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前編

中編にと連絡がありましたので、中編にしました。これ以上手を加えるには、スキルアップが必要そうです。

 人とすれ違いざま、ドンっと腹部に激痛が走る。視線の先には街灯の光に反射する赤みを帯びた金属の光。


(刺されたままの方が出血しないんだっけ……)


 この状態でも普通に動く脳に私は吃驚する。


「ゴホッ……ヒュッ」


 痛いという思いに霞がかかっていく。

 ―――ああ、こんなあっさり死ぬのなら、もっとはっちゃけておくんだった。




 私がロデイン王国王太子の第一子、王孫第一王女ヴェロニカ・ローズ・ロデインに転生して早2年と少し、父の側室が産み月を迎えた。


「はろるど、おとうさまはこどものなまえをおきめになられたかしら?」


 この世界言葉で話すが、まだまだ舌っ足らずだ。まだ2歳だから仕方がないとはいえ、成人した記憶があると苛立つ。

 世界観は中世ヨーロッパ風の世界で、男尊女卑の風合いがする。魔法が有り、かつ女性の方が魔法に適正が高い! などというご都合主義はなく、基本男性優先である。直系男子に恵まれないかぎり、女性が頭首の座に就く事はない。頭首――私の場合は女王――に就きたくて弟が居ると……、という訳ではなく、単純に名前が知りたいのだ、名前が。大事な事なので2回言った。


「御産まれになるのは王子殿下です。御名前はカーロン様となられるでしょう、マイレディー」


「あなたがわたくしをあるじあつかいすると、よけいめをつけられてしまうわ。きをつけてちょうだい」


「御心のままに」


 私の占族(センゾク)執事が優雅に腰を折る。

 占族とはこの世界の不思議種族で、人の心を読み過去を見、未来を読む。更に千里眼や透視まででき、肉体も強靭。しかし出生率は低く、今占族と名乗る種族の大半がハーフとクウォーターなのだそうだ。能力の強弱で物理的に観ている世界が違うと言われている。しかし、穏和な種族で、大事な存在や仲間に手出ししない限り牙を剥く事はない。この話をハロルドから聞いた時。


『そんな穏和な種族が世界各国の中枢で働く基盤を作る訳ないじゃない。しかも召し使いとか言ってるけど、誰を主にするかは占族次第、見張りの意味ではないの?』


 迂闊にも此方の言葉にも慣れて来ていた為、此方の言葉で考えてしまい、あっさり心を読まれた。

 心を読むには自身の知っている言葉でなくてはならない、その為世界中の語源を網羅しているそうだ。

 その後「心を読まれるのは嫌ですか?」という問いに『心を読むのは仕事でしょう? 私は楽で良いけど、寧ろ良く疲れないわね』そんな事を自棄になって思っていたら笑ったのだ。その笑顔は暖かく仮契約で数ヶ月過ごした中で初めて見た物だった。ついまじまじと見ていたら肉食獣が獲物を見つけた様な目で見つめられ、あっさり本契約が終わってしまった。私はイエスともノーとも言えず、ハロルドの誓約を聞いているだけだった。

 ついでとばかりに「通常でしたら本契約は早くとも、年齢が二桁に行ってからするのですが」と言われた時には、腹黒ドSが! と内心突っ込んだ、勿論日本語でだが。……同族嫌悪にならない様に気を付けようと思う。

 支配階級において占族との本契約を結ぶのは、大きなステータスになる。此方が主になるとはいえ主人を選ぶのは占族の方な為、ハロルドが仮契約でやって来た時、1歳半であった私は話題を提供しただけではなく目を付けられた、それを2歳で本契約を結んだとバレたら、厄介事が舞い込んで来るだろう。

 それより、問題はこれからだ。


「はろるど、じょうほうしゅうしゅうをおねがいします」



 側室方の弟である、ロデイン王国王孫第一王子カーロンが産まれた事により、この世界が【私の王子様を見つけましょう】という乙女ゲーム世界か類似した世界だと分かった。乙女ゲームだと弟3人妹1人居るはずなので、後3人産まれる予定だ。

 この度産まれた2歳年下の弟、側室の息子とはいえ男子第一子カーロン、その1年後に産まれる王妃方の同母弟男子第二子シュレイン、2人の王子をダブルメインヒーローとした乙女ゲームが【私の王子様を見つけましょう】という生暖かいゲームだ。

 設定では15~17歳の3年間を貴族の子息息女が中心に通う、全寮制国立アシュターク学園、という学園の内1年がゲームの舞台で、その1年間に亘る王位継承権をかけた茶番げ……ゲフンゲフン、ラブストーリーである。

 ヒロインは王子と恋愛をし、王子と自身を成長させて行く。そして成長した(選ばれた)王子が王太子になりヒロインと結ばれる。因みにどちらの王子も育てられていないバッドエンドに、私が王位に就くスチルがあった。物語の次期だけ見る分には良いかも知れないが、自分が在る国のトップが小娘独りの選択で選ばれたらどう思う? そんなトップに国を任せられますか? 私なら否だ。ましてや他国から見たらどう思うか、良い笑い者である。

 他の攻略対象者(バカコウホ)共々意識改正しなければ、この国は潰れかねない。というか、もし、あんなのが国の中枢を担う事になったら国が潰れる前にプチっと潰す。まあ、1人は他国なので自分でどうにかしてくれ。


 どうするにしても情報は必要なので、情報収集は必須だ。

 プレーしていた割りに辛辣? 乙女ゲーム本編は聞く専門(読書のBGMだった)でミニゲームだけやらされていた。私本人はRPGやストラテジーゲーム派でしたが何か? ただ親友が乙女ゲーム好きだっただけだ。あれ? R15以外にR18がどうのって言ってたような? まぁ、大まかな話の流れは変わるまい。

読んでいただきありがとうございます。誤字脱字等ありましたらご連絡下さい。


転生前の主人公と親友の立場に覚えがあります。私もRPGとか好きなんですよね。


もう一話今日中にいけるか?


訂正

0727

段落などを訂正

1029

党首→頭首


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