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果たし状はラブレターの前に!  4

ついに戦闘シーンに突入!

今回以降は普通の執筆ペースに戻ります。

図書室を出た佐和田杏梨は、中一の屋上へ向かう。ドアを開けるとそこには彼女の親友、サヤエンドウこと遠藤沙耶がいる。

「いよいよね杏梨。はいこれ」

手渡したバックの中にはARバイザーとグローブ。杏梨はそれをてきぱきと装着していく。

「また私のわがままにつき合わせちゃってごめん沙耶ちゃん」

「いいってことよ。それに勇気達がスコーピオン抜けるきっかけになった麻乃って子とはウチも戦いたかったし」

「そういえば麻乃の他に、もう一人来るって種子島君が」

「へぇ~どんな子?」

「よく分からないけど、確か銃剣使いとか言ってた気がする」

「ほぉう、銃剣、ねぇ」

アサルトライフルやサブマシンガンと違い、めったに戦場でみることができないレアスタイルに目を輝かせる

「接近戦でウチに勝てるかなぁ~」

「ははは、沙耶ちゃん接近銃撃戦強いもんね~」

武器の種類を差し引いても近距離の動きはすごい、勇気にも『速い』と伝えてあるが、ただの速さだと思ってるならきっと負ける。

「っというわけで、間違っても銃剣使いの方吹っ飛ばさないでよ!」

「わかった。でも間違えたらゴメン!」

「そん時は麻乃仕留めるの援護しなさいよ。まあ杏梨がそんなつまらないミスするわけないんだけど」

「気を付けるよ、って来たみたい」

ドアが開くと、そこには種子島勇気率いる五人のプレイヤーが。

「よーう待たせたなぁ勇気ィ!」

「ハーイ」杏梨も負けじと手を振る。


 屋上前の扉を開ける、夕焼けが綺麗な屋上には二人いる、一人はサヤエンドウ。もう一人、「ハーイ」とこちらに手を振ってくるのは…

「ああああ杏梨さん!」

読書部のもう一人の部員こと佐和田杏梨さん。いつもは苗字で呼んでいるのだが驚きのあまりつい名前で呼んでしまった。謝ろうかと思ったけど特に言ってこないのでなかったことにする。って問題はそこじゃない!

「さ、佐和田もARガンナーズやってたんだ…」

 僕の言おうとした事を圭太に取られてしまったが、つまりそういうこと。他のクラスか、もしくは他学年かと思っていた挑戦者がサヤエンドウだった時点で大いに驚いたのだが、ARGどころかFPSもやった事がなさそうな佐和田さんが隠れARGプレイヤーだったなんて…人は見かけによらないなぁ。

「勇気勇気?さっきから女の子ジーっと見つめて何やってんの?」

 不思議そうな麻乃と真田さん。言い訳と紹介を兼ねて説明しておくか。

「麻乃、真田さん、彼女が佐和田杏梨さん。」

「そうなの。いつも勇気が部活で世話になってるわね」

「真田光也。ARGのハンネはシデン。よろしく」

「よろしく、ふたりともあんまりFPSプレイヤーって感じしないわね」

 君がそれを言うか佐和田杏梨さん。

 ここで僕達もARバイザーを装着、サヤエンドウと佐和田さんの装備が見える。白地に昇り竜の学ランにウィンチェスターショットガンという時代錯誤の上に色々と間違った装備のサヤエンドウ。対した佐和田さんは服は装備していないらしく学校の制服姿だった。武器は…ルガーP08。ドイツ製の拳銃で命中精度が高い。余談だが9㍉パラべラム弾はこの銃の為に開発された弾丸だ。良いセレクトだと僕は思うけど…

「佐和田さんのメインウェポンは?」

 試合前にお互いの装備、特に銃の事を聞くのはNGだが、気になったのでつい聞いてしまった。

「えーっと私のメイン武器は拠点に置いてあるの。がさばるから」

 がさばる。という事は重機関銃の類なのだろうか?ますます意外だ。

「はいはいウチらの秘密兵器に余計な詮索しない!みんな知ってると思うけど一応ウチがルール説明しとくね。攻撃側、すなわち勇気達のチームはウチらが守ってる拠点を爆破出きれば勝ち。ウチら、と言っても杏梨とウチしかいないんだけどね…はそっちを全員倒すか制限時間まで拠点を守れれば勝ち」

