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第四話 夢の中で遭った子戸

満腹になって満足した二人は黒犬の家に戻ることにした。黒犬がいないということに全く気がついていなかった瀬乃華は上を向いてで歩いてる。それに対して気がついた銭子は下を向いて歩いている。


「星が綺麗だねぇ〜」

「えっあ、そうだね!」


色とりどりな星が数々見える。そして月が三つもある。植物の色の緑と、見慣れた白に光るものと、日本でも時々見える赤と光るものが。


家に着いた。玄関扉を開けると、黒犬が他の布団を敷いていた。


「おかえりです。どうでしたか?楽しめましたか?」


そんな他愛のない質問をされる。「はい」と返事をすると、黒犬は少し微笑んだ。


「あ、えっと……」


銭子は相変わらず不安そうで、嫌そうな顔をしていることに気がついたのだろうか。そんなことで胸がドキドキとしている銭子。


「申し訳ないのですが……僕は夜はいないので、この部屋の中だったらどうぞご好きにしていてください」


微笑みから表情を変えて、申し訳なさそうにそれだけ言って黒犬は家を出て行ってしまった。出て行ってから、銭子は安堵の息をする。

家の中にいるのは完全に二人だけになった。


「ねぇ銭子ちゃん。あれやってみようよ、RPGの定番の寝てる間の見張り交代」


瀬乃華から提案をする。理由などきっと無いだろう、ただただやってみたいだけなんだろうと考えた銭子は頷く。


「えっ……う、うん、やってみようか」

「早朝って言ってたから…今は九時、五時に起きればいいよね。っていうことは………二時間おきに交代しよ。先に私が見張りをしてるから」


声を弾ませながら瀬乃華は言った。


「うん、おやすみ」


布団に潜って銭子は眠ろうと目を瞑る。


☆★☆★☆★


瀬乃華は布団の上に座ってネタ帳を開いて、暗い中でネタを書き始めた。


眠ろうと努力する銭子だが、馬車の中で寝たことによって少し眠りずらかった。とにかく目を閉じて、一分、二分と秒数を数えていくと、いつの間にか眠りについた。


夢を見た。


「ねぇ銭子、誕プレ何がいい?」


黒色のセミロングの髪、黒い半袖服に黄色い小さいリボンのある物に黒白のチェック柄の膝上ほどまであるスカート。黒いブーツを履いている。茶色の、黒ずくめの丸い目。

時が止まった。

全てが白黒になって、自分だけ色が付いている。

足音がする。後ろからだ。すぐに後ろを振り向いた。うまく身体が動かない。ゆっくり、ゆっくりと振り向く。

そこに居たのは光る人だった。自分より数センチ高くて、ロングの髪で、大きなリボンを後頭部にしていて、肩出しのワンピースをしていて、さらにロングスカートをしていて、裸足。それだけが光に包まれていてもわかる。


「______」

「何っ!」

「____________」

「聞こえないっ!」

「イアイメ」


キキィ______ッ!ドンッ!ドサッ。

車が急ブレーキをかける音、何かがぶつかる音、何か重い物が倒れる音。

灰色の車が急ブレーキをかけて、お姉ちゃんが車にぶつかって、お姉ちゃんが私に微笑みかけながら倒れた。


「ばい……ばい……また……」


お姉ちゃんの最後の言葉はこれだった。


何が起きた?お姉ちゃんが死んだ。どうして?庇ったから。

なんで庇った?なんで庇った?なんで庇った?なんで庇った?なんで庇った?なんで庇った?

誰かの笑い声が響く。


お 姉 ち ゃ ん ?



「銭子ちゃん、交代だよ!」


瀬乃華に揺さぶられて起きた。目が覚めて、少し寒気を覚える。何故こんなところで姉の最期の夢を見たのだろう?


「うん……」


気が落ち着かない。一つ欠伸をして銭子は毛布の上で座った。


欠伸を聞いた瀬乃華は布団を被って眠りにつく。


銭子と同じように、また瀬乃華も夢を見る。


「お姉ちゃん。明日はなんの日だ!」


黒のビッグテール、白のコートを着て黄色の長袖服を着ていて、赤い半ズボンをしていて、白に水色の模様がある靴。茶色の、黒ずくめのおしとやかな目。


「明日はアル(・・)誕生日だよね!」


どうして、知らない名前を言ったのか。わからない、わからない。

確かに今目の前にいるのは妹の筈なのに……。


「アルはね、死んじゃったんだよ。だからこっちで生きてるの」

「そっかー。どう?楽しい?」


死んじゃった?何を言っているの。


「うん!楽しい!敗北者は嘆き苦しむし、アルは踊るだけでみんなが褒めてくれるし、____さんは凄いし!」


一部分だけノイズがかかる。

上を向いたら、そこは天井だった。妹と同じの自室。自分はパジャマを着ている。


四月三日。朝。妹がいない。

妹はいつも遅刻する程起きるのが遅いから、早く起きるなんて考えられない。とりあえずリビングに向かった。

リビングには、お母さんがいて、泣いていた。


「お母さん。どうして泣いてるの?」

「アルが……アルが、人を殺して、自分も死んだんだって……」


言葉の意味が理解できなかった。だって昨日まであんなに元気そうにしていたのに、なんで人を殺した?なんで自分も死んだ?

