第4話
「そうなんだ。そしてその子供であるレティもやはりその血を受け継いでいた」
「?お母様の子だから…?」
「そうだよ。でも、妖精の国はないといわれているだろう?リュカももう血は薄くなっているし、レティもそんなに濃く受け継いでるはずはないと言っていたんだ。」
それからこう続ける。
「でも、リュカが亡くなった後、レティが大きくなり、ある日言っただろう?『小さなお友達が見える』って。それは代々妖精の国の子が見える"妖精"の存在だったんだ。」
あのお友達は特に羽も生えていなかったけど、"妖精"なの?絵本で見る妖精とは随分違うので信じられなかった。
「妖精の国の末裔の血が流れていると知られたらみんなに狙われてしまう。」
「えっ?なんで?」
「……心が読むことができるし、見えない中でも攻撃ができるからだよ。」
レオの時もそうだったけど、その前にも度々あったのだ。"妖精"と呼ばれる小さいお友達がレオの名前を教えてくれたり、前はお父様を狙う刺客が侍女の中に紛れていることも教えてくれたことがある。
そして"妖精"は私には見えるが、お父様を含め他の人には見えない。そのため、私が妖精と心を交わし、傷つけろと命令すれば攻撃を加えることも可能だという。
小さな頭ではあまりにも情報過多で既に頭がパンクしそうだった。そんな状況を察してかお父様が大きな手で頭を撫でてくれる。
「そして、この間の涙…あれは妖精の涙と言われ、どんな願い事も叶えることができるんだ」
「どんな…願い事も?」
「あの時はきっとショックだったけどレオを傷つけないでほしいと思っただろう?
そのために光の妖精が集まり、光が2人を包み込み一瞬の隙をつくったんだ。時の妖精が未来を読んだんだろうね。」
妖精さんにも種類(この場合種族?)があるのね…。
「どうしてお父様は学者さんでもないのにそんなに詳しいの?」
「リュカが遺してくれたんだ。何かあるといけないって。」
そうして渡してくれたのは年季の入った本だった。古代語で書かれており、まだ習っていないため読むことができない。