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転職魔女、魔法の修行をする

 

「まあ、元々そのつもりだったんですが、魔女様は使えないんですか?」


「……ごめんね、そういう魔法みたいなもの使った事ないし……」


 何せ自分が魔女だと分かったのはつい先日のことなのだ。『転職の書』にも偶に魔女の豆知識のような事が書かれているだけで、魔法のことなんて1ミリも記されてなんていなかった。


「分かりました、このユイが教えてあげましょう! まず、魔力を分け与える魔法の名前は『癒しの光(ヒール・ジユール)』と言いまして、魔力を癒すという意味です」


 私は魔法っぽい用語に少し興奮する。


「私の体にはもう魔力が少ししか残っていません。極力魔力を使わないように意識しても、1ヶ月が限界です。それまでに必ず使えるようになってください!」


 こうして、魔法習得の修行が始まった。

 1日目、シャネルが家に来た。


「ブホッ!」


 取り敢えずシャネルにグーパンチを浴びせ、ユイちゃんを紹介する。


「初めまして、シャネル=リースンです。よろしくお願いします、ユイさん!」


「よろしく、シャネル」


 ユイちゃんがあっさりとシャネルを呼び捨てにする様子に吹き出す。私もユイちゃんに自己紹介した。


「レイカ=フレーアールンです。これからもよろしく!」


「魔女様はレイカという名前なのですね」


「あ、名前教えてなかったっけ」


「レイカ、これからもよろしくです!」


 シャネルには帰れと行ったのだが結局夕方まで帰らず、初日の修行は無しになった。


 2日目、魔力を感じる修行。


「自分の体を意識して、ひたすら瞑想して下さい。そのうちに体の中を流れている魔力を感じることができます」


 私は瞑想するが、上手く魔力を感じることが出来ない。

 出来るまでずっと瞑想し、やっとの思いで習得した。


 3日目、魔力を動かす修行。


「感じ取れた魔力を念力のようなイメージで動かして下さい。といっても、魔力は全身を時計回りに流れていますので、その流れと逆回転で動かして下さい」


 これが中々難しい。しかも、魔力の流れを無理やり動かそうとすると、体が拒絶反応を起こして苦しくなる。

 苦しみに耐えて練習し、5日かけてようやく習得した。


 8日目、魔力を体外に出す修行。


「これは魔力を動かす修行の応用編で、極めて難しいです。これに関しては慣れですので、初心に戻ってひたすら練習して下さい」


 魔力を体外に出そうとすると、体が有り得ないほどの拒絶反応をする。魔力とは本来生物の命のようなものなので、それを勝手に動かしたり、体外に出そうとすると拒絶するのは、当然なのだそう。

 この修行を習得した時には、この日から2週間が経過していた。


 22日目、魔力を物質化する修行。


「今までの修行とこれを合わせれば、魔法の完成です。まず、魔力を感じて、体の中のどの位置に流れているか把握します。右手の上に魔力を運び、その魔力を物質化します」


 ユイちゃんの小さい右手の上には、白いもやもやの球体が浮いている。これが魔力なのだ。


「物質化するには、詠唱をするだけです。詠唱はどの物質に変化させるかによって違います。例えば……瞬き、羽ばたけ『月光鳥(ムーン・バード)』!」


 ユイちゃんがそう叫ぶと、浮いていた魔力はたちまち光る鳥に変身し、部屋を飛び回り、やがて消えていった。


「すごい、これが魔法……」


 ドタッ


 私が魔法に感動していると、正面に立っていたユイちゃんは膝から崩れ落ち、床に倒れてしまった。


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