表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の《探知》がおかしいんだが。 unrestraint online  作者: 夜奈國 霊徒
プロローグ
2/3

鳥にしたんだが。

咲真はもうすでにソファに横になっている。

本当に行動が早いと言うかなんと言うか。

時間はまだまだあるだろうに。


「種族ねー・・・」


階段を上がりながら俺は考えていた。

種族、これはゲームをする上で一番大事といっても過言ではない大切なもの。

そして一番の定石はヒューマンである。

とりあえず迷ったらヒューマンにしとけってレベルだ。

だが生憎、親友を助けるという理由によってヒューマンは選べない。


「なんか良いのあるといいけど」


そして俺も新型ゲーム機、サイバースペースを頭に付けて起動する。

ちなみにサイバースペースとは電脳空間という意味らしい、まあ使うことは少ないだろうが。

しばらく待っていると、天の声みたいなのが聞こえてきた。


『UROの世界へようこそ。キャラクタークリエイトを始めますか?』

「何かいきなりだな・・・YES」

『それではまず携帯番号と氏名のご記入になります。完了しましたら次の項目へお進みください。』


天の声がそういうと空中にキーボードが現れる。


「うおっ!すごいなこれ・・・○○○‐○○○○‐○○○○で、名前は戸ケ崎未来っと」


入力事項を記入して『次へ』と書いてある場所を押す。


『続いてキャラクター名と性別の設定になります。キャラクター名はゲーム内で変更することが可能ですが特定のアイテムを必要としますのでご注意ください』

「キャラ名か・・・適当に未来の二文字とって『ミラ』とかでいいかな?」


名前をミラ、性別を男に設定する。

何か性別にその他なんてあるがどんな人が使うんだろうか、トランスジェンダーの人とかだろうか?

いや、それなら女か男を選択するだろう。


「・・・なんか気になってきた、いや、ダメだ、どっちも無いとかかもしれん」


うん、やめとこう。

さっきと同じように『次へ』を押すと種族設定という項目になった。


「おー結構いっぱいあるんだな」


選べる種族にはヒューマンを筆頭に獣人とか龍人とかドワーフとか、他にも馬とか犬とか猫とか動物系も選べるようだ。んでもう一つ人外種っていう項目もある。

ゾンビや骸骨はもちろんのことスライムとか妖精とかβテスターだけしか選べないようだが剣まである。

剣は確かに人外だが生き物でもない、無機物である。いわゆるネタ種族だろうか。


「うーん、スライムとかあの転生するヤツ再現できそうだな」


なんて、考えていると少し気になる種族を見つけた。

鳥。

いやうん、普通に飛べたりするんだろうか?

もしそうなら普通に鳥がいいんだが。

種族説明を見てみると結構てきとーに書いてある。


・鳥

飛べる。

 操作難易度:高


操作難易度は高いということは難しいんだろう。

そんで案の定飛べるようだ。それにしても鳥の説明三文字とか少し不憫だ。

これ書くのに一分もかかってないだろ。絶対。


「うーん」


まあ決めるのはまだ早い、決めるのは全部見てからだ。



うん。まあとにかく俺は決めた。飛べる種族にしよう。

見て終わったが最初ッから飛べるのは妖精と鳥、それと一部の獣人と剣だけのようだ。

剣は飛ぶというより浮くの方が良いような気がする。

だって剣飛ぶとか聞いたことないし、それに剣って無機物だし!無機物だし!

