クリスマスの夜に(2)
真夜中。 みゆきはふと目を覚ました。どうやらのどが渇いてしまったらしい。彼女は水を飲むためにベッドから抜け出した。夜中に目を覚ますことなど、ほとんどないのだが、この時だけは目が覚めてしまったのだ。 彼女は眠い目をこすりながら、今がクリスマスの夜であることを思い出した。 本当にクリスマスであるとしたら、サンタクロースがトナイカに乗っている時間かな。
廊下の窓は全て雨戸が閉まっていて、外を眺めることはできない。みゆきもサンタクロースを見ようと思うほど、もう子供でもなかったが、あまり起きたことのない夜は静かすぎて、秘密めいた何かが辺りに漂っているような気がした。夜のひんやりとした冷気が、みゆきの頬をなでていく。
外を見たい。
みゆきは物置になっている小部屋を思い出した。彼女の部屋と同じ二階にもう一つ部屋がある。突き当たりの一番隅の部屋だ。四畳ぐらいの小さな部屋だが、誰も使っていないので、今は物置部屋として使われていた。 そこの部屋だけは、いつも雨戸が閉め忘れられているのをみゆきは知っていた。
彼女は下に行く階段を下りずに、くるりと方向転換してその部屋に向かった。そうして彼女は、その部屋の扉をそっと開けてみた。
部屋は窓から射しこんでくる冷たい白い光でいっぱいだった。中は雑然としていた。みゆきが小さな子供の頃に使ったおもちゃや、壊れてしまった扇風機、何が入っているか分からないダンボールに、山のように積みあげられた本や雑誌など、いろいろと置かれていた。確かに物は溢れてはいたが、がらんとしていて寒々しかった。




