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中編

本日2話目

 そんなこんなで現在8歳になっている。え? 早いって? 私としては遅々として進まなかったけど。

 3歳位までハロルドと侍女相手に話す練習ばっかりだったし、その後は現王である祖父と母、王太子妃にお願いしに行った位だ。


 一つ 側室の子は今後3歳になったら、王太子妃に子供を預ける事。


 一つ お母様は、子供を預かるに辺り公平に愛情表現をする事。具体的には、愛しているとか大好き、上手とかだ。


 一つ 私が6歳になったら慈善活動を1つやらせて欲しい。


 何故こんな事を言ったか、というと、現在側室には注意しまくって怯えられているが、側室はゲーム内の王子達の性格を作るのに力を貸してしまった元凶の1人だ。

 プライドが変に高く傲慢で、散財家、更には権力欲が強い。そのせいか子供は甘やかす。その結果第一王子は、王位に就けると思ってしまうし、第二王女(妹)はテンプレ悪役令嬢になってしまう。あの可愛い弟妹をそんな阿呆にはしないわ。


 次に母王太子妃。元々東の隣国エルティアの王女で感情を口に出して言うのが苦手なのだ。

 それを子供たち(ゲーム内)は斜め下方向に解釈して、口に出さずとも全てやって貰えると思ってしまう。恐らくこれがゲーム内に占族が登場して来なかった理由だろう。馬鹿すぎる、と。


 最後に慈善活動。私は孤児院などの訪問を考えている。

 この国は資源豊富な肥沃な地だ、それ故戦争になる事も多いが、北の山脈を境にしている、北の隣国シュッティルト帝国の抑えの要所なのだ。

 シュッティルト帝国はこの大陸最大国土を誇る大国で軍事国家、隣国のエルティアと、南部諸国とで同盟を組み何とか堪えているのが現状である。

 ロデイン王国とて大国と言って過言ではないが、シュッティルト帝国には負けてしまう。

 何故今国家間問題を言ったかと言うと、シュッティルト帝国が内乱秒読み寸前だからだ。難民が出て賑わうのはスラム、今の内にスラムを掃除していかないと何が入って来るか分からない。具体的には間者とかだ。

 そこで目を付けたのが慈善活動と孤児院だ。特定の広場での炊き出しではなく、孤児院に炊き出しを移動し人員を募り給金を出す。孤児院の改築&増築をし、募集をする事でスラムの子供を減らし、孤児院の方も監査の強化を図る。これを意見書に書きお爺様に提出した結果物凄く褒められた。同意見の様で何よりです。現状王女として打てる最善手なのだ。

 

 Q1 孤児院の教員、または院長はだれか?

 A ロデイン王国の選んだ人間


 Q2 孤児院のお手伝いさんは?

 A 未亡人やスラムの大人。もちろん給金などを払い、経済を活性化させる。


 Q3 訪問する王女には何が付けられますか?

 A 大勢の護衛。毎回人が違ってもいいよね。その中に監査の人間が混ざっていても問題はないはず。


 ま、こんな感じで行動を開始しした。

 最近王子の友人として城に上がって来た子供の中に、攻略対象者達が居たので、他の“友人”と一緒に変な鼻柱や甘い考えを修正しておいた。

 で、スラムの縮小に伴い孤児院が大きくなり、王都の治安が回復している。この2年の結果を見て貴族の中にも真似しだす者が増えている。

 

 そして現在孤児院の一つに訪問している。のだが、孤児院の子供に交じり服装だけなら平民、その他貴族のボンボンがお忍びで来ている感満載の銀髪美少年が居る。その銀髪は癖一つなく、子供にしては切れ長の瞳は黄金。その双眸が私を睨んでいた。


 私の1つ年上のゲームの隠しキャラだ。


 というか、後ろにいるハロルドそっくりの占族居る時点で元スラム街の子の訳がない


(そんな目で普通の令嬢を見たら泣かれますわよ)


