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プレゼント

作者: 永遠の運命

「今日は何をプレゼントしようかな?」


陽助は考えている。彼女のプレゼントだ。


ブランドのカバンにしようかと思ったが予算は1万円なのでとてもじゃないけど買えない。


化粧品なら1万円以内で買えるし彼女も喜ぶと思って移動したのだが種類が多すぎてどれが良いのかが分からない。


陽助はファミレスでのご飯も30分掛かってしまう程の優柔不断なのだ。


化粧品コーナーでも1時間くらい同じ商品を睨み付けていたので店員さんにも白い目で見られた。


最悪彼女が喜んでくれたら予算はオーバーしても良いかなと思ったがプレゼントでそんなに高額なものをプレゼントするのもおかしいじゃないか?と思ってやっぱり予算で収まる何かを買おうと決めた。


「結局何が良いんだろう。ん?これは・・・。」


絹のマフラーだ。薄緑色のマフラーを手に取って綿あめのような肌触りで滑らか。これなら彼女喜びそうだな。しかし、1年前は手袋をプレゼントして、彼女はマフラーを貰って嫌な顔をするのではないかと思って一旦マフラーを入っていた籠に戻した。


しかし、今日は寒い。だからこそ彼女には温かい恰好で風邪をひかないように気を付けて欲しい。


「よし!決めた!すいません。このマフラーを下さい!」


陽助は元気な声で言った。余程自分で悩んでようやく買えたのが嬉しかったのだろう。


彼女のプレゼントともあってお洒落な紙袋にリボンを付けてもらった。


ルンルン気分で家に帰ろうとしたが少し立ち止まった。


「いや待てよ。もう一つ買って言ったら喜ぶんじゃないか?」


絹で作ったマフラーは7000円で購入したから残り3000円。さあ次は何を買う?


さっきよりも安いものしか買えなくなったがこれを考えるのもまた楽しい。


悩んで買った時の爽快感は高校球児のサヨナラホームランに匹敵する。


陽助はぬいぐるみコーナーに移動した。


彼女はクマさんのぬいぐるみを沢山集めている。


大きいものから小さいものまで、ベッドはそれによって埋まっている。


それぐらい好きなんだが、彼女は飽き性だ。


だから、家に帰った瞬間全部捨てている可能性も0ではない。


変化球としてうさちゃんのぬいぐるみを渡すのも一つの手だと思うが陽助にはその勇気はない。


仕方ない。女性の店員さんに聞いてどれが良いか聞くしかない。


「すいません。今彼女に渡すプレゼントを探しているんですけど、何を渡したら喜んでくれますかね?」


ちょっとだけ自信無さげの声で言った。すると店員さんは。


「こちらのワニのぬいぐるみが人気です!いかがでしょうか?素材にもこだわっているのですよ!」


え?彼女のプレゼントにワニのぬいぐるみ?しかも1mくらいあるほぼ等身大。


値段は5800円。余裕でオーバー。


仕方ない。これが人気あるんだからこれを買って喜んでくれるんだったら買おうではないか。


「店員さん。このワニのぬいぐるみ下さい。」


ワニのぬいぐるみは大きいので帰る途中で子供たちに何度もチラ見された。


凄く恥ずかしかったけれどようやく彼女と一緒に過ごしているマンションへと向かった。


ドアを開けると彼女はソファーに座ってテレビを見ている。


「優子ちゃん誕生日おめでとう。これプレゼント!」


そういうと優子はプレゼントを受け取り泣いて喜んでくれた。


ありがとうと言って陽助の胸に飛び込んだ。


やっぱり彼女の喜ぶ顔をみると嬉しいよね。


悩んで買ったかいがあったなと心底感じた。

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