19:合流②
※タイトルが被ったので②です。
お久しぶりです。
多分二日か三日ぶりです。遅れてすみません。
(エンストしてました)
気が付くと、先程までいた自室と同じ体勢でベッドに転がっていた。まるで寝起きの感覚のようである。
養母……ではなく、ミサミサはちゃんとログインしているのだろうか――等と考えながら、夜白は地に足をつける。現実と異なって、貧血で眩暈を起こしたりしないから楽である。
「……行こ」
そう呟き、夜白は部屋の外に出る。出来るだけ早めに合流したいのだ。
そうと決まれば、と早速ミサミサがログアウトした部屋をノックしてみたが、返事は無かった。
「……はぁ、まだ来てない」
全く、あのカップルは一体何をしているのか、と肩をすくめる。
「失礼」
部屋で待とうと夜白がドアを開けた瞬間、部屋にあるベッドの上が突然光り出した。
モンスターとは違う、白い粒子が集まって人を形作っていく。あまりまじまじと見たことのある光景ではないからか、夜白には神秘的な光景に映っていた。
少しして完全に人型になったそれに一瞬で色が付くと、ミサミサの驚きに満ちた声が聞こえた。
「夜白ちゃんが待っててくれていたですってっ!?」
「うるさい」
あのまま寝てたらどうしよう――と少し心配だったが、夜白は直ぐにそっぽを向いて平然と言う。こんな時だからこそ、ミサミサに迷惑を掛けたくないのだ。
夜白はミサミサの服の裾をつまみ、くいくいと引っ張る。
「早くさいとー探さないと」
「といっても噴水のとこだけどねー」
「……む」
おちゃらけていうミサミサに頬を膨らませながら、夜白は小走りで廊下に出た。
喋らずについてきたミサミサに少し驚きながらも、木造の階段を駆け下りる。AGIの補正がついているからなのか、一瞬で一階に辿り着いた。
「……おっ、ヤシロちゃんきたっ!」
「嬢ちゃんじゃねぇか」
「シローっ!」
「ん」
それぞれが反応を示す中、夜白は金髪を靡かせながら走り寄ってくるサリエルの頭を撫でる。いつの間に風呂に入ったのか、髪はさらさら、肌はつやつやになっていた。
「えへへー」
「む……」
嬉しそうにはにかむサリエルを見ていると、なんだか気恥ずかしく感じてしまう。友達とはこういうものなのだろうか?
「サリー、今日は何するの?」
「さいとーって人を探……ミサミサ」
言いかけた所で、背後から柔らかいものが押し付けられる感覚が走った。
このデカぱいに心当たりは一人しかいない。ミサミサである。
「ヤシロチャミン補給よ」
「……うらめしや」
巨乳族と神様を呪いながら、夜白は嫉妬の籠ったジト目でミサミサを見上げる。
「まぁいいわ、とりあえず探しに行きましょう。そろそろじゃない?」
「ん」
「私も行くー!」
ようやく……というわけでもないが、兎も角、解放された夜白はそそくさとミサミサと距離を取る。
「……って、サリーも来るの?」
「行きたい!」
「まぁ、いいんじゃない?」
「ん」
ミサミサも言っているし、大丈夫だろうと思いサリエルの頭を撫でた。
「じゃあサリエルちゃんも一緒にレッツごーね! しゅっぱーつっ!」
「おーっ!」
「……ん」
まるで子供をあやすように宣言しながら、ミサミサが先頭に立って店の外に出ていく。それに乗るサリエルも、案外幼いのだろうか。
「……私もまだ子供か」
「んー? どうしたのー?」
「なんでもない」
危機一髪。声に出ていたようだ。
ミサミサは感づいたのか、はたまた聞こえていたのか、ニヤニヤと笑みを浮かべている。
「……ほら、行こ」
「んー? まーいっかーっ!」
元気の溢れる母親である。それに比べて、夜白は元気がない。
「……まぁ、いいか」
なにやら騒ぎながら前進するミサミサとサリエルに、夜白は急いでついて行った。
* * * * *
「しゅっにーん!」
「お? たにぐ……ミサミサか」
噴水前に到着してからちょうど3秒。ミサミサはカップラーメンを作る時間の60分の1の時間で斎藤を発見していた。
「……早い、早すぎる」
「愛の力?」
「サリー、何故それを知っている?」
呆れたように呟く夜白を見て、こっくりと首を傾げるサリエル。サリエルのずば抜けた推測能力に、夜白は少し焦っていた。
(……サリーに、負ける?)
