第6話
ガチャ、とドアが開く音がし、お父様と共に綺麗になったレオが現れた。お父様に背中を押され、ベッドに近づいてきたレオをよく見るとこの間は無かったような細かい傷が増えていた。
「レオ!なんでまだ怪我治ってないの?ねえ大丈夫?」
「…うん」
「レオはこれからレティを守る魔法騎士を目指して行くことにして稽古していたんだよ。」
「まだこんなに小さいのに?」
「うるさい!小さくない!逃げてきてろくに飯も食えず栄養が足りてなかったんだよ!」
「…逃げてきた?」
初耳だ。どこから逃げてきたんだろう?
「レオ」
するとお父様がレオを制するように頭を上からぽん、と叩いた。
「ごめん、忘れて…それと…この間はごめん」
「ううん、いいの!それより今日からレオは私の弟なんだよね?たくさん遊ぼうね!」
本当に嬉しくて笑顔でまたレオの両手を握りしめる。レオの表情は困ったような、でもどこか嬉しそうななんとも言えない表情で少し照れてから握り返してきてくれた。
「…姉って感じしないけど。」
照れ臭そうにそう言っていたが、握り返してくれた手が嬉しくてそれ以上は何もいらなかった。
それから私と義弟のレオ、辺境伯のお父様の家族生活が始まった。
*****
それからというものの、レオは魔法騎士のために秘密裏に魔法の練習、騎士になるためにお父様の兵団の部下たちと共に鍛えていた。
「ねえレオ、終わった?」
そんな私はいつも終わる時間に兵団の特訓場にきていた。そんな私を見るたび他の兵士さんは私に一礼した後、汗を拭きながらよかったな〜レオと言いながらニヤニヤしていた。
「いいな〜レオは!俺なんて彼女の一人も居ねえってのに!」
「いや〜でもお嬢様はレオの姉だろ?」
そんなことを笑いながら兵士さんたちが言ってるが目にもくれず汗を拭きながら近づいてくる。
「はあ…毎日邪魔すんな」
「でも、弟になったのに全然遊んでくれないんだもん!」
「お前と遊ぶために引き取られたわけじゃない。」
屋敷に戻る道を歩くレオに私も後ろからついていく。