02話「七里との再会」
一日の仕事を終えてわざわざ隣の大きな駅前へと向かった。その駅前には大きなクリスマスツリーがあり、きらきらと輝きながら僕を見下ろしていた。
去年は一緒に見ていた。握りあった手。絡めた指。すべてこの手の中にあった。
「来年も一緒にこようね」
そういっていた。
「――来てないじゃないか……」
ぐっと目をつぶった。奥から熱いものがこみ上げてくる。そして脳裏にあのときの記憶が甦って――
「遅かったですね、矢田先輩」
「……っ!?」
伏せていた顔を上げる。聞き慣れた声、柔らかな口調。それは間違いなく――
「七里!」
「……えへへ、お久しぶりですね」
「嘘だろ……」
彼女は白いコートに身を包んでニコニコ笑って立っていた。
「心配かけてごめんなさい」
「ご、ごめんなさいじゃないよ!」
僕は嬉しさのあまり笑いながら彼女に歩み寄った。大声を上げたので周りから視線が浴びせられる。それはどこか哀れなものを見るような目に見えた。だけどそんなこといいじゃないか、僕の元へ七里は戻ってきたのだから。
いや、待て。七里はもういないはずじゃ……。
一気に心が冷える。僕はいったい何をしているのだろうか。目の前のは何だ。七里だ。七里だけど七里じゃない。
やばい。
「す、すいません!」
近くのサラリーマンを呼び止める。
「どうした」
彼は疲れた力のない目でこちらを見た。
「彼女が見えますか?」
「彼女? どこに?」
「ここです!」
僕は七里のいる場所を指さす。彼女はそこにいる。それなのにサラリーマンは首を傾げ「疲れてるんだよ、帰って休め」とだけ言うとどこかへ言ってしまった。
なんなんだよ。本当に。
こんにちは、まなつかです。
本当はこのタイトル「2日間の幻想」だったんですけど、やっぱり若者にはこれかな~と思い、こうしました。
すると友人に「気持ち悪っ!」って言われました。ひどい。
さて、それではこのへんで。




