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記憶増設装置

作者: 鯣 肴

「では次のニュースです。

 著名な外科医スティーヴ氏と、大発明家マスダ氏によって、

 記憶増設の手術が初めて成功しました。」


「脳に電子データを書き込み、脳から記憶をコピーできることができる

 画期的な発明です。」


「USB端子の差込口が頭の表面に取り付けられており、

 そこにUSBメモリーを差し込むことでその機能を利用できます。」


「この装置によって、脳機能が最大2倍にまで増大すると推定されています。」


「非常に安全な手術で、施術時間は1時間。日帰りで行えるそうです。」


「先ほど、国会でこの手術の保険適応が決定しました。」


「以上でニュースを終わります。」



 このニュースが流れると、人々は病院に雪崩れ込み、我先にとその手術を受けた。

一年と経たず、全国民に記憶増設装置は行き渡った。



――――10年後――――



 戦争が起こった。過去数百年で最も大きな戦争が。



――――20年後――――


 戦争が終わった。当然その犠牲は大きいものだった。

その戦争では、多くの技術が失われており、その中には、USBメモリーの技術も含まれていた。


USBメモリーの寿命は約3年。記憶増設装置は役に立たなくなっていた。

それどころか、誰しもがそれに頼り切って脳を使わなくなっていたため、脳は大幅に衰えていた。


大人が、7歳児の子供ほどの知性しか持たなくなっていたのだった。

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