絶望の渦に巻き込まれたような気がして。


目が覚めた。


「あ、起きた。瀬乃華ちゃん、交代だよ」


瀬乃華を起こそうとしていた銭子が心配そうに見ている。


「わかった」


今は一時。あと一回ずつ交代したら五時になる。

だが、突然瀬乃華は銭子の腕を引っ張った。


「ねぇ、銭子ちゃん。私、確認したいことあるんだ」

「何?」


瀬乃華は武器を手に取った。クナイと、鎖鎌。そして銭子にお祓い棒を渡す。


「私ね。ずっと疑問に思ってた」


突然瀬乃華が口走る。


「噴水広場の噴水、あれ、チョコフォンデュみたいな仕組みになってて、退けることができるのに気がついた。それと、私が見張りをしてた時、窓から外を見てたら人がこっちを機械みたいに見てた。だから。噴水広場に行ってみよう、何かあるかもしれない」


瀬乃華は食事をしていた時に気がついた。

噴水をじっと観察していたら動かしたような跡があることに気がついた。それは、ちゃんと動かした後を消しているようだが手抜きになっている。

動かした後は、動かした所を想像すると民家と民家の間の道を塞いでいる。それを見て不思議に思っていた時、一部の村人があからさまな殺気を放っていた。


つまり、見張りをしたことには意味があったのだ。その殺気が本当になって襲いかかってくるかもしれない、と。


銭子も瀬乃華に黒犬が居なくなっていたことを伝えた。


「繋がってるかもしれないね」


銭子が言った言葉に対し、瀬乃華はそう一言言って扉を開けた。今は一時半、誰もが寝静まっている時。


☆★☆★☆★


東洋のとある城。


「失礼します、__様がいらっしゃいました」

「わかりました。お疲れ様、__」


城下町がよく見える一室。

そこには正座をして城下町を眺める十二単を着た長い黒髪の女性と、座布団に足を伸ばして座っているアホ毛が立った青のショートヘアにTシャツとズボンの服装の少女。そして入ってきたのはボサボサの黒髪に鎖のネックレス、紺に白で模様があるワイシャツにGパンという服装の少年。


「なぁ、西洋でバイトしてたら_を見かけたんだよ。あとあの"白と青"の瀬乃華と銭子を乗せたんだ。そしたらあの暴力集団のリリスとドッペルゲンガーに襲われてさ」

「あら、大変だったわね」


少年は女性の隣に座って、窓から二人揃って城下町を見渡した。


「お義姉(ねえ)様とかげって本当にラブラブ」


城下町を見渡す二人に対して率直な感想を述べる少女。大爆笑の声がする。


「_は相変わらずだな」


そう言い、少年は呆れる。


「ねぇ__、_が居たっていう話、よく聞かせてくれない?」

「そうだな。あいつのことだから、また大事件とか起こしてるんだろ。んで、なんか準備してたし、性格的に考えたら黒ミサとかでもするんじゃねぇの?」

「そう…」


少年の言葉を聞いた女性は、表情一つ変えずにお茶を手に取った。


「あなたなら心を読む必要も無いから楽でいいわ。MP消費したくないもの……」


小声で言った本音に、少年は苦笑いをする。


「俺もあんまMP消費したくねぇから魔法陣用意してくれねぇの?」

「それは職業がウィッチマスターの_がいないと無理よ。私の職業は領主よ、_の職業は神殺し、あなたの職業は剣士じゃない。ねぇ」

「言い返せないのが辛えわ」


二人の男女の会話が始まる。


「お義姉様〜。今は姫君だよ〜?きゃはっ!」

「そうだったわね」


会話に、口を挟むように少女が言い、それに対して女性は反応する。


障子が突然開く。そこには浴衣を着た女性が、隣に封筒を置き正座をしている。

どうやら預かりものが来たので、それを届けに来たらしい。預かったのは一冊の少々厚い本で、一通り読んで安全と確認したとのこと。


「ありがとうございます」


女性は突然人が変わったように声を高くして、敬語を使う。

障子が閉まってから少年が本を手に取って一ページ目を開いた。


「今回はホラーだとよ。舞台はあの洋館、絶対ギャグ入ってきそうなんだが」

「そうね。あそこの住人ならありそうね」


本を少女に渡して、思い立ったように違う分厚い本を手に取ってどこかのページを探す。


「あったあった。「幼い頃から血の匂いを嗅がされて血を匂いが頭から離れなくなった、小学になってから拳銃を打たされ人を殺してみたくなった、中学になって初めて人を殺した」……苦労してるなぁ、あいつ」


どうやらこのフレーズは少年にとってお気に入りらしい。


「その本も、あの本も今から起こりゆること。もうここを閉じましょう」

「そうだねーお義姉様!」


少女はどこかの部屋に行き、女性と男性は一緒に食堂に向かった。

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