ちなみに妖精のほうは説明がぎっしり書いてあった。

しかも操作難易度は同じ飛べるもののはずなのに中だ。

運営、お前ら鳥選ばせる気ないだろ。

いや、もしかしたら鳥の担当の人とかが適当なだけかもしれんが。


「鳥なぁ」


正直悩ましい、妖精はなんとなくランクアップ先に検討が付いているし、ちょっと鳥の最終が何なのか見てみたいし、鳥のほうはランクアップ先にフェニックスとかあるんだろうか?というか鳥で思いつくのがそれぐらいしかない。

運営の言うことには隠し種族は百以上あるらしい。

そんなにあるならフェニックスもきっとあるだろう、というかどこからそんなに出てくるんだろうか。

そんなことはさておき、なんとなーくどれにするか定まってきた。


「よっしゃ!鳥にしよ!」


鳥って何か妖精と比較されて絶対不人気だろう、それに加えあのクソ説明。

物好きでなければ選ばないだろう。

俺って意外と目立つの好きだったりするし、もしかしたらフェニックスとかにもなれるかもしれないし。

楽しく遊ぶなら妖精だろうが目立ちたいなら不人気の種族がいいだろう。

それに結構鳥好きだし。

これらの理由で俺は鳥に決めた。

異論は認めん。

また『次へ』を押すと後は通知設定だとか言ったら俺にとってはどうでもいい項目が続いた。

最後の項目を設定し終え『完了』を押すとまたいつものように天の声が聞こえてきた。


『これで全ての設定が完了しました。サービス提供開始は三日後です。それまでは細かい設定の変更は可能ですが種族の選びなおし等はできません、本当にこの設定でよろしいですか?』


丁寧にも最終確認と言うところだろう。


「YES」

『かしこまりましたそれではデータの構成を開始します。電源をお切りになられても操作が中断することはありませんのでご安心ください』


電源切っても大丈夫とのことなのでサッサと電源を切ってサイバースペースを頭から外す。


「あー疲れた。結構なげーな咲真は終わってんのかな」


階段を下りてみるとまだ咲真は終わっていないようだ。

なんかまだ外してないし、ソファからは落ちかけてるし。

まあ実況者なんだし慎重にはなるもんなのかね?

そう思っていると、

咲真の手が電源ボタンに伸びて・・・ない、何か顔をペタペタ触りまくってる。

普通にそっちにボタンあると思うんだが。

ていうか何でこいつ動けてるんだ?電源入ったまんまだから意識は向こうにあるはずなんだが。

これでまた咲真のなぞが増えてしまった。

こいつの意識は向こうのとこっちので連動してんじゃねえのか?

《双の意識を操りし者》

とかの称号持ってても驚かんぞ、うん。


「おい、そんな動いたら落ちるぞ」


お、動きが止まった。

コイツ声も聞こえてんじゃねえのか?

