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第十二話 夢の中で行った図書館

注意

少しだけえっちぃです。小さい胸を気にする方はお帰りください。


本当にお待たせしましたあああああ!

ねぇ。みんなは、夢のことをどう思う?

私はね。いろんな世界を繋ぐものだと思うんだ。

夢占いっていうのもあるから、すごいものでもあるとも思うよ。

でも、夢がなかったら、良いこともあるかもね。悪夢を見ることがない。悪いこともあるかもね。寝ることの一番楽しみなことがなくなっちゃう。

それを守護するのが、瀬乃華ちゃんの仕事。人間もどきが受け持った仕事なの。与えた仕事なの。

そして、記憶を奪われた少女がその仕事をちょっぴりするのが今回のお話。


☆★☆★☆★


私が夢に入って始めに見たのが、大きな図書館。図書館、と言っても周りは白くて、本がいっぱいに入った本棚や自分は浮いているとも見て取れる。


「私、なんでこんな所に……」


周りをキョロキョロと見ていたら、三人の女性が口々に「いらっしゃい」と言って近寄って来た。

一人は見間違えることのない人、一人はテレビで見たことがある人、もう一人は時々見る人。


「あ、銭子」


見間違えることのない人は、私の義理の姉である家宮華奈。本名は石川華奈(いしかわかな)。事故で親を亡くして、親戚であるうちに引き取られた。

でも、いつもと見た目が違う。なんていうか、恥じらいを捨てたとも言いたそうな感じ。

ツインテール、そして首の後ろに二つの部分だけ長くなっている青の髪(いつもは黒だけど、染めた?)、瞳も青(カラコン?)、そして頭についている黒い幕、白の半袖のサイズに合ってない小さい上着(これでギリギリ回避してる)。黒の垂れ幕が付いたお腹部分からの服と白のスカート、チェックが閉まっていない白のブーツ(これは愛用してた)、そして鎖が付いている肘上程まである中指だけの白の手袋、肌は青白い(まるで死人)。


「って、お、お義姉ちゃん!?」


そこにテレビで見たことがある人が反応する。確か名前は……文霊架依(ぶんれいかより)だっけ?


「おやー。華奈ちゃん感動の姉妹再会?」


姿は、団子の髪型にしている金髪(でもテレビで見たときは黒だった)、鈴が付いた紐で結んでいて、肘程まである白の首が隠れた服と、長袖のチャックもボタンも付いていない上着を着ていて、灰色の膝ほどまであるスカート、スカートの下は段々と色が薄れて足は無くなっている(まるで幽霊)。


「あら。さすがに無いでしょう。まだ一週間よ?」


時々見る人は、テレビで見たことがある人の意見に否定する。

姿は、ポニーテールのように切ってある黒髪、大きな黒の目、袖が無くて、腰部分がダイア型に開いているロングスカートのワンピース、茶色の革のハイヒール。


「一週間でも人間にとっては大問題だよー?人間は気が短い短い」


お義姉ちゃんは、時々見る人に軽いツッコミを入れる。


「あのー……」


どこか置いてけぼりになっている私は、ここはどこか説明してもらおうと口を挟む。


「あ、ごめんごめん」


架依さんが軽く謝る。


「舞歌は全く知られてないんじゃない?総合では七位なのにさー。まぁ自己紹介よろ!」


お姉義ちゃんが一声かけると、時々見る人は私の方を向いて、自己紹介を始める。


「私は峰一舞歌(みねかまいか)


舞歌さん……か。ところで、ずっと気になっていた。

なんで舞歌さん……そんなに胸が大きいの……?腕で持ち上げても腕が隠れてしまってて!

お義姉ちゃんもそうだけど!架依さんも大きいけど!


