表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

第6章




凍えるぐらい寒い雪の中で、私はただ一人、レオを待っていた。



相変わらず連絡もこない。




足も寒くて動かない。


帰る事も出来ない。



私はどうすればいいのだろう。



雪が私を見えなくさせていく。




私‥‥死ぬんだ。


最後に‥レオに大好きって言いたかったなぁ。


最後ぐらいレオに会いたい。



私の視界が涙でぼやける。


目をつぶって、諦めた時‥!



「‥お!真央!」


‥‥‥!!



レオ‥?一番会いたかった人‥‥



レオは、私にかぶさっていた雪をはらい、思い切り抱きしめてくれた。


「ごめん。ほんとにごめん。」


レオはそれを繰り返していた。







気がつくと、病院にいた。


「気がついた?」


レオが、心配そうな顔で私を見つめていた。


私の腕には注射の針が刺さっていた。


あぁ、うち寒さで倒れたんだ。



レオが迎えにきてくれなくて‥1人でずっと‥‥



視界がくもる。


「ごめん、真央。」


「さやさんと何があったの‥?」



私が聞くと、レオは顔を歪ませながら


「さやは‥‥病気だった。」


病気‥?


「えっ。何の病気?」


「ガン。」


ガン‥‥‥‥?


ああ、そりゃあこれないよね。


「じゃあなんであの時‥クリスマスにはこれたの?」


レオはまた顔を歪ませてから、


「嘘だった。」


「嘘‥?」


「ああ。ガンって嘘ついて、俺を引き止めてた。」


「なんでそんな事‥‥。どうして嘘って気づいたの?」


「病院で検査を受けた結果の紙を見つけて。

日付はつい先週、結果は‥‥異常なしだった。」


そんな‥さやさんはなにが目的っ?


「そんで、さやに、嘘なら帰るっつって真央にメールしたら、さやが死ぬとかいいだして‥」


さやさんはまだレオの事が好きなんだ。


「なかなか帰れなかった。ごめん。」


レオはうちの前で、深々とお辞儀をした。


「大丈夫だよ!気にしてないし、レオ悪く無いじゃん!」


「ありがとう。真央。」


頭をあげたレオは、今までで一番キレイな笑顔を見せてくれた。


涙でにじむ私の視界を、レオが優しく拭ってくれた。


「もうぜってぇなかせねぇから!」


強く抱きしめてくれたレオは、何故だか震えているように思えた。


気のせい‥かな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