第3話
特に私とレオを中心に光に包まれたため、あまりにも眩しく思わずレオが目を瞑った瞬間を逃さなかったお父様がすかさず手刀でレオを気絶させ、私を抱きしめた。
「お父様…レオはどうなる?レオはお友達なの…ひどいことしないで」
「うむ…」
お父様が悩むような声を出したのを聞いた瞬間、なぜかひどく疲れた私はそのまま眠るように意識を手放した。
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「ん…」
目を覚ますと、侍女のイリーナがちょうど私の汗を濡れた布で拭いているときだった。
驚いたイリーナが涙ぐみながら、お目覚めですか?と聞き、お父様を呼びに行った。
「レティ!大丈夫か?」
「けほっ…お父様…レオは…?」
駆け寄る父にまずそう聞いた。
「うむ…まずは食事だ。パパもここで食べるから。
それからお話をしよう。」
そう言い、私の頭を撫でたお父様はイリーナに重湯を持って来させた。
お父様の話によると、私は2日も寝込んでいたらしい。そこまで疲れるような遊びもあの日はしていないし、レオのことはショックだったが正直知り合って間もなかったためそこまでショックだったかと言われれば違うような気がした。
「レオのことを話す前に…パパは…レティにお話していなかったことがあるんだ。聞いてくれるかい?」
「なあに?」
イリーナの手を借りて重湯を食べきった私はマグカップに入った水を飲みながら話の続きを聞く。
「実はね、レティのお母様…リュカは妖精の国の末裔…レティには難しいか…つまり子孫だったんだ。」
「えっ!?お母様が?」
妖精の国とは滅びた、そもそもなかったなどと学者の中でも議論がされている。その国の美しい自然や、心の澄んだ者しか国に辿り着けないなど逸話が残っており、この国の絵本の中でも伝説として描かれている。
ベッドサイドテーブルに置いてある、お母様がお父様と並んで赤ちゃんだった私を抱いている写真を思わず見る。そこには優しく微笑んだ優しいお母様の笑顔が浮かんでいた。