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第120話 「ワタルvsカリスマホスト!熱血ホストバトルッ!」

 前回までのあらすじ! なんやかんやで結局ホストとして働くことになったワタルは、気晴らしにと店へやってきたアリア・リベリオンと運悪く邂逅してしまった! 事情を説明してなんとか2人を納得させたが、その瞬間! 店に謎の人物が来店した!











「あ、あなたは……!」


 入店してきた客の顔を見て、驚きに目を見開くシーモアッ!


「ふふ……どうもこんばんは」


 そう言いながら店にゆっくりと入ってくるのは、ゴージャスな金色のスーツに身を包んだ怪しい男性であったッ!


 年齢は恐らく30代後半ッ! 髪型はきっちりとしたオールバックで、色は黒ッ!


 中肉中背のハンサムなおじさんであるッッ!!


(ぜ、全身金色のスーツッッッ!!!)


 男のあまりにも奇抜なファッションに思わず動揺するワタルッ! 金色のスーツが、店の照明を反射してキラキラと輝いていたッ!


「フン……一体何の用ですか? ジェイさん」


 ぶっきらぼうな感じで言い放つシーモアッ!


 すると金色スーツの男――ジェイはニヤリと笑ったッ!


「久しぶりだなぁ、シーモア。店の調子はどうだ?」


「何よ白々しい。こんな状況にしたのはアナタのくせに」


「“こんな状況”……ッ? ということはまさか、この人が……ッ!」


 コクリと頷くシーモアッ!


「ええ、そうよ。彼が先月うちの向かいにオープンしたホストクラブ“ゴールデンウィーク”のオーナー、ジェイよ」


「ゴールデンウィーク……めちゃくちゃダサい名前ですね」


「なんとしてでも店名に“(ゴールド)”を入れたかったんだろうな」


 ソファーに座っていたアリアとリベリオンは、次々に悪口を言ったッ!


「油断しては駄目よ、皆。彼はああ見えても、10年前はこのスカイ王国繁華街のナンバーワンホストだったんだから……!」


「な、何ィッ!?」


 今明かされる衝撃の真実ッッッ!!!


「ふん、そう言うお前だって、10年前は新進気鋭のオカマ系ホストとして人気だったじゃないか……」


「オカマ系ホスト……ッ?」


 聞き慣れない単語に首をかしげるワタルッ!


 恐らく読者の皆様も首をかしげているところであろうッッ!!


「だがお前も、今じゃこんなありさまだ……ホストクラブなんてとっととたたんで、田舎にでも帰ったらどうだ?」


 それを聞いたシーモアは激怒したッ!


「クッ、アンタって奴は……! 現役でホストとしてやっていた時からアンタのことは苦手だったけど、まさかここまで非道な奴だとは思わなかったわ! アタシの店をつぶすために、わざわざ所属ホストを全員引き抜くだなんて……!」


 どうやらシーモアとジェイは、昔から因縁があるようだッッ!!


 だがそれについては別に本編で触れるつもりはないので、安心して忘れてくれて構わないぞッ!


「クックック……それでお前の所に残ったホストは、そこの筋肉ムキムキの彼だけってわけだ」


 ジェイはそう言いながらワタルを指さしたッ!


「シーモア……いよいよお前も、年貢の納め時って奴だなぁ……!」


「ふんっ! だったら、勝負しましょう!」


 腰に手を当てて、堂々と叫ぶシーモアッ! するとジェイは不思議そうな表情をしたッ!


「はぁ? 勝負だぁ?」


「ええ、そうよ! うちのワタルちゃんとアンタ、どちらがホストとして優れているか勝負するの!」


「エッッッッッ!?!?!?!?!?」


 突然の展開に戸惑うワタルッ! ソファーに座るアリアとリベリオンも困惑しているッッ!!


 だが対するジェイは、意外にもノリノリだ!


「へぇ、面白れぇじゃねぇか! 一線を退いた身とは言え、俺のホストとしての実力はまだまだ衰えちゃあいないぜ!」


 黄金のスーツをきらめかせながら、自信満々に言うジェイッ!


「よし、じゃあ俺とそこのワタルとかいう坊やでホストバトルといこうか!」


「いや、俺はまだやるとは言ってないんだが……ッ!」


 しかしお構いなしに話は進むッッ!!


「OK、それじゃあ勝負のルールは“ナンパタイムアタック”よ! 店の前で女性に話しかけてナンパをし、より早く自分のホストクラブに誘い込んだ方の勝利!」


「いや、だから俺はまだやるとは言ってないんだが……ッ!」


「よぉし、そのルールでいいだろう!!」


 ジェイは腕を組んで頷いたッ!


「やれやれ、最低の勝負だな……」


 そう呟いて困ったように頭を抱えるリベリオンッ! まったくもって彼女の言う通りであるッッ!!


「先行は勿論この俺だ! 元ナンバーワンホストの実力を見せつけてやるぜ!」


「フン! うちのワタルちゃんの方がフレッシュでパワーがあるわ! 金太郎なんかに負けないわよ!」


「いきなり俺の本名を言うんじゃねぇ! コンプレックスなんだぞ!」


 今明かされる驚天動地の新事実ッッッ!!!


 ジェイの本名は金太郎だったッッッ!!!











 まあそんなことは置いといて数分後ッ! ワタル、アリア、リベリオン、シーモア、ジェイの5人は店の外に出たッ!


 時刻は午後の8時ッ! スカイ王国の繁華街が“夜の顔”を見せ始める時間帯であるッ!


 さあ、ここで勝負のルールをおさらいしようッッッ!!!


 今回のホストバトルは“ナンパタイムアタック”ッ!


 ジェイとワタルが交互にナンパをして、より早く女の子を自分のホストクラブへと誘い込んだ方が勝ちとなるッ!


 なお先行はジェイ、後攻はワタルであるッッ!!


「よし、それでは俺からだな!」


 そう言ってジェイは、ホワイトローズと通路を挟んだ向かい側にあるホストクラブ“ゴールデンウィーク”へと向かったッ!


 金色の外装と所々に取り付けられたネオンの装飾がまぶしい、まさに“ゴージャス”といった感じのお店であるッ!


「ククク……この勝負で格の違いを見せつけて、シーモアをホストの世界から完全引退に追い込んでやるぜ!」


 ジェイ(本名:金太郎)は邪悪な笑みを浮かべた!


 そして店の扉の前に仁王立ちし、ホストバトルが遂にスタートッッッッッ!!!!!


 次回、「炸裂!ワタルの必殺ホスト拳ッ!」に続くッッッ!!!

・参考文献

[1]ホストクラブにありがちな名前百選……異世界転生出版

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