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第126話 「感動!育まれる人と恐竜の絆ッ!」

 前回までのあらすじ! ティラノサウルスのギラと、ワタルの駆る巨大ロボ・グレートガイMk-Ⅱが圧倒的激突! 一時はギリギリのところまで追い込まれたワタルであったが、伝家の宝刀である爆熱猛怒(ばくねつモード)を解放させることで、見事にギラを倒すのであった! 圧倒的めでたし!











 戦いから数時間後!


 気を失っていた恐竜のギラが目を覚ますと……そこは、巨大な鋼鉄の檻の中であったッ!


『……ここは……どこだ……』


 薄暗い周囲を見渡しながらテレパシーを発するギラ!


 すると……ッ!


「ここはスカイ王国にある、魔物研究所の魔物保管室だッッッ!!!」


 檻の前で仁王立ちしたワタルが、仁王の形相で返したッ!


 そう、ここは保管室! グレートガイの格納されているガレージのすぐ隣にある、広大な倉庫のような部屋であるッ!


 とはいえ、全長5メートルの巨体を誇るギラからすれば少し窮屈な空間だ……!


『……ワタル、いたのか……』


 そこで深呼吸をするように一拍置き、テレパシーで話を続けるギラッ!


『研究所、か……つまりお前たち人間は、今からこの私を殺して実験材料にでもするのか?』


 いぶかしむギラに対し、ワタルはぶんぶんと首を横に振ったッ!


 するとその時、保管室に白衣を着た1人の男が入ってくる! そして彼――ラモンは、ニヤリと笑って口を開いたッ!


「約束するよ。君を殺したりはしない。少し僕の研究に付き合ってもらいはするけど……でも、決して悪いようにはしないから」


『……貴様は……?』


「ラモンだ。この研究所の所長をしている」


 檻を隔てた状態で見つめあうラモンとギラッッ!!


『……なぜ殺さない……?』


「君は死にたいのかい?」


 彼が問いかけると、ギラは逡巡するように目を泳がせた!


『私は……』


「死にたくないんだろ? じゃあここに居るんだ。もちろん檻から出すわけにはいかないが……定期的に血液サンプルを取らせてくれるのであれば、君の身の安全は保障するよ」


『……』


 無言で俯くギラ!


 対するラモンは、純粋な瞳でまっすぐにギラを見つめたッ!


「君が人類に強い怒りを抱いているのは知ってる。でも、信じてほしいんだ。人類にも善良な心の持ち主がいるってことを」


『……正直、驚いている……まさか私を殺さないとは……』


「よかったな、ギラッ! 新しい住処が見つかってッ!」


 仁王の形相を一変させ、爽やかな笑顔で言うワタルッ!


『ああ……感謝しているぞ、ワタル……』


「いいってことよッ! じゃ、俺はランニングの時間だからもう行くぜッッッ!!!」


「えっ、もう行くの?」


「ああッ!」


 言うが早いか、ワタルは時速120キロの全力疾走で部屋を飛び出していくのであったッ!


 そして取り残されたラモンとギラッッ!!


 気まずい空気が2人を取り巻くッ!


「えーっと……そうだな……」


 ラモンは、苦笑いを浮かべながら口を開いた!


「とりあえず、一緒にゲームでもやるかい?」


『……そうだな、やるか』


 こうして、人類と恐竜の間に奇跡の絆が生まれた……!


 めでたしめでたしッ! 圧倒的めでたしッッ!!











 ある日の正午のことッ!


 ワタルがいつものように部屋で豚の丸焼きをかじっていると、部屋にアリアが押し入ってきたッ!


「ワタルさん、大変です!」


「どうしたんだアリアッ! 見ての通り俺はお昼ごはんを食べているところなんだから、邪魔をしないでくれッ!」


 ワタルは熱血武闘派の日本男児ッ!


 その極限まで鍛え上げられた全身の筋肉を維持するため、なんと彼は1日に3万キロカロリーもの食事を摂取しているッッッ!!!


(運動部に所属している男子高校生の平均的な摂取カロリーは、約3000キロカロリーと言われている。そのため、ワタルはその10倍ものカロリーを摂取しているのだ)


「それどころじゃありませんよワタルさん! 噴水広場のところで、ワタルさんと決闘がしたいって言ってる変な中年男性がいるんです!」


「なんだとッ!? なんかよくわからんが怪しいから追い返せッッ!!」


 憤怒の形相で叫ぶワタルッ!


 しかしアリアは困ったように眉間にしわを寄せ、


「それが、その人“ワタルと決闘できなかったら死んでやる!”って鬼気迫る表情で言ってて……」


と返したッ!


「なんてこった……ますます関わらない方が良いやつじゃないか……ッ!」


 ワタル、困惑!


「とにかく、急いで噴水広場に向かってください!」


「しょうがねぇなぁッッ!!」


 彼はそう言うと、豚の丸焼きをかじるのをやめてゆっくり立ち上がったッ!






「それじゃあ……行くかッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」






「ワタルさん、ここ一応病院なんで大声出すのやめてください」


「おお、すまんすまんッ!」


 時々作者ですらも忘れがちになる設定だが、ワタルが住んでいる部屋はアリアの両親が経営する病院の一室ッ!


 つまり、あくまでも空いている病室に居候させてもらっているだけにすぎないッ!


 ――まあ話の本筋には一切関係ない設定なので、忘れてもらっても構わないのだがッッ!!











 というわけで数分後ッ!


 ワタルとアリアが噴水広場に行くと――そこには、小太りの中年男性が苛立ったような表情で立っていた!


 よれよれした薄汚いYシャツに袖を通しており、髪はぼさぼさで手入れされていない!


 顎には無精ひげが生えており、一見するとヤバいホームレスといった感じの見た目だ!


 そして彼はワタルの姿を見るなり、


「待っていたぞ、ワタル! 俺はお前に復讐してやる!」


と叫んだ!


「わ、ワタルさん……知り合いですか?」


「知ってるわけないだろうッッ!!」


 ワタルは即答したッ!


 すると謎の男は怒りに身を震わせながら、大口を開けて名乗ったッ!


「俺の名はアステラ! オーシャン王国で勇者として育てられたが、お前のせいで国から捨てられた男だ!!!」


 次回、「逆ギレ!恐ろしきアステラッ!」に続くッッッ!!!

・参考文献

[1]年齢別・摂取カロリーの目安……異世界転生出版

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