転生することになった件
この作品を生暖かく見守っていただければ幸いです
今朝も、いつもの様に起き、いつもの様にご飯を食べ、いつもの様に高校へ行くという、いつもと変わらない朝のはずだった……
目を覚ますと辺りは暗い。停電かとも思ったが、体の下にあるのは俺のベッドではない。
『なんだ? てか、どこだ、ここ?』
ベッドから落ちたかなとまわりを見回す、そこは慣れ親しんだ自室ですらなかった。
ふと背後に人の気配を感じ、後ろを振り向く。と、同時にその場所にいたのはすらっと伸びたキラキラと光の透き通ったとても、とても綺麗な女性が…………。
「本っ当すいませんでしたっ!」
その女性は俺に向かって土下座していた。
状況がよくつかめない、その女性はいきなり俺に謝りだした。詳しく聞いてみれば、なんと女性の手違いで俺が死んでしまったので謝っているらしい。
え? 俺、死んだの?
「間違いで殺……死なせてしまいまして」
「いや、待て。今何かとんでもないこと言おうとしてなかったか」
「そのお詫びと言いますか」
「スルーかよ!」
「ここは一つ、能力を持って違う世界……異世界に転生しませんか?」
いろいろ言いたいことはあった。が、俺も異世界に憧れがないことは無い……。
いや、ぶっちゃけ滅茶苦茶行きたい。
しかも、スキルを持って転生出来るのだから願ったり叶ったりだ!
チーレム、キタコレ!俺の時代来た!!!!……落ち着け、俺。
よく考えろ、俺。
まだ慌てるにはまだ早い、よくある、もらったのが使いこなせない、代償が大きすぎて使い物になんてなったら目も当てられないぞ……。そんな落とし穴にハマらないように、どんな能力なのか訊かないと。
「んで……?つまりその能力ってどんなものが貰えるんだ?」
「はい、転生する際に<世界の言葉>が聞こえるので''どんな''能力が欲しいか念じれば、''大抵''は実現出来ますよ♪」
言い回しに少し悪意も感じ無くはないが、どんな能力でも……か。これは取得する能力を無難なものして慎重に選んでいけば……これなら異世界で無双できんじゃね?
「じゃあ早速始めますね♪」
「いや、待って、もうちょっと説明を……」
止めようとするが、食い気味に女性が告げる。
「さて、……楽しい異世界生活送って下さいね♪」
そんな笑顔とともに、俺は直径2mぐらいある黒い半透明の球体に包まれた。
中は、ほんのり明るい。
「危なかったー……。このまま、異世界に転生させて証拠隠……」
可愛い声でとんでもない事が外側で何か聞こえた気がした。
「……っとここからはよく考えないと、身体能力は……うーん、とはいっても、実際どれくらいが平均なのか、程度がさっぱりわからん……。…………めんどくさいから、体力多めの魔素力と魔力多めでいくか、あとよろしくー」
また外でなにか聞こえた気がする。
(データベースを作成します、記憶スキャン完了、スキャン結果を基に構築しました、続けて種族を選択します)
「ちょっと待て。データベース?、スキャン……?ゲームみたいなことをいきなりそんな一度に言われても、わかるわけないじゃん。てか、種族……? えっと……、何があるの?」
(人間、魔族、亜人、エルフが存在します)
「……うえ、答え返ってきた!? 魔族とかいるのか……前の前世ではいない種族はかなり惹かれるけど、ここは無難に人間だろう。」
(種族:人間が選択されました。続いて能力を構築します)
「能力か、ここは重要だな。慎重に選ぼう……」
( 能力『慎重者』を獲得しました)
「え? 今ので獲得? 能力については迂闊に考えられんな……能力かー。そういえば高校で一番得意だった科学........話がわかりにくい先生居たな........頭にカツラかぶっててなんだかんだ言って人気があったな。ま、そんなこと今更会うこともないだろうからな……。」
(能力『科学者』を獲得しました)
「う、……まさかこうなるとは……でも、能力が2つも獲得出来たし、結果オーライってことにしとくか、うん……」
(基本データベース作成終了しました、転送を開始します。10、9、8、1、0)
そう聞こえた瞬間、辺りが暗くなった
誤字脱字等ありましたらすみません