第六話 暗殺者の依頼
皆様、元気でしょうか。私は大っ嫌いな持久走が始まってしまいとんでもない状態になっています。
え?どうしてこんな前書き書いてるかって?
達成感だよ…!二日で二千文字かけたからだよ…!
やっと一パーセントぐらい終わったよ…!やったね…!
それでもいい人はゆっくりのんびり読んでいってください。
魑乃が上がり始めると二人も上がっていった。途中、魑乃が大きく息を吸ったと思うと、またスラスラと説明を始める。
「この村は黒犬がブラックミサ……まぁ黒ミサでもいいんだけどね。ブラックミサのために造った集落。それがどんどん大きくなって行って村になったの。きっとあのナイトメアは旅の途中、ブラックミサの餌食になりそうで、他の犠牲者を呼ぶのを引き換えに生かされていたのよ」
そうやって魑乃は説明をしていく。
他にも、ミル峠の魔物は襲わなければ敵対しない魔物ばかりということや、黒犬はウィッチの頭領であるウィッチマスターという職業であることを教えてくれた。
そして、三人とも上がりきった時、最後に魑乃はこう言った。
「一分前ぐらいにも言ったけど、どんなに辛くても解決策を探すのよ。あなた達は、いずれ辛い運命に出会うのだから」
騎士達の間に紛れて見えなくなってしまった。
一体何者なんだろう、それだけ心残りだったが、見えなくなった瞬間はっと瀬乃華は大声でありがとうございますと言った。
二人は一人の男の騎士に話しかけられ、身分は何かと訊かれた。兜を被って鎧を着て、完全に顔が見えない。まぁ、周りを見れば兜を外していたり被っていたりする人なので、特に気にしないが。
「じゃあまず、職業は?」
「忍者です」「み、巫女です…」
「どこから来たの?」
そう言われた時、二人ははっとする。現代から来たなんて言えば笑い者になってしまう。
銭子はどう答えると瀬乃華に訊こうとしたが、瀬乃華が咄嗟(とっさ)にこう答える。
「ロールという人が治める新人冒険者を受け付ける酒場がある街です!」
「……うん、わかるよ。ありがとう、それじゃぁその街まで送り届けるね」
そう言ってその騎士はどこかに行ってしまった。
その後、無事に二人は街まで送り届けられた。
☆★☆★☆★
「おかえり、二人とも」
酒場に入って最初に言われた言葉。
相変わらずロールは忙しそうで、両手に料理が乗った皿を持っていた。
そして酒場の中も騒がしい。多くの冒険者がお酒を飲んでは、料理を食べては、話し合い手に聞こえるように大きな声で、その声に負けないように大きな声で、そんな声が重なって外からもとても騒がしい程だった。
手に持っていた料理を机に置いたロールは、厨房の方に行って入り口付近に二人に手で来いという合図をする。二人は他の冒険者に絡まれないように小走りで、手を繋いで、塞がれたルートから直様違うルートを探し、ロールがいる厨房の入り口付近まで向かう。
熱い炎の上にフライパンが取っ手を掴まれカンカンという音を立てながら料理が作られている。
料理を作ったり、皿を洗ったりする作業員は三人しかいない。その三人の作業員の間を通り裏庭に出た。
時間帯は、予想で言えば十時程。
黒犬との勝負が二時程で終わったのなら、かなりのスピードで送り届けられたことを二人も強く覚えているのでそれぐらいが妥当だ。
「ふぅ。それで、報酬はどうだった」
裏庭に出て最初にそうロールが言った。
「偽りの依頼とでも言えばいいでしょうか……依頼人は黒ミサの餌食にされそうだったお方でした。それで私達が黒ミサの餌食になりそうで、たまたま運が良かったのか、あっちが油断したのか、無事に…えっと…」
そこで瀬乃華が説明に入るが、途中で頭を抱える。
「あぁ、大体は理解できた。つまりは運が良くてブラックミサを行っていた集団を捕獲できたってことか。さすがは私が見込んだだけあるな」
うんうんと二回頷くロール。突然銭子が口を開いた。
「あ、あの、ロールさん!東洋魔法を教えてください!攻撃できる魔法を!」
「はぁ?東洋魔法?」
ロールは深くため息を吐いた。
「攻撃魔法だったら簡単にできると思うが、いいか?東洋魔法っていうのはな、ここは西洋だからそこら中に西洋魔法に必要な魔素が満ちているが、東洋魔法は、東洋魔法に必要な分だけの魔素がそこにあることで使えるんだ」