「あらぁ。どこをジロジロ見てるのかしら」


舞歌さんは私を見てクスクスと笑っている。


「茶番はそこまで」


架依さんが真剣な、でもどこか冷たい表情になって舞歌さんと私に言った。


「銭子、何か質問無い?」


お義姉ちゃんはまだ微笑んでいる。

質問、だね。


「ここはどこ?なんでお義姉ちゃん達がいるの?瀬乃華ちゃんは!?」


最後の質問は、必死に、叫びながら言った。大切な親友なんだもん。失うわけにはいかない。

場所については、舞歌さんが説明してくれた。お義姉ちゃん達のことは、架依さんが教えてくれた。瀬乃華ちゃんのことは、お義姉ちゃんが説明してくれた。


「ここは異世界図書館よ。世界の(はざま)でもあるのよ。選ばれた死んだ人や夢を見てる人が、ここにやって来るわ。本は管理人の、私たちの保護者みたいなあの方に言えば読むことが可能よ」

「どうしているのって、ここは私たち三人の集合場所みたいなところだしねぇ。唯一本来の……おっと、この先はNGだね。まぁそういうこと」

「瀬乃華は自分の世界に閉じこもろうとしている。この世界に呆れちゃったんだろうね」


そして、お義姉ちゃんの言葉が終わったかと思うと、舞歌さんが、とても怖くて恐ろしい表情で、冷めた表情でこっちを見てることに気がつく。

その恐ろしさと冷たいものは表情だけではなく、四文字の言葉にもなる。


「行くのね」

「は、はい」


慌てて返事をした。怖い。怖い、怖い。今までも、怖くて恐ろしいものを見た。でも、それよりもずっと恐ろしかった。怖かった。この二つの世界でも、“存在するとは思えなかった。”


「なら、この扉を潜りなさい。瀬乃華がいる場所に辿り着ける筈よ」


覚悟を決めたんだ。行くよ。

そして、扉を開けようとした瞬間、舞歌さんが、また口を開いた。


「本当に、行くのね」


その言葉を無視して、扉を開けて、入った。


☆★☆★☆★


「はぁ……ついにこの街も見つかったか」


私たちは犯罪者だ。隠れて遊ぶ場所から逃げて、危険なことをわかってて、私が仕切って、この街を作って、犯罪者を集めた。いつ、勘付かれるかわからない。時間の問題だった。

そういえば、セノカとセンコは大丈夫かな。暗殺者(アサシン)が来てから、見ていない。


「どこに行くつもりだ」


話しかけて来る、東洋人らしき人物。


「せめて、二人への伝言を手紙屋に伝えようと思ってな」


無理だとわかってたけど、言いたかった。


「ふむ……では、私がここには××××××は居ないと説得しよう」

「そんなこと、できるのか」


当然信じられない。××××××がいるということは違法であって、最悪死刑にされるんだぞ。まぁ、騎士が地下都市に気がついたら到底生まれることはなくなると思うが。


「できるぞ。我がこの世界を任されたのだ、人を何人も説得するなど容易い」

「いい。いいんだ。私たちはこの世界に生まれるべきではなかった存在。だから、いい」


東洋人は反応もせずに外に出ていった。どう行動に出るか。見捨てるか、助けるか。

でも、あそこまで言ったんだ。助けるはずがない。


「はぁ……神は、私たちを見捨てたか……」


そう言えば、どっかの冒険者が言ってたっけ。神は気まぐれ、選ばれた者が助かる。そう言ってたな。


「おい。飯をよこせ」


可愛らしい服を着た少女が、階段を下りたところから話しかけて来る。


「帰れ」


私はそれだけ言った。そして、冒険者も客も居なくなった酒場の一つの椅子に座る。

考えた。どうして勘付かれたのか。身分証明書の改造はどれも完璧だった。暮らし方や礼儀も地上を完璧に真似た筈。


「そういえば、瀬乃華と銭子とかいう冒険者が来たそうだな。今、あいつらはどこだ」

「知らねぇよ」

「全く、これだから逃亡者は嫌なんだ」

「だったら人参でも持ってけ。野菜ならいくらでもあるぞ」

「断る。ちゃんとした料理をよこせと、契約した筈だぞ。それとも、無理やり連れ戻して欲しいのか」

「外を見ればかわる。帰れ」

「……ならば、戻れば良いことだ。住民とやらを捨ててな」


その捨てるという言葉にイラっと来て、机を叩いた。


「私にその選択肢はない」

「……まぁ、せいぜい騎士達から逃れられるといいな」


そう言って、少女は去ってしまった。

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