表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/7

捜索

 「おい、これあいつの斧じゃないか?」

 木こりを捜索に行った村人のひとりが川の前に落ちている錆びた斧を指さした。

「そのようだな。やはり自殺していたか…」

「しかし妙だな。そこまで生活が苦しかったわけでもなさそうだし、真面目で評判のいい男だったじゃないか。それが突然発狂して、しかも自ら命を絶つとは」

 別の男が首を振った。

「いやいや、人間心の中に何を抱えているかなんてわかったもんじゃないさ。村いちばん清楚で美人だと噂だった村長の娘も、どこぞのつまらん男と駆け落ちしたらしいじゃないか。」

「ああ、書置きだけ残してぱったりいなくなったってな。村長も気の毒だよ。たったひとりの娘を顔も知らない男にられちまってさ」

 村人たちは錆びた斧を持って村に帰って行く。田舎の小さな村で起こった事件は、人々の勝手気ままな想像で大いに茶の間をにぎわせ、尾ひれをくねらせながら遠のいていった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