腰を低く落とし、リベリオン目がけて跳躍したッ!


 その位置から彼女の眼前に迫るまで――わずか0.00000000001秒ッ!


 読者の皆様の中に、今のデウスの動きが見えた方はいらっしゃっただろうかッ!? いいや、いないはずだッ! 常人であれば目で捕えることは不可能なのだからッ!


 だがしかしッ! リベリオンはッッ!! これまでのワタルとの冒険を経て、確実にパワーアップしていたッッッ!!!


「フンッ!」


 逆手で握りしめていた剣を俊敏に振り上げ、眼前に迫るデウスの頬を斜めに斬り付けるッ!


「なにっ!?」


 “覇王風月(はおうふうげつ)”で強化されたデウスの肌を傷つけることはできなかったが、それでも相手に大きな隙をつくらせたッ!


「はぁっっ!!」


 更にリベリオンは腰をひねりつつ剣を構え直し、返す刀で横なぎを放つッ!


「くそっ!」


 デウスは素早く上半身を後ろに反らすことで、イナバウアーのような体勢になりながら彼女の斬撃をすれすれで避けたッ!


「やるな、リベリオン!」


「まだまだ、こんなものでは! 私の反逆の(つるぎ)は、赤く煌めいているぞッッッ!!!」


 リベリオンvs魔王デウス、圧倒的白熱――ッッ!!











 一方その頃ッッ!!


 石畳の地面に激しく激突して昏睡していたワタルは、静かに覚醒したッ!


「うっ……ここは……ッッ!?」


 混乱する頭を必死で働かせ、重いまぶたを開くワタルッ!


 すると彼の目の前には――優しく微笑む、アリアの顔があったッ!


「良かった……起きたんですね、ワタルさん」


 小鳥がさえずるように、静かに、丁寧に囁くアリアッ!


「あ、ああ……一体何が起こって……ッ!」


 その時、彼は気付いたッ! 自分は今、正座するアリアの腕の中で横たわっているのだということにッ!


 しかもワタルの全身が、ほのかに緑色に発光しているッッ!!


「これは……ッッ???」


「動かないでください、ワタルさん。今、魔法であなたの体を回復させています」


「そ、そうか……ッ!」


 すなわち、この発光は彼女の魔法によるものッ!


「デウスの方は、どうなっているんだッッ???」


「リベリオンさんが闘ってくれています」


 膝枕をされていたワタルは、少し頭を起こして前方を見据えてみるッ! すると、少し離れた場所でリベリオンとデウスが激しく(タイマン)っている光景が見えたッッ!!


「そ、そうか……アリア、リベリオン……2人とも、来てくれたんだな……ッ!」


「当たり前じゃないですか。いつだってそうしてきたんですから」


 優しい笑みをたたえたまま返すアリアッ!


 それを聞いたワタルは、嬉しさのあまり目頭が熱くなったッッ!!


 そして彼女は一呼吸置くと、少し緊迫したような声色で続けるッ!


「いいですか、ワタルさん。あなたの体を、今急ピッチで回復させています。でもダメージがかなり大きいので、全快するまでかなり時間が掛かると思います」


 そうッ! ワタルはデウスとの戦いを経て全身に致命的なダメージを負ってしまっていたッ!


 そのため、回復にはかなりの時間を要するのだッッ!!


「……それまで、リベリオンはこらえてくれるだろうかッッ!!!???」


「分かりません。信じるしかありません」


 研ぎ澄まされた集中力で回復魔法を使いながら、アリアは静かに言ったッ!


 それを聞いたワタルは、静かに目を閉じ、口を開くッ!


「……はっきり言って、今回の戦いはかなりギリギリだッ! 俺はもしかしたら、デウスに負けるかも知れんッッ!!」


「……ええ、そうですね」


 珍しく弱音を吐く彼に対して、しかしアリアは一切否定することなく頷いたッ!


「……俺に、あいつが倒せるだろうかッ?」


「ワタルさん、あなた、今までの人生で一度でも筋トレをしなかった日はありますか?」


 アリアの突然の質問ッ! するとワタルはカッと目を見開き、堂々と答えたッ!


「ないッッッ!!!」


 ワタルは、熱血武闘派の日本男児であるッ! この世に生を受けてから今日(こんにち)にいたるまで、一度たりとも鍛錬を怠ったことはないッッ!!


「いいですか、ワタルさん。それが答えです。あなたがデウスに勝てるかは分かりませんが……少なくとも、あなたは、一度として自分自身に負けたことはありません」


 筋トレとはッ! 武術の鍛錬とはッッ!! 言うまでもなく、厳しく険しいものであるッ!


 これまで、武の極みを目指す多くの猛者たちが、あまりの辛さからそういった訓練を投げ出し、逃げてきたッ!


 それすなわち、“自分自身に敗北した”ということであるッ!


 しかし――ワタルは、鍛錬を投げ出したことはないッ!


 日本にいた時も、この異世界に来てからもッッ!!


 一度として、「めんどくさい」「つらい」「疲れた」などと言って鍛錬を怠ったことはないッッ!!


 ワタルは、一度として、“自分自身に敗北した”ことはないッッッッッ!!!!!


「デウスを倒せるのは、毎日休むことなく鍛え続けてきたワタルさんしかいません。あなたの本当の強みは、鍛え上げられた肉体ではなく、その強靭な“意志の力”なんです。ですから……私は、全ての希望をあなたに託します!」


「ああ……ッ!」


 アリアの腕の中で、力強く頷くワタルッ!


「スカイ王国を、人類を、この世界を救ってください!」


「ああ……ッッ!!」


 もう一度、仁王の形相で力強く頷くワタルッッ!!


 そしてアリアは、彼の顔を見つめて叫んだッッ!!


「いきますよ……今、私にできる全力で、あなたの体を回復させます!!!」


 すると彼の全身が、今までよりもまばゆい光で包まれたッッッ!!!


「おお……この力は……ッッッ!!!」


 ワタルは、感じたッ!


 全身を貫くように駆け巡る、温かい血流をッッ!!


 確かなエネルギーをッッッ!!!


 激しい脈動をッッッッ!!!!


 そして――アリアの、いや世界中の人々の熱い思いをッッッッッ!!!!!


「ワタルさん……デウスを倒してくださいよ!」


 徐々に回復していく体を見つめながら、ワタルは大口を開けて答えたッッッ!!!


「任せろッッッッッ!!!!!」


 果たしてワタルはッ! リベリオンが倒される前にッッ!! 再び立ち上がることができるのだろうかッッッ!?!?


 次回、「驚天動地の最終回!さらばワタルッ!(Part6ッッ!!)」に続くッッッ!!!

・参考文献

[1]熱血ドキュメンタリー~ボディビルダーの苦悩~……異世界転生出版

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