初めてこの世界で自力で能力《スキル》を獲得した件
疲れ果てながらも街へ向かい宿にたどり着くとミズカとオーナーが出迎えてくれた
「もう、ミズカ心配したんだよ 帰って来ないんじゃないかって」
「そうだよ、あんた宿代は前金払ってくれてるがね 死なれると後味悪くてしかた無くなるでしょ」
「ああ、突然飛び出してすまなかったよ」
抱きついて泣き始めたミズカを宥めるように涙を拭いてやり 泣き疲れるまで抱き締めていた
しばらくすると昨夜は一睡も出来ていなかったのか泥のように眠りはじめていた。俺もつられるように意識が薄くなっていく
気が付くと昼過ぎになっていたミズカはまだ寝ていたがそのままにしてやり昨夜の出来事を振り返っていた
(なぜステータスがカンストを軽く超えている俺でも全くダメージを与えることもできず負けてしまったんだ? そしてなぜ兵士は魔族の攻撃で吹き飛ばされるだけで済んだのだろうか...)
結局2時間”思想加速”により体感時間で200時間分考えても的確な解答が得られなかった これ以上考えても解答が出ないと判断し一旦保留にした
しかし、後2週間は大丈夫だがそのあとはどうゆう風に暮らそう一番手っ取り早いのは家を買うことなのだが手持ちは金貨9枚と銀貨20枚はあるけど絶対足りんよなぁ…何て考えていたら
「あおい兄! おはよう!...いやこの時間だとこんにちは!かな うーん」
「おはようミズカ 別におはようでいいと思うぞ?」
『ギュゥゥゥ』
ミズカ方をみると顔を赤くしてうつむいていた
「よし、ミズカ晩ごはん食べに行こうか ミズカは何が食べたい?」
「うん行く! えーっとね お肉!お肉が食べたい」
今日は豪華に焼肉にすることした 久しぶりの肉にミズカはおおはしゃぎしていたミズカは肉食少女なのだ
お腹一杯になり勘定を払おうと思ったとき金額が銀貨8枚とかなり高めだったのなんとなく魔が差し値切ってみようと思った
「親父さん、勘定もう少しだけ安くなりませんかね? このままだと財布の紐をキツくなりそうだしお願いできませんかね?」
物は試しだ 言うだけ言ってみた
「そうだね...5枚でどうだ?」
「よっ おにいさん もう一声」
「お前さんお世辞上手いな しょうがない特別に4にしてやるよ」
安くなった勘定を払うと頭に(能力 交渉術を獲得しました)と響いてきた
(マジかよ...今ので能力獲得かよ 魔が差して値切って正解だったな ん?そういえばこの世界に来て初じゃね自力で獲得した能力って)
こんなことで獲得出来るのかと考えていると
(もしかして...この世界って値切る文化が無いんじゃないか)とミズカとの帰り道で思い至った
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