第125話 「激突!恐竜vsグレートガイMk-Ⅱッ!」
前回までのあらすじ! 同胞たちを殺されてしまった怒りから、人類に復讐することを誓った恐竜のギラ! そんな彼の前に立ちはだかるのは、人類の希望であるワタルとグレートガイMk-Ⅱ! 今、最後の恐竜とワタルの駆る巨大ロボが激突する……!
『私は人類に復讐する! まずは手始めに、スカイ王国の愚かな人間どもを全員喰ってやるのだ!』
魔法の力で、ワタルの脳内に直接語り掛けてくるギラ!
その時……ワタルはキレたッッッ!!!
「うるせーーーッッッ!!!」
それと同時に、グレートガイMk-Ⅱが攻撃モードに移行ッ!
背中に収められていた長大なソードを素早い動作で抜き取り、かっこよく構えたッ!
『ワタル……貴様、この私に刃を向けるのか! やはり人類は野蛮な生き物だな!』
「そう思いたいなら勝手にそう思えッ! 俺は街の皆を守るッ! そのために戦うッ! それだけだッッッ!!!」
そしてグレートガイMk-Ⅱは、砂埃を巻き上げながらギラに突っ込んでいったッ!
ソードを豪快に振り回し、相手に強烈な斬撃を繰り出すッ!
――しかしッ!
『無駄だ!』
ギラは、その巨体に似合わぬ俊敏な動きで後ろに跳躍ッ!
グレートガイMk-Ⅱの斬撃を見事に躱したッ!
さらに返す刀で体をひねり、長い尻尾を鞭のようにしならせて攻撃するッ!
「何ッッ!?」
ギラの強烈な尻尾攻撃が、グレートガイのボディにクリティカルヒットッ!
「グワァーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!」
ワタルのいるコックピットを強烈な揺れが襲ったッッ!!
『どうだ、ワタルよ! これが人類によって絶滅寸前まで追いやられた生物の怒りだ!』
「確かに、人類がお前たちにやってきたことは間違っていたのかもなッ! だから人類に復讐したいというお前の考えも、理解できるッッ!! だが……それでも俺は、お前を止めるッッッ!!!」
『下劣な生物め!』
「なんとでも言えッ!」
激しく吠えるワタルッ! そんな彼の熱き心に突き動かされるように、グレートガイは再び剣を構えたッ!
そして睨みあう、巨大ロボットと恐竜!!!
『……!』
「――武ッッッ!!!」
先に動いたのは、グレートガイであったッッ!!
ソードを天に掲げ、剣道のような素早い踏み込みで前に飛び出す!
それを見たギラはすかさず姿勢を低く落とし、グレートガイの懐へと潜り込んできたッ!
「なんだとッ!?」
ワタル、思わず驚愕ッ!
そしてギラはその大きな口をあんぐりと開けると、凶悪なまでに尖った牙で機体の腹――すなわちコックピットに噛みついてきたッ!
ワタル、危うしッ!
だが彼には考えがあったッ!
「破ァーーーッッッ!!!」
ワタルはコックピットの中で強く息を吐くと、全身に力を込めるッ!
「久しぶりに使うぜッ! 爆熱猛怒ッッッ!!!」
ブオンッッッッッ!!!!!
これによって彼の髪の毛が一気に逆立ったッッ!!
さらに密閉されたコックピット内の温度が、一瞬にして50度上昇ッッッ!!!
一体この危機的局面でお前は何をやっているんだ!?
そう考えてしまう読者の皆様の気持ちも痛いほど分かるッ!
しかし、ワタルは決して能無しの馬鹿ではないッ!
「うおぉぉぉぉぉお……今だッッ!!」
バゴンッッッ!!!
赤いオーラに包まれたワタルが叫ぶのと同時に、コックピットのハッチが開放されたッ!
そして――内部にこもっていた強烈な熱気が、一気に外へ放出されるッ!
『!?』
ギラの口内を、激アツの蒸気が直撃ッ!
そう、これこそがワタルの狙いであった!
コックピット内で爆熱猛怒を発動させて密閉された空間に熱を作り出し、ハッチを開けてその熱を一気に外に出す!
そうすることで、コックピットに噛みついていたギラの口の中に蒸気を直撃させることができるッ!
ワタル、圧倒的頭脳プレー!!!
『ぐおぉぉぉ……貴様、なんということを……!』
口の中を火傷してしまったギラは、痛みに悶えながらドシン、ドシンと後ずさったッ!
「もう諦めろ、ギラッ! 大人しくここを去り、森で静かに暮らせッ!」
全開のコックピットから、大声を張り上げて言うワタル!
しかしギラは、ブンブンと首を横に振った!
『駄目だ! 私は人類に復讐する!! こんなところで立ち止まるつもりはない!!!』
「そうかッ! ならばこれ以上の議論は不要ッッッ!!!」
するとワタルは、コックピットから勢いよく外に飛び出したッ!
そのスピードはなんと秒速300メートルッ!
分かりやすく形容するならば――拳銃から発せられた弾丸並みのスピードッ!
爆熱猛怒状態のワタルであれば、これぐらいの速度で跳躍することなどわけないのであるッッ!!
「覇ァーーーーーッ!!!!!!!!!!」
ワタルは一瞬にしてギラの眼前へと接近ッ!
そして相手の顔面を思いッッッきり殴ったッ!
ズドンッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!
本来、ギラからしてみればワタルの拳など米粒程度の大きさにすぎない!
だが、その拳が――秒速300メートルということならば、話は別であるッッ!!
『!?』
一瞬にして脳震盪を起こしたギラは、そのまま気を失って激しく地面に倒れたッ!
ドシン……ッッ!!
大地が揺れ、木々がざわめき、小鳥たちが逃げ惑う!
「はぁ、はぁ、はぁ……ロボットで闘うよりも、俺が直接相手を殴った方が早かったな……ッ!」
着地したワタルは、白目をむいて気絶するティラノサウルスを眺めてそう言ったッ!
次回、「感動!育まれる人と恐竜の絆ッ!」に続くッッッ!!!
・参考文献
[1]ミリタリー大百科~拳銃編~……異世界転生出版