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親バカは大抵無茶苦茶だ

今日一日で二話投稿しました、俺偉い……うざいだって?そりゃ俺にとっちゃ褒め言葉さ!

「遅かったが何かあったのか?」


「いえ、特に何も起きませんでしたよ、お父さん。」


「それじゃあ食べましょうか。」


姉さんと一緒に食堂に入ったら、お父さんとお母さんは椅子に腰がけて俺たちが来るのを待っている光景が目に映る。そして座った瞬間、メイドさん達が一人一人俺たちの横にきて、食べ物を盛り付けた皿を何枚も置いていく。


「前に言った通り、アルフは貴族の方々が全員揃ったら登場し、挨拶をするんだ。それからは近寄ってくる貴族の方々と会話を繰り広げるそれだけだ。」


簡単かに出来るかのように説明しているが、こういうことに関わりのない俺には難しいっつーの。その上に俺の称号見た?どう見ても引きこもりニートのそれだよ?


「アルちゃんなら大丈夫よ!」


「うん!アルフなら絶対に上手くやれるわ!」


うん…もうさ、心が痛いよ。頼むから助けて?ね、メイさんお願いだから助け…目そらされた。


「あのー、流石に不安なのですが、挨拶の準備とかはないのですか?」


「大丈夫だぞ、アルフ。」


おっ!やはりお父さん、頼りになる!


「お前ならぶっつけ本番でも出来る!」


うわー、そういやこの人も親バカだったわ。どんどん引きつった笑顔になりながらも、俺は苦笑いをして礼を言う。


「僕にそれほどまで期待してくださってありがとうございます。必ず成功させましょう!」


ここまでこればやるっきゃない。ボッチ?んなもん知るか、俺は過去にとらわれない男だ。


「うぅ…改めて考えるともうこんなに大きくなったのね、アルちゃん。」


「お姉ちゃん嬉しいよ!本当に誇らしいよ!」


「アルフ、お前なら絶対そう言ってくれると思ったぞ!我が息子!」


やばい、余計に火を着けちまった。そう思いながらも、半分諦め気味に俺は涙ぐんでいる家族に笑顔で返事し、食事に戻ることにした。


<食後>


「それでは今日の稽古を始めようか。」


「「はい!」」


朝ごはんの後には毎日父さんの基で姉さんと一緒に剣の稽古だ。何故五歳で剣の稽古をしているかって?そりゃ当たり前、「アルフなら出来る!」という家族の謎の信頼のせいだろう。


「まずは素振りからだな、量はいつも通りでいいぞ。」


素振りをするのは当たり前だ。ただ単に腕力を上げるのにも必要だし、何もかも基本からやるもんだしな。だがな、お父さんよ…


「アルフは100回、アリシアは150回な。」


この数はおかしくないか?確かに姉さんは今12歳だし多少は納得できるよ、でも五歳児に100回素振りって馬鹿なの?


「お父さん、やっぱり100回は多いような気がするんですけど…」


「何を言ってるんだ、アルフなら100回ぐらい余裕だろう!」


豪快に笑っているがお父さん、俺へのその底なしの信頼はまじでどこからきてるの?


結局反抗できず、次の約30分はずっと木刀を素振りを続けた。終わった頃には腕が凄く重いし汗の量も酷い。だが、やはり運動の後とは気分がいいものだ。


「次は模擬戦…と行きたいところだが今日はお披露目会だしな、今日は素振りだけで終わりにしよう。」


「分かりました。」


普段は素振りの後に約2時間の模擬戦だからな、本当にそれを避けれた良かった。だってお父さん本気でかかってくるし、最近じゃ慣れてきたけど昔はよくボコボコにされてたし…


「アルフ!お姉ちゃんと一緒にお風呂行こう!」


「流石にそれは遠慮するよ。」


「えー、遠慮しなくていいよ?お姉ちゃんにうんと甘えなさい!」


「あー、あそこに猫が。(棒)」


「えっ!?どこ!?」


姉さんは軽く跳ね上がり、俺が指をさした方向にパッと振り向く。ここで諸君は思うだろう、姉さんはよっぽどの猫好きなのだなと。だが実際は違う。そう、俺の姉さん、アリシアは猫が大の苦手だ。証拠として今の姉の表情が真っ青で体が小刻みに震えている。この隙をついて、俺は逃げ出した。


「姉さんには悪いけど、仕方がない。」


そう、これは姉さんのためでもあるんだ。決して手っ取り早いからという理由でやったのではないのだ。そして俺があとで入ろうと思っている風呂はやはり貴族の屋敷ということで、風呂場はそれなりに広い上に、かなり清潔だ。まー元日本人である俺からにしては風呂があるだけでも十分ありがたいがな。


そのまま俺は着替えを持ってくるために自分の部屋に向かった。道中では誰とも会わず、すんなりと部屋にたどり着いた。ゆっくりとドアを開け、のんびりとした足取りでタンスに向かうが、着替えを求めてタンスの中を漁ろうとしたら、いきなり眩しい光目の前に現れる。反射的に目をぎゅっと瞑り、顔を手で隠すが、眩しさが収まると共に懐かしい顔が現れた。


「おー、お主元気にしておったか?」


「…糞ジジイ。」


「ちょっと待って、お主やっぱ口悪すぎない?ワシ神じゃよ?」


と、俺は神様と運命的な再開(笑)を果たしたのだ。


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