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亡骸

きみが生きていなかったなら

死んでいたら 亡骸だったなら

周りなんてきっと構わず

きつくきつく抱きしめて

感情露わに 大声上げて泣き叫べるのに


「どうして何も言ってくれないの?」


絶対者に明確な愛を告げて

もしも嫌われてしまったら

疎まれてしまったら

鬱陶しいって 近づかないでって

言われてしまったら と思うと体が凍った


愛してた愛してた愛してた

ただぼくは人より少し臆病で

「好きだよ」としか 言えなかっただけで

誰よりきみを愛してたんだ

何度も何度も伝えようと 書いたメールは

同じ回数消去したから

信じてくれなくても いいけれど


「もう別れよ?

 あたしあなたといると疲れるのよ

 それにあたしのこと、

 そんなに好きじゃないんでしょ?」


否定の言葉が 喉元までせりあげてくる

何て言えばよかったんだ?


「……違うって、言ってくれないのね」


小さく、本当に小さく絶対者は呟いて

悔しそうに 寂しそうに

きゅうっと口の端を吊りあげ微笑んだ


「さよなら、……もう会わない」


何でなんだろう

最後もやっぱり 上手い言葉は言えなかった

何も言えなかったんだ

ただ嗚咽がこみ上げてくるだけで

声もなく涙が こぼれ落ちるだけで



きみが生きていなかったなら

死んでいたら 亡骸だったなら

周りなんてきっと構わず

額にやさしくキスしてから

首掻っ捌いて きみとの永遠を選ぶのに


「愛してたのに」って

「ずっと 言えなくてごめん」って

亡骸のきみ相手ならきっと 言えなかった言葉を

全部全部 吐き出せるのに


さよならぼくの絶対者

今まで傷つけて ごめん

しかして、絶対者は、どちらだ?

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