夜白でさえ対面してから数十秒~数分掛かったのだ。対してサリエルは3秒――3秒?
「……天才か」
「? シロ、今私の事褒めた?」
「ん、褒めた褒めた」
頭を撫でてやると、目を細めて「えへへー」、と声を漏らすサリエル。小動物っぽくて可愛いと夜白は思う。
性的な意味で食べたいとかは一切思わないが、頭を撫でているとやはり、抱き枕にしたい――くらいは思ってしまう。
無心になろうとミサミサの方を見るが、逆効果だった。斎藤の腕に抱き着いたりと先程からずっとイチャイチャしている。
「……く、サリー、そろそろミサミサを引きはがす」
「りょーかいっ!」
そう言って夜白が全力で駆けだすと、サリエルは背後にぴったりとくっついてついてきていた。
「……サリー、私についてこれるの?」
「うん!」
「……はぁ。サリーはすごい」
「? えへへ」
当の本人は嬉しそうに照れているが、夜白のリアルスキル+AGI補正についてこれるのは正直言って異常だった。
「はぁ、聞くことが増えた……」
ちなみに、随分長い間考えていた気もするが、時間にして約3秒の出来事である。
既にミサミサと斎藤の元に辿り着いている夜白とサリエルは、斎藤にそれぞれの挨拶をする。
「さいとー」
「初めましてです! えっと、夜白ちゃんのお友達をさせてもらってる、サリエルです!」
「ん? おぉ。この子がサリエルか」
若干変な気がするものの、敬語で丁寧に挨拶をするサリエルに斎藤は少し驚いていた。
「えーっと、えっとえっと、よろしくお願いします! お父さん?」
不意打ちだった。
「ぶ――ッ! けほっ、けほっ」
「ゲホッ、ゴホッ!」
一拍置いて、約二名が喉が痛くなるほどに激しくせき込み始める。もちろん、夜白と斎藤である。
「あら……どうしたのお父さん?」
「谷口、お前も便乗するな!」
首を傾げるサリエルの頭を撫でながら、ニヤニヤと笑みを浮かべたミサミサが挑発するように言う。
「……はぁ」
事情を理解している夜白は深く溜息を吐く。言及はされてはいないが、二人は今頃同じベッドで寝ているのである。
「あれ? シロ、どうしたの?」
「どうしたも何も……」
急に話を振られて、夜白は若干混乱に陥ってしまう。
「ミサミサ、とりあえず早く店に」
「えー、まぁ早い方がいいわね」
「はぁ、はぁ……俺も賛成だ」
息を荒くしたまま賛同する斎藤。店に戻って、早いところキャラクターネームを聞き出したいものである。
「さぁ出発、しゅにんはお初だねぇー」
「たに……ミサミサ、無駄口を叩くな」
「はいはーい」
軽い返事を返すミサミサに、サリエルは少し眉をひそめた。
「シロ、大丈夫なの?」
「……多分。保証はない」
「えぇ……」
知らないふりをしようと空を仰ぎ、夜白より若干遅いサリエルに歩調を合わせた。
ふっ、今? エンジンが爆発しているぜ(`・ω・´)
そんな訳で、次話or次々話からPvPイベ+運営の裏に入っていきます。
今回の話はPvPイベの直前まで入れようと思っていたのですが、時間と文字数が……。
直前まで入れてしまうと、多分文字数が5000~6000を超えるんですよね、多分(´・ω・`)




