第15話
「レオ、落ち着きなさい。レティも、今日は部屋でゆっくり部屋に戻りなさい。後でパパの部屋にくるように。」
お父様は弟なのに告白をしたことに驚いた様子もなく、諭すようにレオと私を時間差で自室に呼び出した。それを受けて、私はイリーナと共に部屋に一度戻った。
落ち着くようにイリーナがいれてくれたカモミールティを飲む。
ホッとする…。今日は色々あったからなあ。ぼんやりしたいところだけど、レオとの話が終わったのかお父様に呼び出される。
***
ノックをし、お父様の書斎に入る。
「レティ、驚いたか?」
「そ、そりゃそうでしょう!」
「実はな…パパもレオからこの間聞いたんだ」
こめかみを抑えながら悩んだように口を開くお父様。
お父様の話によると、春休みにレオからわ、私が好きだと話があったようだ。出会った頃らへんから家族としてではなくずっと恋愛感情で好きだったらしい。お父様の口から聞いても顔が熱くなる。
「ただな、パパはレオだからと言って甘やかすつもりはない。」
「あ、甘やかす…?」
「そうだ。条件を二つ出した。」
その条件とは、一つ目はお父様より強くなり闘って勝つこと。二つ目は私が学園を卒業するまでにレオを好きになることらしい。
「レティには幸せになってもらいたい。本当はレオにこの家を継いでもらって、レティにはもっと安全な王都の家に嫁いでもらおうと思っていたが本音をいえばパパだってレティと別れたくないからな!その条件を二つクリアしたらと了承したんだ。」
お父様…少しレオの気持ちを利用していませんか?と思いつつ、口にはせずそのまま聞き続ける。
「だから…レティは何も気にしなくて自分の気持ちに正直に生きなさい。」
優しく微笑みながらお父様に頭を撫でられる。
「レオは…その…少し焦っているみたいでね、強引かもしれないけどレティを想う気持ちは誰よりも本物だと感じたよ。だからあまり怖がらずにいつものように接してやりなさい」
「でも私あんなに人から好意を向けられたの初めてで…これが恋だからなのか、ただ告白されて浮ついてるだけなのか…わかんない。」
「いや…それは初めてではないが…」
お父様が小さい声で髭を触りながら何かを言ったが聞き取れなかった。
「え?」
「と、とにかく、明日の不躾なフランクとやらは断ってレオのこと少しは考えてみなさい。」
その言葉に頷くと、おやすみかわいい私の天使といつものように額にキスをされとぼとぼと自室に戻るのであった。