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「あっ!」

僕は思わず声を上げた。

そこにいたのは日本人のような容姿をした男だった。

しかも、現代日本の社会人のようだった。

ショートの黒髪に眼鏡越しに見える黒茶の目。

鼻はそこまで高くなく口は比較的小さいかも知れない

170cmほどの背丈に青色のジャケットとスラックス。

青、白、グレーの入り混じったネクタイもしていた。

そして、茶色い革靴。

日本のビジネスマンを彷彿とさせる風貌だ。

いや、日本人に違いない。

どうやら、彼は僕に気付いたようで近づいてきた。

都会で歩いている営業のように大きな歩幅で歩いてきた。

「こんにちは」

彼は気弱な感じもしたが、優しい声をかけてきた。

「あっ、こっこんにちは……」

いきなり、来られてちょっと怖気づいたのか言葉が詰まったような感じで答えた。

「まさか、ここに人がいるとは……。

 前に調べたときは人がいなかったんですけど」

「えぇと、気づいたらここにいまして……。

 僕もなにがなんだかよくわからなくて」

「なるほど。

 でも、君がここにいるとちょっと困るんですよね。

 人がいない前提で私達は動いているので」

「動いているとは……」

「オイリス社の新工場をここに建設する予定ですので、今調査をして いるんですよね」

オイリス社?聞き馴染みがない言葉が出来きてちょっと疑問に思った。

字面からして、どこかの会社だと思うけど……。

「オイリス社?」

「ああ、そこの説明からですか。

 最近有名になってきたと思うんですけどね。

 オイリス社というのは簡単に言うと工業の会社ですよ。

 機械とか、製造とかそういう事業を行っていますね」

「?」

あれ?ここ、もしかして異世界じゃない?

中世ぐらいかと思ったら意外と先進的だったよ。

「まだ、ぽかんとしているようですね。

 とりあえず、新しいことをやっているという認識でいいですよ。

 説明してもわからないでしょうし」

「異世界したかと思ったのに……」

ぼそっと呟く。

きっと思ったことが漏れ出たのだろう。

「えっ!?異世界!」

彼は食いついてきた。

もしかして、この人も異世界人だったりするの!?

「もしかして、あなたも異世界人ですか!?」

やっぱそうだった。

その身なり、こういう異世界じゃ見ないしね。

「そっ、そうだけど……」

「すいません。取り乱しました。

 私がここに来てから異世界人を見かけたことはなかったので」

「そうなんだ」

「でも、あなたは見た感じここの人とそこまで変わらないようにみえますが……」

「それは僕もよくわからなくて。

 でも……」

それから、この人にこれまでの経緯を話した。

トラックに轢かれたことや気がついたら、少女になっていたことなど。言えることを言えるだけ言った。

「なるほど。話を聞いた感じ、異世界漫画みたいですね。

 あっ、申し遅れました。私はタナカといいます。」

「タナカさん、僕はこれからどうすれば……。

 なにをすればいいのかがわからなくて」

「私の所に来ますか?」

「えっ!いいの!?」

「はい。私は1人暮しですので人がいた方が楽しくなると思いますので」

「でも、ちょっと悪い気がするような」

「いえいえ、大丈夫ですよ。困っている人は助けるのが私のモットーですので」

「では……お言葉に甘えて」


タナカさんについて行くことにした。

少し怪しい気もするけど、右も左も分からないところで右往左往するよりは幾分ましだ。

タナカさんの仕事の邪魔にならないところでしばらく待機して終わると同時に彼のあとを追っ


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