11話「留守電」
「ただいまー」
もう自分の家のような口調で七里は家に上がった。電話機を見ると不在着信が何軒か入っていたが、留守電はセールスが多いのでやっていない。面倒だが、かけ直すことにしている。
――えっ。
微かに覚えのあるその番号。確か――七里の実家の番号のはずだ。
ヒヤリと背中に嫌な汗が流れる。受話器を持つ手がふるえる。かけてはいけない。本能が勝ち、受話器を元の場所に戻した。
「誰かに電話ですか? 別の部屋行きますけど……」
律儀に手洗いうがいをしてきた七里が帰ってくる。
「あ、いや、別にいいんだ……うん」
「お母さんですか? ……元気にしていますか?」
はっと胸を突かれる。――おかしいと思った。だけどその疑問は心の中に小さな穴を空けただけですぐに消えてしまった。
「いや、なんでもないよ。母さんは元気だ」
「じゃあ誰から……?」
彼女は、ん? と不審そうに首を傾げる。
「い、いや……友人からクリパに誘われたんだ。断ろうかと思ったけどもうこんな時間だからね」
「あ、そうだったんですか」
壁にかかっている時計を見ると長針と短針が重なろうとしていた。部屋にチクタクと性格にリズムを刻む音が響く。
「お風呂、入ってきてください。もう湧いていますよ。……それとも、私と」
「あーー、さて今日はゆっくり入ろうかなぁ」
「えーっ、私じゃダメなんですか?」
「さーーーって、バブでも奮発して全種類入れよっかなぁ」
「えっ!? ずるいですそんなに! 私もぶくぶく味わいたいです!」
「さ、行こっと」
「えーっ! 待ってくださいよ!」
僕は七里をリビングに置いたままお風呂に入った。
2011年12月25日
二日目、始動。
こんにちは、まなつかです。
久々に後書きを書こうかと。
いや、もう気づいたら今週ですね、Christmaseve! なんていうか、男友達と飯食う約束したのでもう寂しくないです。サイゼリヤで腹一杯食ってきますよ! はっはっはっは!
僕も受験生という自覚がとうとう出てきて毎晩夢にうなされています。もっと頭が良ければ良かったのに……。
この物語もとうとう折り返し地点です。
果たして二人に幸せはあるのか――?(まなつかの作品ってそうそうハッピーエンドを見かけない気がするが)
主人公の知られざる過去とは――?
どうぞ、続きも楽しんでいってください。
大人の人向けなので、(たぶん)子供はちょっと難しいかと。
去年のChristmas of the rainとはがっちり雰囲気を変えたので。
それでは。