「オッケーよ」「私も同じく」

「じゃあウチらの拠点は部室棟の一階の一番右だから。開始は五時五十分。いくわよ杏梨!」

「じゃあね~」

 敵チーム両名が拠点に向かって、こちらもブリーフィングに入る。ポジションに関してはさっきの提案に残りの二人も賛同してくれた。

「となると今度は侵攻ルートだよな、勇気マップ出して」

「もう出してる、ええっとここがあっちの拠点で、ここが現在地」

 みんなにも見えるようにしたマップに必要事項を書き込んでいく。

「おもなルートは二つ。廊下使って正面から攻めるか、上の階から階段で一気に接近するか」と正宗。

「一気に仕掛けられればそれでいいんだけど…俺が怖いのは佐和田のメイン武器だな…」

「圭太は何だと思う?」

「がさばるってのは嘘で、恐らく設置系の何かだろう。俺の読みでは重機関銃、それこそガトリングガンとか何かじゃないかと思うんだが…」

 侵攻ルート云々の時に会話に入れなかった女子二人も「あの砲身がグルグル回転するのでしょ!」「戊申戦争のアレか…厄介だな」とそれぞれにコメントしてくる。

「まあフェイントって可能性もあるし、一度両方のルートから仕掛けて何使ってるか確認しておこう、それからもう一回ここにもどって作戦会議。ってな案でいいかな?」

「俺はいいと思うぜ!」

「まぁ正宗がいいと思うなら俺も賛成だ。でメンバーはどう分ける?」

 ここが指揮官としての腕の見せ所。どうした物か…

「あーじゃあアタッカーとライフルマンが均等に分かれるっていうと…僕と正宗、真田さんと圭太この組み合わせで行こう」

「俺は承知した」

「りょーかい。はぁなんで真田さんとじゃないんだよ~」

 不服顔の正宗。アタッカーとライフルマン均等にって話聞いてなかったのかな。

「ええと、私は?」

 いけない。麻乃の事すっかり忘れてた。

「麻乃は…部室棟を狙える場所に陣取って監視。敵、特にサヤエンドウ見つけたら迷わず撃って」

「分かった」

『後三十秒で試合開始よー!』

「わかってる。そっちは?」

サヤエンドウから通信が入ったので僕が口元に手を当て応じる。これでグローブ内蔵のマイクが音声を拾ってあちらに届けるはず。

『言うまでもなく準備完了よ!』

「そう」

『試合開始まで5・4』

「3・2」皆まで言わすか。

『「1・ゼロッ!」』

 最後は同時に叫び僕たちはそれぞれのポジションへと駆ける。


 光也と圭太のチームは正面からの偵察を行う事を決めた。

「えーっと、友長圭太。メイン武器はAK47」

「真田光也、三八式に銃剣付けて使ってる」

 二人で話すのは初めてなのでなんとなく緊張してしまい、会話は自然と戦闘の事へと向かってしまう。

「さ、三八か…ぶっちゃけアサルトライフルでショットガンと戦うの大変だったから有難い」

「じゃあ敵とかち合ったら接近戦で戦う私をその銃…確かAKだっけ、で援護してくれ」

「お、おう」

「出来れば誤射も避けて欲しい」

「努力はするが何せ銃剣使いと組むのはおろか戦ったこともないからな…っ!真田さん!ストップ!」

「は、はい?」

「あれは…」廊下に張ってある細い線を確認「仕掛け線?となると…」その線の先に視線を移す。そこには対人地雷が。

「真田さん、下がってて」

 腰から大型ナイフを抜き、数歩下がりナイフを投擲し、仕掛け線を切断する。これで取りあえず爆発は防げる。

「なんてこった。佐和田は爆弾使いかよ…」

 銃剣使い以上のレアスキル持ちの存在に驚きつつも味方、すなわち勇気と正宗、麻乃に警告すべく通信を開く。

「こちら圭太、真田分隊。聞こえてるか勇気?」

『う、うん。どうしたの?』

「佐和田は爆―――」弾使いだと言い終わる前にさっきいた所の後ろで大爆発が起こり、光也と圭太の体力ゲージは一気に六割程削られる。さっき少し下がっていなかったら即死だった。

「おい勇気ッ!クソッ、通信が繋がらん」

 爆発時に取り落としたAKを慌てて拾い、勇気に通信を送るも爆発の影響か繋がらない。

「真田さん、三八に着剣しておいて!」

 自分もAKに初弾を送りつつ指示する。

「敵がバカじゃなけりゃ今の爆発音聞いて来る!」





誤字、脱字等、また批判でもいいので感想あったらお願いします。

銃器解説コーナー!

ルガーP08

第二次世界大戦の前あたりに作られたドイツの自動拳銃。トグル(装弾システムのような物)が尺取虫に見えることから、「尺取虫」のあだ名でも知られる。

ナチスの幹部が好んで使ったため、ナチスの銃というイメージがある。旧日本軍の将校も使ったことがあるという。

本文でも書いたが、9㍉パラべラム弾はこの銃の為に新規開発された弾丸である。9㍉パラべラム弾の別称が9㍉ルガーなのはそのため。

ガトリング砲

アメリカの医師が開発した、世界最初の機関砲。戊申戦争では佐賀藩や長岡藩が実戦で使ったという。光也の「戊辰戦争のアレ」とはそれを踏まえたうえでの発言。

このガトリング砲が、後の軽機関銃や短機関銃につながっていく。


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