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10話「暗い夜景」


 人間がたくさんいる。暗い室内に薄暗く浮かび上がる人の形、うごめいている。どの陰も楽しそうに話したり寄り添ったりしていた。

 僕らも腕を組んで歩いた。窓から見える夜景は壮観だった。日々暮らしている土地があんなにもちっぽけに見えてそして輝いている。会社のビルも見えた。

「ねね。あれ私たちの会社ですよね。すごくないですか? こうやって見下ろしているのが」

 七里が腕を絡ませながら会社を指さす。

「そうかな?」

「そうですよ、だっていつも入るとき上から見下ろされてる感じがするじゃないですか」

「あぁ、確かにそうだね」

「なんか優越感に浸れますよね」

「ははは……」

「……私も上から見下ろせる人間でありたかったです……」

 急にしおらしくなって言う。まるで台所の蛇口から水が一滴、また一滴と落ちるあの水滴のように。

「ん? どうしたの」

「いえ、なんでもないですよ」

 嘘だ。何でもないっていうときに限って何かある。

「……まぁ」

 だけど今は訊いてはいけない――そんな感じがした。

「夜景、綺麗だな」

 当たり障りのないことを言ってごまかした。

 そして強く抱きしめ、唇に口付けをした。あと何回できるのだろうか。



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