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弟子たちが見た最強の自由  作者: 楽しく面白く
最強の力と弟子たち
2/2

目覚めた最強と、旅立つ都市

目を開けた瞬間、見たこともない景色が広がっていた。

――そう、ここは異世界だ。


俺は森の中にいた。周りには川や、とてつもなく大きな木が立ち並び、しかも元いた世界には存在しなかった生物までもがいる。胸がドキドキしていた。初めて見る世界、夢にまで見ていた世界、もう最高だ!!


だが、さっきから体に違和感を感じていた。何かが体に流れているような……しかも周りには、見たこともないものが流れている。


だが俺は直感的に感じた。

――そう、これは魔力だ。魔力が流れている。


もう俺は大興奮した。早速魔法を使ってみようと、手を前にかざし、感覚で魔力を流してみる。すると手から魔力が流れ出し、集まり始めた。


「よし……動かしてみよう」


手を動かしたい方向へ向けると、魔力も同じ方向に動き出す。楽しい。さらに違うことを試してみようと思い、魔力を固めて小さな球体にした。ほんの数センチだ。それを目の前にめがけて思い切り投げてみた。


だが、それは想像を絶するものだった。

前方に見えていた木が消え去り、それどころかその奥にある山までもが、何キロにもわたって破壊されていたのだ。


「……え?」


混乱したが、すぐに納得した。

――そう俺は最強なのだ。強すぎるのだ。たった数センチの魔力の球体を投げただけでこうなる。


そこから俺は練習を重ね、自分で自由自在に魔力を操り、力加減もできるようになった。数日経たずして、完璧に力を制御できるようになったのだ。いや、その日のうちに制御できるようになった。

――そう俺は天才にまでなっていた。超天才、いやそれ以上だ。どこまで天才かって?いや、話が長くなりそうだから省略しよう。


残りの日々は、自分がどこまでできるか試す日々だった。しかも家まで作ってしまった。火や水なども操れるようになったため、生活もできる。


しかも、この体は食事も睡眠も不要らしい。風呂も魔法で体を浄化できるが、風呂は好きなので入った。

だが、寝るのは時間がもったいない。


旅に出ることを決めた。

ここには人がいない。ここは異世界だ。やはり人に会いたい。どんな人がいて、どんな種族がいるのか気になる。それに、食事はしなくてもいいが、美味しいものが食べたい。異世界の食べ物がどんなものかも気になる。


俺は空を飛んだ。そう、浮遊魔法を覚えたのだ。快適だ。歩くより早く景色も楽しめる。


出発して数時間経った。まだ人は見つからない。だが、あるものと遭遇してしまった。

――ワイバーンの群れだ。


初めて魔物を見た。今までは小さな鳥のような生物や、魔物かもしれない程度だったが、今回は本物の魔物だ。しかも襲ってきた。


「ついに来た!この瞬間を待っていた!」


俺は練習した魔法を試したかったのだ。森にいた頃は襲ってくる魔物に出会わなかった。

俺は手を刀のイメージにして横一直線にスパッと振った。するとワイバーンたちは血を流し、きれいな切断面ができていた。そう、俺は見えない刃でワイバーンたちを切ったのだ。


きれいに首だけ切れているものもいれば、羽だけ、足だけ切れているものもいる。一直線に切ったのでまだ生き残っているやつもいた。そこで何回か手を適当に振ると、ワイバーンたちはまたきれいに切断され、地面に落ちていった。ワイバーンたちは全滅した。


俺は襲ってくるやつには容赦しない。魔法も試せたので、また人探しを再開した。


数時間後、まだ見つからない。周囲は森だらけだ。

そこで思いついた――人を探索する魔法を使えばいい。今まで試したことはなかったが、すぐにやってみた。サーチ。


すると頭の中に情報が流れ込んできた。地形、魔物、人の気配……ついに人を見つけたのだ。

なぜ今まで思いつかなかったのだろう。まあいい。


しかし場所はかなり遠く、今の速度で飛んでも数日はかかる。そこで飛ぶスピードを上げ、人の気配がする場所へ向かった。すると、ものすごく大きな気配を感じた。


――なんとそこは、何万人もいる都市だったのだ。


やっと着いた。サーチを使わなければ、あと数日、いや当分の間見つけられなかっただろう。


都市に入ろうと思い近づいたが、まだこの世界の常識を知らないため、飛んで入ったら怪しまれると思い、地面から入り口を探した。

すると巨大な門を見つけた。そう、入り口だ。しかもそこには人の行列ができている。門番が怪しい者がいないかチェックしていた。


すると後ろから豪華な馬車が走ってきた。並ばずに門へ直行し、門番のチェックもなく通過していく。

――あれが貴族か。初めて目の前で見て、感動した。


「おい、お前早く来い」


前を見ると、俺の番が来ていた。やっと入れる。門番のチェックが始まる。


「どこから来た?」と聞かれ、俺は急いで嘘をついた。

「ここから遠い村から来た」


「何をしに来た?」

「都市に憧れて」――これは本当だ。


順調に進み、あと少しで入れる。門番が言った。

「よし、最後だ。初めての都市に入るには、二十銀貨ね」


……え?

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