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転職魔女、攻撃を受ける

 

「かはっ……」


 ガウェインの拳が私の鳩尾に入る。その拳の勢いで、私は大階段のところまで飛ばされてしまった。床に体を打ち付け、その場に倒れる。動こうとすると尋常ではないほど痛い。肋骨が5、6本折れたかもしれない。骨が内臓に刺さっていればもう助からないな、などと朦朧な意識の中で考える。


「おいっ! 大丈夫か!?」


「恐らく大丈夫では無いだろうな。即死では無いようだが、我がもう一度拳を放てば、彼女は今度こそ死んでしまうであろう。だが案ずるな。もう戦えぬ者にトドメを刺したりはせん! さあ、1体1だ、かかってこい!」


「そうか……では、本気で行く」


 あまりよく見えなかった。大広間の中央で戦っているのだ。私の視力は1.2程度、ぼやけてしか見えない。ただ、ナルーシャが気絶している魔族が持っていた剣を手に取り……ガウェインを斬った。それも真っ二つに。

 上半身と下半身が離れてしまったガウェインは大量の血を噴き出した。ナルーシャは剣に付着した血を払い、私の近くに来る。


「さあ、肩をかそう。急ごうか」


 私はナルーシャの肩を借り、激痛に耐えながらも大広間へ向かう。


「ナルーシャ、剣術も出来たのね」


「いや、あれは剣に色々な魔法を上乗せしただけだ。威力上昇、重力無効、速度倍加……しかし、かなりの魔法を使ってしまった。たとえ魔法を使用するのに魔力が必要なくとも、使い過ぎれば体が負荷に耐えられず消滅する。私はもう魔法を使えない。すまぬ、お前の傷も癒してやれない」


「良いよ。でも、それならどうやって魔王を倒そう……あっ、ナルーシャ、ちょっと待って!」


 私は足元に落ちている剣を手に取る。私とナルーシャの姿が剣に反射していた。


「護身用にね。しかも、いざとなればナルーシャみたいに剣をギューンってして……」


「止めておけ。その状態で魔法を使うと体が消滅するぞ。魔女も人間だ。魔力があっても死ぬ時は死ぬ」


 私達は王室へと繋がる階段、通称『頂上階段』の前につく。今までは序章、ここからが本当の闘いになる。私は気を引き締めて、頂上階段を登った。


 頂上階段を登り切ると、開かれたままの大きな扉がある。


「あら? 久しぶりね、レイカさん」


「げっ、レイカ!」


「ほう、ここに来たということはガウェインを倒したということだな? 片方はただの出来損ないでは無いようだ」


 そこに居たのは女勇者のカリン=シノハラ、ファルオード王国第3王子のヘイン=ファルオード、そして魔王と思われる者だった。


「あの男、魔王マグマ=モルドスだ。気をつけろ、体の魔力量からして今は弱っているらしいが、それでも中々の手練だ」


 魔王マグマ、その男だけ格が違う。ユイちゃんのようにオーラが見えなくても本能的に理解出来る。


「秘書は魔王城に置いて来たからな、戦える者は我しかおらんか。魔力も0に等しく、ちとやばい状況か? ん? いや、そうでも無かったようだな! 1人は瀕死で、もう1人も体はボロボロじゃ!」


「ま、魔王様? 私も勇者、必ず力になれます!」


 女勇者は魔王のことをかなり慕っているようだ。ここで2人で共闘されるとかなりきつい。なんて思っていたのも束の間──


「ガブッ……魔王……様、どうして……?」


 魔王は音もなく腕を突き出し、女勇者の胸を貫いた。


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