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第118話 「阿鼻叫喚の新章突入!ホストクラブに行こうッ!」

 前回までのあらすじ! あらすじをまとめるのが面倒なので各自自分で読み返して復習してくれ!!!











 ある日の正午のこと! ワタルは1人、スカイ王国の繁華街へと足を運んでいた!


「……ここか……ッ!」


 そう言いながら、“とあるお店”の前で足を止めるワタルッ! そこはなんと……ホストクラブであったッ!


 洒落た外装をした木造建築の建物で、看板には“ホストクラブ~ホワイトローズ~”と書かれているッ!


 ……まあワタルは読めないのだがッ!


「よし、入るかッ!」


 現在は昼間なので閉店しているが、構うことなく扉を開けて中に入店するワタルッ!


 なぜ未成年の彼がホストクラブに足を運ぶことになったのであろうか!? それは、1日前にさかのぼる……ッ!











 1日前ッッ!!


 ワタルがいつものようにスカイ王国の街中を散歩していると、目の前に1人の男性が現れた!


 全身にスリムなフォルムの白いタキシードスーツをまとっており、顔には大きめの黒いサングラスッ!


 口元にはちょび髭を生やしており、なんだか少し胡散臭い風貌のおじさんであったッ!


「失礼……もしやあなた、ワタルさん、ですか……?」


「えッ!? はい、そうですが……ッ!」


 若干たじろぎながら返事をするワタルッ!


 すると一昔前のムード歌手めいた見た目のおじさんはパッと笑顔になり、


「あ~~~らやだ嬉しい、やっと会えたわっ!」


と叫んだッ!


「~~~ッ!?」


 男らしい見た目と女らしい口調のギャップに戸惑うワタルッ!


「し、失礼ですがどこかでお会いしたことがありますかッッ???」


「まさか! 初対面に決まってるじゃな~~~い! でも、アタシはあなたのこと知ってるわよ!」


 謎の人物は、体をくねくねさせながらそう言ったッ!


(な、なんだコイツ……ッ!)


 ワタル、たじたじ!


「あらやだいっけな~~~い、まだ自己紹介をしていなかったわね! あたしの名前はシーモア! 繁華街にあるホストクラブ“ホワイトローズ”の経営者をしている者よ!」


「は、はあ……ッ!」


 異世界にホストクラブがあるということには、もはやツッコむまいッ!


「ワタルくん、あなたの噂はたくさん聞いているわ! あの魔王デウスやドラゴンを倒す程の実力を持っているんですってねェ!」


「ええ、まあそうですね……ッ!」


「それで、アタシずっと前からあなたに仕事を頼みたいと思っていたのよ! 今日ようやく会うことができて、本当に嬉しいわ!」


 それを聞いて、ワタルはとたんに悪寒がしたッ!


「……す、すみませんが俺はまだ未成年ですッ! ホストとして働く気はありませんッ! お断りしますッ!」


 きっぱりと言い放つワタルッ! しかしシーモアはキョトンとした顔で


「あら、何を言ってるの? まさか、あなたにホストをさせるわけないじゃな~~~い!」


と返した!


「エッ!?!? じゃあなんなんですッ!?!?」


「警備員よ、警備員! ホストクラブって時々ガラの悪い人が入ってくるから、あなたに店の警備員を頼みたいのよ!」


「ああ……な、なるほど……ッ!」


 ワタルは、ホッと胸をなでおろした!


「とりあえず明日、昼間のうちにアタシのお店に来てちょうだい! 仕事内容について詳しく説明したいから!」


「エッ、まだやるとは言ってないんですがッッ!!」


 しかし聞く耳を持たないシーモア!


「はい、これお店の地図よ! 繁華街の中心にあるお店だから、すぐに見つかると思うわ! よろしくね!」


 そう言いながら彼(あるいは彼女)はスーツの内ポケットから紙切れを取り出し、ワタルに無理矢理手渡したッ!


「それじゃあまた明日ね~~~!」


 そして足早に去っていくシーモアッ!


「ちょ、ちょっと待ってくださいよッッッ!!!」


 紙切れを持ったワタルは、呆然としながらその場に立ち尽くすのであった……ッ!











 というわけで翌日ッ! ワタルはシーモアに言われた通りホストクラブ“ホワイトローズ”へとやってきたというわけだッ!


「お邪魔しまーーーすッッッ!!!」


 大声で挨拶をしながら中に入ると、そこはまさに別世界!


 大人びた雰囲気の薄暗い照明が店内を照らし! 上品なアロマの香りが鼻孔をくすぐる!


 広々とした店の中にはソファーに囲まれたテーブル席が複数立ち並んでおり、ホストクラブと言うよりかはBarのようだッ!


「あらいらっしゃ~~~い、来てくれたのね! 嬉しいわ!」


 手前のテーブル席に座っていたシーモアは、ワタルを見るなり立ち上がって笑顔を見せた!


「それじゃあ約束通り、警備員の仕事をしてもらうわね! ……と言いたいところだけど……」


 すると彼(彼女)は、一変して表情を曇らせるッ!


「武ッ! どうかしたんですかッ?」


「実はね……うちに所属しているホストが全員、辞めてしまったの……これじゃホストクラブとしてやっていけないわ……」


 驚愕の急展開ッ! それを聞いたワタルは唖然としたッ!


「ほ、ホストが全員辞めたッ!? それは一体どういうことですッッ!?!?」


「正確に言うと“全員引き抜かれた”ね……ハァ……」


 シーモアは深くため息をつくと、憂鬱な表情で話を続ける!


「実は先月、うちの店の向かいに新しいホストクラブができたの。そこの店のオーナーはかなりのやり手らしくて、巧みな宣伝とコネを利用して瞬く間に人気ホストクラブへとのし上がっていったわ。更にそうやって稼いだお金で、昨日の夜アタシの店に所属していたホストを全員引き抜いていったのよ……」


 ワタルは、激怒したッッ!!


「なんという卑劣なやり口ッ!」


「怒っても仕方ないわ、ワタル君。もうこのお店は閉めるしかないのよ……」


「クッ……そ、そうですか……ッ!」


 残念だが、仕方のないことだッ! 未成年であるワタルには、夜の大人の世界など分からないッ!


 故に、このホストクラブを助けることもできないッッ!!


 ――と、その時ッ!


 シーモアがハッと顔を上げた!


「……そうよ……あなたがいるじゃない!」


「……エッ!?」


「あなたがホストとしてここで働けばいいのよ!」


「ちょっと待ってくださいッ! 俺は未成年ですッッ!!」


 必死に首を横に振って抗議するワタルッ! しかしッ!


「心配いらないわ! 別にお酒は飲まなくていいの! お客様と楽しくお話しをして、相手を喜ばせればいいのよ!」


「いやいやいや、そんな簡単にいくわけがないじゃないですかッ!」


 そもそも、ワタルは女性と話すのがあまり得意ではないッッ!!


「大丈夫大丈夫! 基礎的なやり方はアタシが一からちゃ~~~んと教えてあげるから!」


 シーモアはそう言ってウィンクをしたッ!


「嫌ですッ! 絶ッッッ対に嫌ですッ! 俺はホストになんか向いていませんッ! だからやりませんッッッ!!!」


 次回、「変身!ワタル、ホストになるッ!」に続くッッッ!!!

・参考文献

[1]ファンタジー作品におけるホストクラブの定義……異世界転生出版

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