 にっこり微笑んでおく、その際向けた目元は細めるだけ。

 私を試していらっしゃるのでしょう? どうぞご存分に。


 処で、シュッティルト帝国の第一皇子にして皇太子になったばかりの病弱で、寝込んでいるはずのユーリッヒ・ラインハルト・シュッティルト皇太子殿下が何故に連絡もなく隣国の孤児院に紛れ込んでいるのでしょう。

 問題が起きたら診断書とセットで、帝国大使館に放り込みますわよ! どう動くか楽しみですわ。ハロルド、そこで顔を引き攣らせている占族と込みで見張っていなさい。護衛ではなく、見・張・り・でしてよ。

 こう一気に心の中で捲し立てると、一気に心が落ち着く。ハロルドも蟀谷を、抑えつつも一礼して来るので大丈夫でしょう。必要なら何か言って来るでしょうし。彼らの事は孤児院から帰る時に考えましょう。

 ……内乱寸前の帝国に居るよりは、と思うのは勝手ですけど病弱設定なら、気候の安定している我が国に療養で良いでしょうに、まったく。

 その後孤児院で、食事と洗濯物を手伝うと、2人を連れて王城へと戻った。


 城に戻り、まず父に面会を求めた。


「今日はどうしたんだい?」


「今日は猫を拾いましたの。銀の毛並みに黄金の瞳の、北の血を引く血統の良い猫です」


「ほぅ。その猫は病弱ではないのかね」


「聞いた話より健康そうですわ、そうお爺様にお伝え下さい」


「ああ、私から言っておこう」



 その後どう転んだのか、私とユーリッヒ様の婚約が決まった。現在は内々の事で、私が学園を卒業するまでに実績を作るよう、お爺様に発破をかけられたそうです。

 病弱設定にしないと、何時暗殺されるか分からない相手に実績とは、内乱になっても勝てという事ですね。しかも、私が学園を卒業するまでに。

 10歳に満たない子供に容赦がない、さすが腹黒狸王と言われるだけあります。


 帝国と我が国を往復するようになったユーリッヒは(呼び捨てにするように言われた)、除々に自身の派閥を大きくし、情報を探るようになった。


 私が12歳の時お爺様が退位し、お父様が王位に就かれた。その記念式典にもユーリッヒが来て、巷では私達が婚約するのでは? と囁かれている。

 丁度この頃2人目の占族を雇った。流石に12歳にもなった淑女が、四六時中占族とはいえ、男性のハロルドと一緒に居るのは憚られる。

 ハロルドに女性の占族を紹介してもらい契約した。名前をエリアと言う、エリアは占族のハーフという事だが、能力は高い。占族が2人に増えた事もあり、これまで手出しを控えていたヒロイン、リアナ・シリテ子爵令嬢にも手を伸ばした。前世の記憶持ちとかではなく、普通の小貴族の娘の様だ。心優しく、穏やかに暮らしているようで心を撫で下ろした。


 15歳になり学園に主席入学を果たすと。前後してユーリッヒが帝国で内乱を起こそうとしていた者達を粛清していった。その粛清は厳しく、今ではユーリッヒを皇太子として認めぬ者はいない。


 学園ではなぜかリアナ嬢の兄、アルフ・シリテが弟子入りして来た。面白いし、努力家で粘り強いので了承した。この件に付いて弟の友人が気の毒そうな顔をしていた、失礼しちゃうわ。

 まぁ、そんなこんなで私が学園を主席、アルフが次席卒業するころ、ユーリッヒと私の婚約が発表され、私とユーリッヒの仲でヤキモキしていた連中を納得させた。妹曰く「お姉様達の様になりたいですわ」だそうだ。そんなにピンクな空気を出していただろうか、照れるわね。


後1話


修正

0214

具体的、慈善活動に直しました。

0719

発票→発表

0727

王妃→王太子妃

段落調整など

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