そこから長い長い説明が始まる。
「そもそも魔法っていうのはな、魔法が魔力を求めてからそこで魔法がそこにある魔素が魔法を使う時に自分の生命力を消費して一つとか、二つとか、必要な分だけの魔力を生み出して発動する。
っていうかMP、マジックポイントっていうのは自分の生命力であって、修行をして生命力を高める。
さらに言えば生命力っていうのはその字の通り、自分の生きるための力を示す、しかもその生命力っていうのは二つに分けられて、魔法を使う分だけの生命力、そして血液とかの科学で証明されているもの、その身体に魂が宿て初めて生き物の身体が動くんだよ。
話を戻すと、東洋魔法っていうのはその人の才能でできるんだよ、西洋では東洋魔法っていうが、東洋に行くと東洋能力って言うんだ。だから西洋魔法も西洋能力って言って、能力っていうのは職業や種族で決まって、他は魔法と同じだな。
と、いうことだ。だから、東洋魔法は諦めることだな。攻撃魔法は教えてやるから」
そう言ってロールは、ゾンビを召喚する。
「まずはファイアーだな!それからウィンド、そしてサンダーだ!」
ここから前回とは変わって、数時間だけの修行が始まった__。
☆★☆★☆★
ロールは中に入って行って、二人は中庭のど真ん中で休憩をしていた。ゾンビ以外にもスケルトンや亡霊なども召喚してきて、苦戦した。
のんびりと世間話をしながら休憩。そんなところに、芝生を踏む音が響く。
「騒いだら腕を一本ずつ折るで」
紫の髪にサイドテールをしていて、サイドテールの先が青くなっていて、綺麗な黒の目、顔には薄く赤い模様があって、上に質のいい布の赤黒いガーディアンと下に皮の布のワンピースを着ている、そして皮のブーツをしている、そして一番の特徴が赤いバックを背負っている女性だった。
二人がその姿を十分に確認できた時、その女性は斜め上から来た炎に包まれた。女性はバク転をしてそれを避けた。
「ロール・ヴァルナ。お前に人を裁く権利はないで?」
「エニ・サティー。お前も同類だろうに。何をしに来た」
エニと呼ばれた女性は二人の背後にゆっくり歩きながら回って肩を叩く。
「依頼やで、依頼」
嘲笑うように微笑みを見せて、ロールに話しかける。
「それなら尚更通報してやりたくなる」
憎しみと皮肉を込めた言葉。
「何言うか〜!私に依頼をもらえるなんて、幸運やで?罪には罪を、やで?」
完全に状況の整理が追いつかなくなっている二人。
「あ、そういえば自己紹介してへんなぁ。うちはエニ・サティーちゅうねん。行商人してんで!」
エニの自己紹介にロールが付け加えた。
「副業暗殺者。法律では死刑と言われる程罪を犯した奴なら、殺してもいいと言われているが、こいつはそこまでいかない犯罪者まで殺している。『だから』、ではなく『だけど』、世間の目は危険人物としか扱ってないんだよ。それに、東洋魔法のかなり強い結界を張っては割るを繰り返すから、その面でも危険とされている」
どこまで危険なのかは、二人にはよくわからない。でも警戒すべき人物ということはよくわかった。
「ロールはん。今ここであんさんを殺してもええんやで?だって」
続きを言おうとした途端、二人は気が付いたら店の中にいた。
きっとロールに転移させられたのだろうと、瀬乃華は直ぐに察することができる。
中庭の真ん中。ロールは二人を店の中に転移して、聞かれないようにした。
「おお!逃げた!」
「煩い!あれはもうやめたんだ!あんなのダメなんだって自分で気がつけたんだ!私は、私は!」
その声の続きはは店の中まで聞こえてきた。他の冒険者も騒ぎ始めた。二人は、その言葉をちゃんと分かることができた。でも、わかりたくなかった。
なんであのロールさんが?なんて言った?
わかりたくなかった現実から逃れようと必死だった。だって、そんな。
原作見てくれればわかるんですが元はエニちゃん両親殺されて移住してきた子なんですよ。
それを大人にして関西弁と暗殺者はやりすぎたなーと後悔はしておりませ((
さーロールさんは一体なんなんでしょうね?それは異世界編の最後にわかりますよ。随分先だわもう中一なってるんちゃ(((