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第110話 「ここで助っ人!リベリオン乱入ッ!」

 前回までのあらすじ! ジョーと熾烈な闘いを繰り広げるワタルの前に乱入してきたのは、2人目の三拳聖・クリフであった! 全長2メートルにも及ぶ分厚い大剣を振り回してくるクリフと、“硬手”に毒エンチャントの魔法を組み合わせた技“毒手”を使ってくるジョーの2人を相手に苦戦するワタル! 果たして、彼の運命や如何に!











「さあて、行くぜ……!」


 そう言いながら、全長2メートルの大剣“ダークネス・ドラゴン・ブレイド(略してD・D・B)”を構えるクリフッ!


 そして一気に地面を蹴り、ワタルに肉薄してきたッ!


「グ……ッッ!!」


 ワタル、一世一代の大ピンチッ! ジョーの必殺拳“毒手”によってワタルの左腕は今毒におかされており、動かすことができないッ!


 すると彼は左腕をだらりと力なくぶら下げたまま、右腕を前に突き出したッ! さらに手のひらを大きく広げ、向かってくるクリフに向けるッ!


 あ、あの構えはッ! 間違いない、あれは明治時代の長崎で生み出された空手の技、“出島流隻腕拳でじまりゅうせきわんけん”の構えであるッッッ!!!


(※出島流隻腕拳でじまりゅうせきわんけん……明治時代、長崎県の出島にあった空手道場で編み出された空手の技。激しい戦闘の中で片腕を負傷し使えなくなってしまう、ということは当然少なくないので、「そういった状況下でも闘えるように」という考えの元生み出された。使える方の腕を相手に向け、威圧するように手のひらを広げる構えが特徴的。この構えから、敵の動きに合わせて様々な攻撃に派生させることができる)


「ふん、そんなこけおどしを!」


 クリフは叫びながら大剣(D・D・B)を振り上げ、ワタルの顔面目がけて勢いよく振り下ろしたッ!


 だがッッッ!!!


「武ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」






 シュパァァァーーーンッッッ!!!






 な、なんということだッ! 前に突き出した右腕を素早く横に動かし、クリフの大剣を――弾いたッッ!!


 いや、“いなした”という表現の方が的確かも知れないッ!


「なに!?」


 大きく軌道が逸れたクリフの大剣(D・D・B)は、ワタルの数センチ右の地面に勢いよく突き刺さったッ!


「破ッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」


 さらにワタルは、クリフのわき腹に蹴りをお見舞いするッ!


「ぐはっ!」


 その攻撃をもろに食らった彼は、勢いよく吹き飛ばされたッ!


 しかし、安心するのはまだ早いッ!


 今度は背後から、紫のオーラに包まれた右手を振り上げながらジョーが迫っているッ!


「クソ……ッ!」


 流石のワタルも、これには反応が遅れたッ!


 そしてジョーの拳がワタルの背中に直撃しようとした、まさにその時ッ!






 ガキィィィンッッッ!!!






「……!?」


「お、お前はッッッ!!!」


「待たせたな!」


 そこにいたのは――そう、リベリオン!


 突如ワタルとジョーの間に割って入ったリベリオンが、ジョーの毒手による攻撃を剣で防いだのだッ!


 この意外な人物の乱入には、読者の皆様も驚きが隠せないッ! そもそも今回のエピソードのタイトルからして、この展開になることは分かり切っていたような気もするッッ!! が――そんなことは、今はどうだっていいのだッッッ!!!


「お前は……リベリオンか?」


 ジョーは、いぶかしむようにそう言いながら後ろにさがった!


「かつてデウスの元で四天王として活動しておきながら、ワタルに敗れデウスを裏切ったと聞いているが……まさか本当だったとはな」


「まあ、否定する気はない」


 リベリオンはそう返しながら、剣を油断なく構える!


「……というか、なぜここが分かったんだッ?」


 ワタルが聞くと、リベリオンはあきれたような顔で


「早朝の街中でこれだけ騒がしく暴れたんだ。気が付かないはずがないだろう」


と答えたッ!


「なるほどなッッ!!」


 ワタル、納得ッ! 圧倒的納得ッッ!!


「それと、助っ人は私だけではないぞ!」


「え、そうなのかッッ??」


 すると遠くの路地から、白いワンピースに身を包んだ1人の女の子が、スケボーに乗って颯爽とやってきたッ!


 そう、アリアであるッ!


 そして彼女は巧みなスケボーさばきで、ワタルの横にぴたりと止まったッ!


「お待たせしました、ワタルさん!」


「おおッ! 異世界にもスケボーってあったんだなッ!」


 意外な事実である!


 すると彼女はおもむろに、ワタルの左腕に触れたッ!


「な、何をするんだッ!?」


 いきなり異性に腕を触られ、思わず赤面するワタルッ!


「心配しないでください! 治します!」


 そしてアリアは両手を緑色に光らせ、彼の左腕をゆっくりと撫でまわしたッ!


「おお……これは……ッッ!!」


 数秒後ッ! ワタルの左腕を支配していた毒は完全に消え失せ、自由に動かせるようになったッッ!!


 復活ッ! 伊藤ワタルの左腕、完全復活ッッ!!


「凄いなアリアッ! お前の回復魔法、毒も消せるのかッ!」


「はい!」


 その時、一部始終を眺めていたジョーが、アリアのことを睨み付けながら口を開いた!


「アリア、か……まさか俺の“毒手”の毒まで回復してしまうとは、大した能力者だ。少し厄介だな……」


 次回、「さらなる乱入者!混戦、極まるッ!」に続くッッッ!!!

・参考文献

[1]長崎発祥の空手技一覧……異世界転生出版


[2]スケボーの歴史……異世界転生出版

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