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転職魔女、傍観する

ブクマありがとうございます!

 

「なっ……ファーナ!?」


「久しぶり、サーニャ。あんたの上司さんのルーラー、あいつのせいで魔女様にも変なことしちゃったし、これだけ眠らされるし、散々よ。でも、今言ったことはサーニャが直接やった事じゃないし許してあげる。でもね……私の命の恩人を刺したってことは、覚悟出来てんだろうなァ!」


「残念だけど、あんたなんかに負けないですよー? 私、とっっっても強いですからーっ!」


 ファーナさんとサーニャは同時に地を蹴る。とんでもない跳躍力でとんでもない速度でとんでもない高さに辿り着く。

 ファーナさんは右手の拳をサーニャへと飛ばす。が、サーニャはスペアの剣を腰から取り出すと、ファーナさん目掛けて豪快に振り下ろす。


「我が拳に宿りし鋼の魔神よ、この皮膚を黒く輝きし鋼鉄の装甲に、塵の如き摩擦を紅く染まりし地獄の火花に、我が拳を何者も滅ぼせし破滅の凶拳に『爆ぜる鉄拳(ブラスト・ジューザ)』!」


 ファーナさんの拳が黒く染まる。黒拳の周囲には美しい火花が散り、拳のすぐ後方に紅光の光線が作られる。


「我が腕に宿りし光の精霊よ、この刃を光り瞬きし聖光の名刀に、我が屑の如し腕を光速の疾風神に、史上最強と呼ばれしア・メーンよ、我が剣を戦慄の聖剣に『光神の聖剣ア・メーン・レジエンス』!」


 今度はサーニャの剣が数倍大きくなり、眩しいほどに光る。サーニャがその剣を強く握ると段違いに加速して、こちらも剣のすぐ後方に白光の光線が作られる。


「「はあぁぁっ!」」



 高音の奇声と共に2人の拳と剣がぶつかり合う。キン! と金属音が鳴り響き、ファーナさんとサーニャはぶつけ合ったまま落下していく。その時。


 パキッ! パキパキパキパキッ……パリン!


 サーニャの剣に亀裂が走った。少しヒビが入れば簡単、ファーナさがはもう片方の黒拳をサーニャの剣に打ち付けると、剣は壊れて刃の破片が空中に飛び散った。

 サーニャは柄だけの剣を左斜め下に振り下ろすが、射程が無くなった剣では当然ファーナさんに当たらず、空を切る。


 そして、ファーナさんがトドメの一撃をと黒拳をサーニャの顔面目掛けて発射させた。


「ニヒッ!」


 サーニャが不気味な笑みを浮かべる。それと同時に、柄だけだった剣が元の状態に戻る。ファーナさんはそれに気づくが、構わず黒拳をサーニャへと伸ばす。サーニャも元に戻った剣を右斜め上──ファーナさんの首を目掛けて剣を振った。


 黒拳とサーニャの距離は僅か20センチメートル。今の黒拳の速度なら0.1秒で辿り着く距離。

 それに対しサーニャの剣とファーナさんの距離は40センチメートル、黒拳の距離の2倍。それに加え、速度も出ていない。速くても0.5秒はかかる。はずだった。


 サーニャの剣の速度が急激に上昇、光線はより太くなり、剣から爆発音のようなものが放たれる。

 剣は有り得ない速度で標的に向かい、予想を遥かに超える速さ──0.01秒で目的地に辿り着いてしまった。


「死ね♪」


 サーニャは実際には言葉を発していないだろう。第1そんな事を言えるほどの時間など無いのだ。しかし、何故か私には聴こえた。音符を乗せたような、明るく軽やかな声が。


「ファーナさん!!!!」


 私は届くはずも無い、間に合うはずも無い警告を力一杯叫んだ。


作中の中で質問等あれば、感想で気軽に言ってください!

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