転職魔女、本を見つける
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突然の出来事に沈黙が続いたが、やがて頭の中が疑問でいっぱいになった私はたまらず疑問を口にする。
「え、どういうこと? 私、何かしちゃった!?」
私は後ろで呆然と立ち尽くしている皆に問うが、誰も口を開かない。
私は気絶しているファーナさんの元へ駆け寄り、うつ伏せになった体を起こす。すると、ファーナさんの顔には何かの紋様があった。それに気づいた私は後ろの皆を呼ぶ。
「皆、コレ見て!」
こちらに来てファーナさんの顔の紋様を見たユイちゃんは、これは……と呟き、少し驚いた顔をする。
「これは魔法によって現れたものです。隠されし存在よ、我にその姿を示せ『魔力感知』!」
ユイちゃんは何かの魔法の詠唱をし終えると、近くの本棚から1冊の本を取り出した。
「ファーナさんはきっと、この本を読んでしまったのです」
「ユイさん、どういうことですか?」
ユイちゃんは近くに設置されていた机に本を置き、魔法を詠唱する。すると、本から小さな光が2つ出現し、段々と小さくなっていく。そしてそのまま消える……と思いきや、膨張して小規模の爆発を生んだ。
私はその爆発によって倒れてきた近くの本棚に下敷きにされ、身動きが取れなくなる。埃から守るために目を瞑っていると、近くから声が聞こえる。
「ゴホッゴホ。レイカ、掴まって」
目の前には私に手を伸ばしてくれているシャネルがいた。
「ありがとう、シャネル」
シャネルの手を掴んでどうにか本棚から抜け出すと、隣で倒れているユイちゃんとヘレンを起こす。
「一体何が……?」
「やられました……」
ユイちゃんの意味深な台詞に、埃を被った私達は意味を聞く。
「あの本には2つの魔法がかけられていたんです。1つ目は怒りの感情を大幅に倍増させる『怒号上昇』。2つ目はかけられた者を永遠に眠らせる『永遠の深眠』です。幸い2つ目の魔法は効果が抑えられたようで、1ヶ月程で目を覚ますと思いますが……」
「どうして効果が抑えられたの?」
「それは、レイカとファーナが結んだ魔法『復命の鎖』のお陰です。あの本にはどんな内容が書かれていたのか具体的には分かりませんが、ファーナがレイカを恨むような内容が書かれていたのでしょう。それを読んだファーナは、魔法『怒声上昇』によって増幅された怒りの感情がレイカへの殺意に変わったのです」
あの時に感じた殺意とはこれだったのか、と私は納得する。
「レイカを殺すためにファーナが放った龍固有の魔法『爆ぜる鉄拳』は、『復命の鎖』の主人を攻撃することは出来ない、という特性が発動し、ファーナに跳ね返ったのです。その時にファーナさんにかけられていた『永遠の深眠』の効果を抑えたのです」
「……ごめん、もう一度最初から聞いてもいい?」
とてもややこしい話を何度も聞いてやっと理解した私は、周りの惨状についての説明を求める。
「ユイちゃん、さっきの爆発は何だったの?」
「あれはですね。本の内容を確かめる為に、本にかけられた魔法を消そうとしたのですが、消された時に爆発を発生させる魔法を仕掛けられていたことに気づかず、こうなってしまったということです」
「な、なるほど……」
今度はギリギリ理解した私は、取り敢えずこの本達を元に戻そうと近くの本を手に取る。そして、あまりの奇跡に歓声をあげた。
「レイカ、どうしたんですか?」
「すごい、奇跡だよ! 偶然手に取ったこの本の題名がさ……」
その本の表紙には、しっかりと『裏世界の災害』と書かれたいた。
その頃、魔王城では──
補足話:『魔力感知』という魔法は、魔力が流れているものや魔法がかけられているものがどこにあるのか教えてくれます。ユイちゃんはこの魔法で本とそれにかけられた魔法を暴きました。




