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第129話 「まさかの乱入!山田ジェイコブッ!」

 前回までのあらすじ! 逆上して戦いを挑んできたアステラを、順調に叩きのめすワタル! アステラの奥の手・ビームライフルによってアリアの頭が撃ち抜かれるというハプニングもあったが、彼女は回復魔法が使えるので心配はいらない! そしていよいよワタルがアステラにとどめを刺そうかとしたまさにその時、突如乱入者が現れた! 果たして、その人物とは――?











「そこまでだ! もうやめろ!」


 ワタルたちが戦う噴水広場に、突如として響き渡る男の声ッ!


 それを聞いたワタルは、自分の耳を疑ったッ!


「そ、その声は……ッ!」


 眉間にしわを寄せ、声がした方向に時速300キロのスピードで振り向くワタルッ!


 そこにいたのは――豚のような顔面と緑色の肌を持った、1人のオークであったッ!


「久しぶりだな! ワタル!」


「あ、あなたは……“人付き合いの苦手なオークの俺が異世界に転生してしまって大ピンチな件”略して“俺ピン”の作者、山田ジェイコブさん!?」


 額に開いた穴を魔法で修復し終えたアリアが、驚きをあらわにして大きく叫ぶッ!


 そう! 彼の名は山田ジェイコブ!


 ウィンド大陸で現在も話題沸騰中の大人気ライトノベル“人付き合いの苦手なオークの俺が異世界に転生してしまって大ピンチな件”、略して“俺ピン”の作者である!


 この間ワタルは彼の兄・ゴードンと闘ったわけだが、ジェイコブ自身が登場するのはたしか第31話以来だったと思うッ! 正直よく覚えていないッッ!!


「山田ジェイコブ……どうしてお前がここにッ!?」


 仁王の形相で問い詰めるワタルッ!


 すると彼はニヤリと笑い、


「実は俺っち、今度新しいライトノベルを執筆することになってな。それで新作のアイデア探しのために、はるばるこのスカイ王国までやって来ていたんだ」


と答えた!


 更に地面にあおむけで倒れるアステラをビシッと指さし、威勢よく続ける!


「そして俺っちは見つけたのさ! 新作主人公のモデルを!」


 それを聞いた一同、仰天ッ!


「そ、その主人公のモデルって……ッッ!!」


「もしかして……俺のことか……?」


 アステラは茫然とした表情で言ったッ!


 コクリと頷くジェイコブ!


「ああ、そうだ! 実はお前たちの戦いは最初から陰でこっそりと見ていたが、そこのアステラとかいう奴は新作のイメージにぴったりなんだよ!」


 にわかには信じがたい発言ッ! 読者の皆様もこれには首をかしげるッ!


「そんなわけないだろッ!」


「ところがどっこい、最近は“国から追放された勇者が、チート能力を使って活躍しまくり国を見返す。ついでにハーレムも作る”みたいなタイプの作品が流行していてな! これを“追放ざまぁ系”ともいうんだが……」


「そ、そういうものが流行しているのか……ッッ???」


 説明しようッ! ワタルは最近のライトノベル事情にとにかく疎いのだッ!


「だから、そこのアステラとかいう奴には是非新作主人公のモデルになって欲しいんだ! 勇者として国に育てられていたのに、最終的にはあっさりと捨てられてしまった……あんたのこのエピソードを、次の小説で使いたい!」


「え? お、おう……俺は勿論いいけど……へへ、小説のモデルか」


 アステラはゆっくりと立ち上がり、まんざらでもなさそうに顔を赤面させたッ!


「よし、そうと決まればアステラ! 今すぐ俺っちの家に来てくれ、色々とインタビューがしたい! ちなみに小説のタイトルは“勇者を目指して国に育てられていたけど、魔王が倒された瞬間あっさりと捨てられたのでチート武器のビームライフル片手に復讐します~ついでにヒロインも勝手にたくさんついて来て困ってます~”でいこうと思ってる!」


「なんだそのやばそうなタイトルはッッッ!!!」


 思わず突っ込むワタルッ!


「しょうがないんですワタルさん! 今のライトノベルはタイトルでおおまかなあらすじを説明するのが主流なんです!」


「そうなのかッッ!!」


 そういうことなら仕方ないッ!


「よーし! じゃあ次は、人気小説家の新作のモデルになって、みんなからチヤホヤされてやるぜ!」


 アステラはそう言いながら、ジェイコブの元に歩み寄っていったッ!


「やれやれ、お前も懲りない奴だなッ!」


「本当ですね……」


 あきれたように首を横に振るワタルとアリアッッ!!


 アステラの“みんなからチヤホヤされたい”という欲望は底なしのようだ!


「さあ、ジェイコブ先生! こんなしょーもないやつらはほっといて、すぐさま新作の製作に取り掛かりましょう! 聞きたいことがあれば何でもお答えしますよ!」


「そうだな、アステラ! 時は金なりだ、早く俺っちの家に急ごう!」


 そんなわけで、山田ジェイコブとアステラは仲良く手を取り合って遠くへと走り去っていくのであったッッ!!


 ――そして、噴水広場に取り残されたワタルとアリアッ!


「……なんだったんですかね、あの2人は……」


「本当になんだったんだろうなッッ!! はた迷惑な奴らだッッ!! あとあのタイトルはやっぱりやばいと思うッッ!!」


 とにかく、これで一件落着である!


 めでたしめでたしッ! 圧倒的めでたしッッ!!











 数日後、ワタルがいつものように部屋でシャドーボクシングをしていた時のことッ!


「おーーーい、大変だワタルーーー!!!」






 ドカーーーンッッッ!!!






 部屋の扉が爆発して粉々に砕け散り、そこからとげとげしい黒の鎧に身を包んだリベリオンが入ってきたッ!


「武ッ!? どうしたリベリオンッ! 斬撃でドアを爆発させるのは迷惑だぞッッ!!」


 シャドーボクシングをするのをやめて、リベリオンの方を振り向くワタルッ!


「すまないワタル! だが、いちいちノックもしていられない程に大変な事態が起こったのでな!」


 顔に大量の汗をにじませながら言うリベリオン! いつも冷静沈着な彼女がここまで取り乱すとは、どうやらかなり深刻な事態があったようだッ!


「一体何があったんだリベリオンッ! 落ち着いて話せッ!」


「うん、それが……この小説、次が最終回だぞ!」


「一体何があったんだリベリオンッ! 落ち着いて話せッ!」


「いや、だから……この小説、次が最終回だぞ!」


「一体何があったんだリベリオンッ! 落ち着いて話せッ!」


「落ち着かなきゃいけないのはお前の方だワタル! この小説、次のエピソードが最終回だぞ!」





















「な、何ィーーーーーーーーーーッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????????????????!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????????????????!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!??????????????????????????????」





















 次回、「驚天動地の最終回!さらばワタルッ!(Part1ッッ!!)」に続くッッッ!!!

・参考文献

[1]2019年版・ライトノベルの流行まとめ……異世界転生出版

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