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第114話 「リベリオンvsクリフ!リベリオン、圧勝ッ!」

 前回までのあらすじ! ウィンド大陸中にその名をとどろかせる最強の暗殺一家、邪道院家! その現当主である邪道院 邪々丸じゃどういんじゃじゃまるは、ジョーの必殺拳“毒手”を完全に攻略! そして強烈な右アッパーでジョーを空に打ち上げたのであった! 一方その頃、リベリオン対クリフの戦いも佳境を迎えようとしていた……!











「うおぉぉぉぉ!!!」


 中段跳び膝蹴り、上段回し蹴り、下段回し蹴りッッッ!!!


 猛烈なスピードでリベリオンに数々の蹴り技を仕掛けてくるクリフッ! 負傷しているため右手を使うことはできないが、華麗なキックの連打で彼女を追い詰めるッ!


「くっ……!」


 リベリオン、防戦一方! 片手剣を構えて相手の蹴りをいなすが、クリフの勢いは止まらないッ!


「ふんっ!」


 クリフは勢いをつけてジャンプすると、リベリオンの腹目がけて飛び蹴りを放ったッ!


「!?」


 反応が追い付かずまともにくらってしまうリベリオンッ! そして彼女は後方に吹き飛ばされ、地面を転がったッ!


「フハハハハ! どうだ、参ったか!」


 右手からダラダラと血を流しながら、勝ち誇ったように高笑いをするクリフ!


「……!」


 リベリオンは無言で立ち上がり、鋭いまなざしで敵を睨み付けたッ!


「諦めろ、リベリオン! お前の負けだ! 所詮お前は……ワタルを守護(まも)れずに死んでいく、無様な“敗北者(はいぼくしゃ)”なんだよぉ!」


 その言葉を聞いて怒りをあらわにするリベリオン!


「“敗北者(はいぼくしゃ)”、だと……?」


「そうだ! 敗北者だ!」


「それは……どうかな!」


 すると彼女は、右手に持っていた片手剣をおもむろに投げ捨てたッ!


「? なんだ、何がしたい……?」


 彼女の行動がまったく理解できないクリフ!


 そしてリベリオンは大地を蹴り、ダッシュした! しかし、向かう先はクリフではない!


 彼が先程地面に落とした、大剣(ダークネス・ドラゴン・ブレイド、略してD・D・B)のある方であるッ!


「!? まさかお前、俺の武器を!?」


 彼女の考えに気付いたクリフッ! だが時すでに遅しであるッ!


 リベリオンは地面に落ちていた大剣(D・D・B)を拾い上げると、両腕で構えたッ! そして勢いよく振り上げながらクリフに迫っていくッ!


「うおおぉぉ!!」


「くっ!」


 クリフ、絶体絶命のピンチッ!


 片手剣の2倍のリーチを誇る大剣(D・D・B)の攻撃をガードするなど、腕を負傷している今の彼には不可能ッ!


 圧倒的不可能ッ!


 そしてッ!






 ズバァァァアアッッッ!!!






「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 大剣(D・D・B)の斬撃が、クリフの胸を深く斬り付けたッ!


 そして彼は、胸から大量の鮮血を吹き出しながら地面に両膝をつく!


「ま、まさか……まさか俺の武器を奪って攻撃してくるとは……! 一生の不覚……!」


 がっくりとうなだれ、クリフはさらに言葉を続けたッ!


「さあ……とどめを……させ……俺に……とどめを……」


 これは試合ではない! 殺し合いだッ! 故に、勝者は敗者の生殺与奪の権利を得るッ!


 さあ、どうするリベリオンッ!


「……………………………………………………」


 するとリベリオンは、手に持っていた大剣(D・D・B)をゆっくりと地面に置いたッ!


 この行為は剣士にとって――“とどめは刺さない”ということを意味するッ!


「何故だ……何故とどめを刺さない……?」


 クリフは、胸から血を滴らせながら聞いたッ!


 するとリベリオンが、晴れ渡る青空を見上げながら唐突に自分語りを始めるッ!


「かつて、私がまだ魔王デウスの元で四天王として活動していた時……私はワタルと闘い、見事に負けた。それも、たったの1話で」


 第4話参照ッ!


「まさか、あんなにあっさり倒されるとは思っていなかった。私は四天王なんだから、最低でも3話ぐらいかけてじっくり戦闘するだろうと考えていたんだ。だけどあいつは……ワタルは、たった1話で私を倒した。“最初の四天王と闘う”という、物語においてかなり重要になるであろうエピソードを1話で消化したんだ……いややっぱりおかしいよな、第3話のラストであれだけ強キャラっぽく登場したのに次の第4話で倒されるって……」


 そこで一旦間を置き、ゆっくりと深呼吸をしてから話を続ける!


「そして倒された時、私はあいつに殺される覚悟があった。だけど、あいつは私を殺さなかった。それどころか、私が女だと分かった途端に頭を下げて“殴ってすまなかった”と言ったんだ」


 忘れている読者の皆様のために説明しておくが、リベリオンがワタルと闘った時、彼女は骸骨のまがまがしい兜をかぶっていた! そのため、当初ワタルはリベリオンのことを男だと勘違いしていたのだッ!


「私は、ワタルのように高潔な人間になりたい。だから、クリフ……お前のことも、殺さない」


「……ふん……甘ったれた……奴、だ……」


 そう言ってクリフは、ドサリと地面に倒れた! どうやら気絶したようである!


「なんとでも言え……」


 こうして、リベリオンとクリフの戦いは終結したッッッ!!!











 一方その頃、肝心のワタルはというとッ!


「おーーーい、アリアーーーッッッ!!!」


 アリアを探して、スカイ王国の郊外にある草原まで足を踏み入れていたッ!


(どこなんだ、アリアッ! 一体どこまで連れていかれたんだッ!)


 ワタルがそんなことを考えていた、まさにその時ッ!


「ワタルさーん! 私はここでーす!」


 アリアの声が、聞こえたッッッ!!! 圧倒的聞こえたッッッ!!!


「武ッッ!?」


 慌てて声のした方向を向くワタルッ!


 そして彼は、草原のど真ん中で正座しているアリアを発見したッ!


「アリアッッッ!!! 無事かッッッ!!!???」


「は、はい! なんとか! でも動けません!!」


「何ッ!?」


 そう! 現在アリアは手足を縄で縛られているため、正座の状態から動くことができないのだッ!


「よし分かったッ! 今そっちに行って縄をほどいてやるッ!」


 そう言って走り出そうとするワタルッ!


 しかしアリアがそれを止めたッ!


「駄目ですワタルさん! 透明人間が、私の近くにいます! 近付かないで!」


「!?」


 ワタルはピタリと足を止めたッ! 冷や汗が彼の頬を滴り落ちるッ!


(こいつ……アリアを囮に……ッ!)


 次回、「緊迫!ワタルvs透明人間ッ!」に続くッッッ!!!

・参考文献

[1]ファンタジー作品おなじみの“四天王”あるある……異世界転生出版

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