て思ったけど違ったようだ。

サイバースペースの光が徐々に消えていく。

完全に消える前に咲真は機器を頭から外す。


「やっべーなこれ!まじで現実のどっかに居たみたいな感覚だわ」

「うんうん、俺もそんな感じだったな、すっげえリアルでな」

「ホンットにそれ!あれはやべぇわ益々したくなってきた」

「俺もだな」

「よっしゃ!じゃあ俺は動画の編集してくるわ、種族は絶対会うまで内緒な」

「わかってるよ」

「おう!それならいいんだ」


その言葉が聞こえたときにはもう咲真の姿は見えなくなっている。

アイツの早さにはいつまで経っても慣れん。

ふと、時計を見てみるとまだ二時半、設定を開始したのがちょうど二時ぐらいだったから俺は三十分近くあっちに居たわけだ。


「時間を忘れるっていうのはこういう事を言うんだろうな」


さて、キャラクリも終わってしまった今、本当にすることも無い、また録画を見るのもいいがちょっと飽きてきている。


「外にでもいってみるか・・・」


いきなりそんな考えが頭をよぎった。

だがまあ、たまには散歩というのも悪くないだろう。

そうと決まれば俺はすぐに行動に移す人間だ。

近くの公園にでもいってみよう、此処はまあまあ自然が豊かだし自然に親しむというのも大切なことだろう。

一応財布も持っていこう。


「咲真!ちょっと俺出かけてくるから留守番お願いな!」

「りょ~」


返事が少し頼りない気がするが・・・まあいい。

俺はドアを開けて外に出る。


「うおっ今日は結構暑いな」


家の中は冷房をガンガン使っているので気付かなかったが今日はたぶん夏一番の暑さぐらいにはなるんじゃないだろうか。

鍵は・・・まあいいだろ咲真が居るし。

さて、時間はたっぷりある。有意義に使おうじゃないか。


「こんにちわぁ」

「はい、こんにちは、今日はいい天気ですね」

「ほんとにねえ、最高のお散歩日和だわァ」


川の近くを歩いていると近所に住んでいるおばあさんと遭遇した。

このおばあさんは千代さんと皆に呼ばれている。

こっちにきたときから仲良くしてくれていて、なんだかポヤポヤしているかわいい人だ。

なんでも俺と同い年ぐらいの孫が居るんだとか。


「どこかにいくのかい?」

「まあ、この近くの公園に行ってみようかなって」

「あらァそうなの?今はちょうど綺麗なお花が咲いてるのよぉ」

「そうなんですか、楽しみです」

「ふふふ、そうかいまたね」

「はい」


うん、やっぱり散歩はいい物だ。

心が綺麗になっていってる気がする。

公園に着いた。

ここは池を取り囲むように遊具やら花やらがある。

屋根付のベンチではよく小学生がゲームをして遊んでいる。

もちろん今日は平日でたぶん授業も終わっていないと思うので小学生は居ない。

俺が居るところから三百メートルぐらいいったところに花が植えてある。

たぶん、あれが千代さんの言っていた花だろう。

ここから見るにマリーゴールドだろうか、赤い花が見える。

近づいてみると案の定、マリーゴールドだ。

遠くからは赤しか分からないが効して近づいてみると赤のほかにもオレンジや黄色も混ざっている。

確かに、とてもきれいだ。

こういうのを見ると心が和む。


「おお、改めてみるとやっぱでっかいな」


俺は池の中にいる鯉を見て驚いていた。

始めてここの鯉を見たときもでかかったが、また一段とでかくなっているような気がする。



池の周りを歩いていて気付いたことがある。

此処、思っていたより広い、初めてきたときはちょっとしか歩いていなかったし、

いや、それにしても三年近く此処で暮らしていたのにずっと知らなかったのは流石に・・・。

まあ外には買出しに行くぐらいにしか出ないし当然と言えば当然なんだが。

そうだ、買出しといえばもう卵が無くなりかけていた気がする。

財布も持ってきてるし、スーパーにでも寄るか。






「今日はゲーム購入祝いですき焼きとかにしようかな」


スーパー、ここは外と比べ冷房が効いていて涼しい。


「すき焼きなら牛肉は欠かせないよな、後はエノキとしらたきと白菜、お麩と豆腐は・・・アイツが入れたいっていったら入れるか、牛肉は奮発して高ぇの買お」


どんどんかごに具が増えていく。

すき焼き、と言っても俺は卵はつけない派だ。

まあ高い肉のときだけだ。

安い肉のときは普通につけてる。

いるものは大抵かごに入れたので後は会計だ。

今日は高い肉なだけあって結構掛かる。

俺は袋に買ったものを詰めてサッサとスーパーを出る。



辺りはもう夕日が沈もうとしていてオレンジがかっている。

今頃アイツは食べ物と俺を探して家の中を歩き回っているだろう。

生憎俺はスマホを忘れてきているので連絡はつかない。


「ふふっ」


その光景を思い浮かべたら結構笑える。

家に着いたが鍵が開いてない。

インターフォン押しても反応無い。

もしかして寝てんのか?

鍵もってないし、起きるの待つしかないじゃん・・・。

俺はため息を吐きながら玄関に座り込んだ。


案の定、今日の夕食は遅くなり、十一時になった。

俺は外出するときには絶対に鍵を持とうと決心した。

・・・いやまあそれが普通なんだがね?うん。



はーい、今までのストーリー全部移し終わりましたー。

っていっても二話だけですけど・・・。

次からは新しいストーリーというか、まあゲーム開始ですね。

いままでのんびりしていた分、ちょっと頑張ろうと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