ブラコンは大抵ヤンデレだ
地獄から舞い戻ってきました!……はい、更新めっさ遅くてすんません本当に。
<翌日>
「アルフ様、準備は終わりました。」
「うん、ありがとうメイさん。」
ちょうど着替え終わった時に入ってきたメイさんに礼を言い、深呼吸をしながら胸を撫で下ろす。
大丈夫だ、ただ挨拶をして愛想よくするだけなんだ、そうだ全く怖いことはない…でも親とここで働いてる人達以外と喋ったことないしなー、その上に未だにボッチという称号もあるし。
そう言えば最近ステータス確認してなかったな、見てみよう。
<ステータス>
名前: アルフ・ヴォルフ
種族: 人間
歳: 5
魔力: 35
適正魔法: 土
筋力: 21
素早さ: 10
運: 0
スキル
アイテム倉庫(LV10): 上限なしで生物以外のものを全て保管できる。
鑑定(LV10): 任意の相手の情報全てを見れる。
称号
ボッチ
根暗
オタク
外道
運無き者
流石に筋力とかのステータス値は上がってるな。だけど…運が0って酷すぎやしませんか?それに称号に運無き者なんて増えてるし。
「アルフ様、そろそろ時間です。」
少し落ち込んでる所に別のメイドさんが部屋に入ってきて、時間を伝えてくれた。
「ありがとうございます、直ぐに行きます。」
「アルフ様、旦那様達にも言われたと思いますが、アルフ様はいつも通りで大丈夫ですよ。」
何だろう、メイさんにこのセリフを言われて感じる安心感は。
メイさんともう一人のメイドさんと一緒に部屋を出たら何かに飛びつかれた。ちなみにその何かとは微かに甘い匂いがして、全体的に柔らかい。
「アルフ、凄い似合ってるよ!」
「あっ、ありがとう姉さん。ところで何で姉さんは飛びついてきたの?」
「えっ?それはアルフがそこに居たからじゃない。」
うん、ここまで納得できない説明は初めてだ。だが、今はそれより父さんにお披露目会での段取りを再確認しないと。
「姉さん、悪いけど今はお父さんに喋ってこないといけないかまた後でね。」
そう言いながら「待ってー」と泣き叫んでる姉さんを置き去りにした。それから数分したら父の書斎の前にたどり着き、軽くトントンと扉を叩いてから部屋に足を踏み入れる。
「お父さん、今日のお披露目会のことだけど最後に段取りの再確認をしたいんだけど。」
「おーアルフ、丁度私もそれについて確認しようと思ってたんだ。」
そう言いながら、父さんは手に持っていた羽鉛筆を丁寧に机の上に置き、椅子か立ち上がる。
「せっかくだし、朝ごはんを食べながら全員で話し合おうじゃ無いか。」
「分かりました、それじゃ姉さんを呼んできます。」
笑顔でそう返事したら「うちの息子天使?」という呟きが聞こえた気がするが気のせいだろう。姉さんに関してはさっき崩れ落ちた所にまだいるだろうな。そう考え、俺は自分の部屋に少し早歩きで向かう。案の定、姉はそこにいた…だが床に崩れ落ちてるのではなく、俺のベッドで寝転んでいた…枕に顔を埋めて…
「姉…さん?」
声をかけた瞬間体がピクッとし、ゆっくりと座り上がる。
「うっ…あらアルフ、奇遇ね、こんなところで会うなんて。」
姉の髪は地味に乱れて、顔が少し青ざめている。こんな状況でもなんとかやり過ごそうとする姉の神経は半端ない。だが…
「なぜ、僕のベッドで寝てるのでしょうか?」
俺がここで容赦するわけない。いつも姉には困ってるんだ、ここで少し反省してもらうべきだ。
「…それは…」
「なんて?」
「そんなのアルフのベッドがそこにあるからじゃない!」
…もうやだ、この子開き直っちゃったよ。
「まー…うん、分かったから、朝ご飯食べに行こう?」
「ええ、そうしましょう。」
清々しい顔で答えてるけどあなた先ほどまで自分の弟の枕に顔埋めてたんだよ?それに名残惜しく俺のベッドを見ないで!お願いだから!
少し名残惜しそうにベッドを見ている姉の手を掴んだら、打って変わって満面の笑みになった。なんなら眩しい、キラキラが凄い飛んでるよ。そんな姉を連れて、俺らはお父さん達の元へ向かった。