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おもちゃの世界
だいすきだったその人の
こめかみにくちびる押し当てて
トリガーに細い指をかけ
あたしはズドン!とあたらしい
世界開会の合図をする
ママレードのような声で
ハレルヤを歌う
フェルトでできた聖歌隊の
少年たちへ花束の代りに
髑髏の指輪をプレゼントする
「They are toys
They are toys」
みんなミニチュア
そうよおもちゃ
だから何をしたってかまわない
銀色の虫が羽化したような
安全ピンで縫いとめられた
白い手首のその先で
みずいろのネイルを煌めかせ
少女たちは写生しつづける
「They are dolls
They are dolls」
みんなミニチュア
そうよ人形
だからぼろぼろにしてもかまわない
あんなにすてきだったその人も
目を離したすきに
おもちゃに変身してしまって
あたらしい世界を信じなかったから
こわしてしまうしかなかったの
そうよ
あたらしい世界
あたらしい楽園!
女の謀略の限りをつくし
あたしはアダムの子どもを産むの
そうよ
安定剤のカクテル飲んで
脳味噌をぜんぶプディングにして
きれいなピストル高らかに
あたしは最後の神さまになるの
狂っているのは、彼女か、世界か。




